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【本当に盤石だったのか?】 カタールW杯 ラウンド16 フランス×ポーランド|マッチレビュー
世界王者フランスの登場。W杯連覇という偉業まであと4つ。
しかしその目標実現の為には不安となりそうなプレーがこの試合にはあったように感じた。
それでもフランスは圧倒的な攻撃力でポーランドを突き放し続けた。どんなに流れが悪くても得点を奪っちゃうのが、今のフランスの強さと言えば強さ。しかし今の王者にはつけいる隙は十分あるな!と思う試合でもあった。
世界王者に挑むはレヴァドフスキ率いるポーランド。グループリーグの疲れなのか、あまりにも軽率なミスが目立った…
昨日行われたアルゼンチン×オーストラリアのようなアグレッシブさはこの試合にはなかったね!それではゲームを振り返っていきましょう!
▪️どっちもどっち…
試合を優位に進めたのは世界王者。ポーランドもフランスに多くの時間ボールを保持することを覚悟にゲームプランを組んできた。
ポーランドはフランスにボールを保持されると、自陣に4-5-1のブロックを形成して攻撃を待ち構えた。
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これに対してフランスは分厚いポーランドの中盤を超えて、幅をとるWGエムバペ、デンベレへチェンジサイド。
そしてボールを受けたフランス自慢のサイドアタッカーがサイドをガンガン仕掛けてゴールに迫っていった。
フランスの攻撃vsポーランドの守備という攻防は非常にハイレベルで流石W杯!というレベルであった。
しかし、この攻防が逆になると。フランスの守備vsポーランドの攻撃!という攻防になるとどっちもどっち!
この局面になると両チームのウィークが浮き彫りに。チームとしての狙いや練り度がガクンと下がってしまったのは、1人のサッカーファンとしてすこし残念だった。
▪️不足した後方の配給力
フランスはネガトラが決まらないと、自陣に下がってブロックを形成した。決して前からプレスに出ることはなかった。
ポーランドに長いボールを蹴らせて回収。もしくはミスを待つ。そんなボール非保持の振る舞いを見せたフランス。
その為ポーランドは後方でボールを持つことは出来た。
これに対してフランスは少し歪な4-4-2?みたいなブロックをミドルゾーンに形成して、中盤、前線のスペースを消していった。
まずは歪な4-4-2を解説。左に入ったエムバペは下がらずに、トップのジルーと同じ高さに立つ。これが歪という表現を使った理由。
![](https://assets.st-note.com/img/1670242617528-hYH8HQ0LI4.png?width=1200)
その後ろ中盤に右からデンベレ、グリーズマン、チュアメニ、ラビオが並ぶ。この4人も綺麗に横並びというよりこちらも歪な陣形で中盤のスペースを消していった。
並びはこんな感じだが、ただポジションに立っているという感じだったフランス。どこで?どうやって?いつ?奪うのか?というチームとしての決まりも見られなかった。
ポーランドは4-3-3をベースにビルドアップを展開。エムバペは左サイドに張りっぱなしなので、ポーランドの2CBには比較的猶予が与えられる。
そしてフランスのワントップ.ジルーはポーランドのアンカーにマンマーク気味のタスク与えられていた(もしかしたらデンベレとエムバペに外を切りながらCBへプレスさせる狙いもあったのか?)。
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これによりさらにポーランドの2CBにはプレッシャーがかかり難い状況に。しかしここで生まれた時間とスペースを中々上手く使えずに、ポーランドはボールを捨ててしまうシーンも少なくなかった。
もう少しポーランドのCBの配給力があれば…と思うシーンは多かった。
レヴァドフスキが痺れを切らして下がってくることも。一番効果を発揮したのはIHのジエリンスキが落ちてボールをピックアップして前を向いてプレーすることだった。
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フランスは落ちるIHにはついていくこともなく、ジエリンスキは落ちると割とフリーでボールを受けられる。フランスの中盤は中盤のスペースケアすることを最優先にしていた為だろう。
ジエリンスキは前を向くと1人でビルドアップを完結させて、ポーランドにシュートシーンを演出していった。
しかし彼が全てのボールに関われるわけもなく、他の選手たちがボールロストし、フランスの鋭すぎるカウンターを浴びてしまったポーランド。
▪️フランスの理不尽さ
フランスの理不尽さはこの試合でも健在。まずは先制ゴール。ポーランドは自陣に引いて大きなバスを形成したが、そのブロックを意図も簡単に破壊。遅攻でもその破壊力をお披露目。
そして世界一速いカウンターも炸裂。後半28分前線で攻め残っていた3人で攻撃を完結。最後はエムバペが強烈なシュートを叩き込み点差を広げたフランス。
そして仕上げもやっぱりこの男。エムバペがこの日2点目。今大会5点目となるゴールでこの試合の蹴りをつけたフランス。
▪️おわり
ポーランドは後半ロスタイムにレヴァドフスキのPK弾で一点を返し、一矢報いるもフランスが3-1でラウンド8の切符を手にした。
結果だけ見ればフランスの戦いぶりは盤石だった言えるだろう。しかし試合内容に目を向けてみると抱える問題もあった。特にこのレビューでも挙げたがボール非保持では多くの課題が見えた。
フランスのW杯連覇を妨げる次なる挑戦者はイングランド。ここまで好調ぶりを発揮するイングランド。攻守で色んなことができる言わずと知れた強国だ。ハイレベルな試合が見れること間違いなし!準々決勝1番の目玉試合になりそうだ!
▪️気になった選手
ジエリンスキ(ポーランド)
Piotr Zieliński 🇵🇱 pic.twitter.com/GTBILqQLvL
— Faisal HQ (@iF2is) November 18, 2022
1人奮起したナポリ所属のMF。この試合唯一攻撃で違いを出せたのはこの男だった。上手いよね本当に。運べて、剥がせて、繋げる。世界王者にも臆することなく、狭いエリアでボールを引き出し続けた。
ジルー(フランス)
この日先制ゴールをあげたオリヴィエ・ジルー。このゴールでアンリが持っていたフランス代表歴代ゴール数を更新。
ゴールだけでなく、強力なアタッカーを前向きにするポストプレーも素晴らしかった。
36歳になった今でも衰えないストライカーがフランス代表のW杯連覇のキーマンになりそうだ。