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【ゴールキックが相手を閉じ込める手段?】|リヴァプール×レヴァークーゼンから学ぶ|FBaseマガジン#127

24/25チャンピオンズリーグGL.4
リヴァプール×レヴァークーゼンの一戦。レヴァークーゼンの戦術解説はこちらでお楽しみ下さい。

今回は前半劣勢だったリヴァプールについてのお話。後半に入ると一気に2点を奪い、終わってみればドイツ王者相手に4発の快勝をおさめたリヴァプール。その理由を紐解いていきたいと思います。

大きなキーワードになるのが「GK(ゴールキック)」。

後半61分にリヴァプールは先制ゴールを挙げる。

このゴールが生まれる前までにリヴァプールレヴァークーゼンに6本のゴールキックを蹴らせた(後半キックオフから先制ゴールの61分までの時間の間に)。

このゴールキック数の数がリヴァプールが後半攻勢を強めた大きな理由だと感じた

後半早々レヴァークーゼンがプレスラインを下げた理由も、リヴァプールが敵陣でボールを持てるようになった理由でもあるが、ゴールキック数の増加も大きく影響していた。

リヴァプールはレヴァークーゼンのゴールキックに対してラインを非常に高くし、前線は明確にレヴァークーゼンの後方の選手たちを捕まえにいった。

そういった状況になるとレヴァークーゼンのGKフラデツキーは無理に繋ごうとせずに長いボールを前線に蹴り込む。そうなるとリヴァプールの強みが発揮される。

最終ラインの中央に待ち構えるのはファンダイクとコナテ。レヴァークーゼンのトップには高さと強さを持つCFボニフェイスがいるが、やっぱり空中線となるとリヴァプールの2CBに優位性があった。

GKを蹴らせて→跳ね返す→レヴァークーゼン陣内でボール保持を開始。このサイクルを回せることで、後半攻勢に出ることができたリヴァプールが、そのまま先制ゴールをゲットした流れとなった。

▪️長いボールを誘導できるGK

ゴールキックは相手に長いボールを誘導できる機会でもある。前線高い位置から人を捕まえに行けば、当然ゴールキックを蹴る側のチームは中々手前にパスを選択できない。なぜならそこで奪われてしまえばゴールへ直結するロストになるからだ。そうなればリスクを回避して長いボールを選択したくなるのが自然の流れ。

そうやって長いボールを蹴らせる誘導ができる時間が出来るとも言える。

前半からリヴァプールはシュートシーンまでいけるシーンを作り出していた。しかし押し込んで押し込んで、二次攻撃、三次攻撃と繋げるような厚みのある攻撃はなかなか出来なかった。

その理由の一つがカウンタープレスをレヴァークーゼンに空転させられたことだ。カウンタープレスを無効化させられた理由が2つあった。

▪️レヴァークーゼンの巧みさ。GKのシュートキャッチ

レヴァークーゼンが守るゴール付近でリヴァプールはボールをロストするとすぐさまカウンタープレス,トランジションプレスで即時奪還を試みる。しかしレヴァークーゼンも非常に巧みなチーム。リヴァプールの即時奪還プレスをひらりと交わしてカウンターを発動させるシーンも。ここの攻防は非常にスリリングでハイレベルで面白かった局面だ。

そしてリヴァプールが前半放ったシュートの多くはGKのキャッチングに吸い込まれた。シュートをキャッチしたGKフラデツキーは素早く味方選手へスローイングを送り込み、カウンターのスイッチを押した

この2点の理由からリヴァプールの攻撃は単発に終わり、徐々にレヴァークーゼンがボール保持を高めて、優勢な前半過ごしていった。

▪️ゴールキックで無効化

上記のレヴァークーゼンのカウンタープレスを回避する手段としてシュートが外れても、攻撃をゴールキックで終わらせること。を体現していったリヴァプール。

ゴールキックにさせることで守備をセットする時間ができる。長いボールを蹴らせる誘導ができる意味合いも。

意図したゴールキック増加だったかは分からないが、結果としてゴールキックの数を増やすことで、レヴァークーゼンのカウンタープレス回避回数を取り上げて、長いボールを蹴らせてボールを回収して、厚みのある攻撃へと繋がっていった。

前半レヴァークーゼンがリヴァプールからボールを取り上げた手段の一つも、ゴールキックを蹴らせてDFラインが跳ね返しえ回収の形だった。

▪️おわり

攻撃の終わり方がいかに大切なのか。跳ね返せるDFラインがチームにもたらす戦術の幅をいかに広げるのか。ゴールキックを渡すことが相手を押し込める手段になること。

結果はリヴァプールの大勝で終わったものの、様々な学び、気づきを与えてくれてた90分だった。是非みなさんにも観てほしいと思う試合でした。

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