タイで思い出す、かつて海外に存在したシェアサイクル
なんだかんだいってジャパンは根付いているほうよなって
仕事で久方ブリーフのタイランド
ワシのHNの由来となっているのはタイランド。仕事の関係で足かけ6年ほど住んでおりましたわ。なのでタイランドこと泰国のニキ、ってことで泰ニキ。
とはいえ、2021年4月に日本に戻ってからは、仕事でも、プライベートでも、里帰り(?)する機会がなかなかなかったのよね。と思っていたら、久方ブリーフの海外お仕事出張で里帰り(??)ができましたとさ。
マイルをANAで貯めているので、今回もANAで出張なのだが、いつの間にか開業していた第2ターミナル国際線からの出発。しかし仕事で用いるモバイルWifiは第3ターミナル受け取りで予約。幸先が悪いけど仕方ないね♂モバイルWifiはやめて、SIMカードローミングにすればよかったやなって。
タイのスワナプーム空港に着いて思うは、やはりこの空気の「匂い」が、ああタイにやってきたよなって。これはタイ経験者ならわかるんじゃないって?
タイに着いてからは、忙しく出張予定をこなしていく。月曜日出発の土曜日帰りの日程なので、ガッチガチに詰め込まれた日程をこなしていくだけになるのもやむなし。でも、その間に見た街の景色は、ああ故郷(くに)だよなってね。
かつて存在したシェアモビリティを思い出す
てなことで忙しく予定をこなしていく中、現地の駐在員とのナイトミーティング(日本名:呑み会)での何気ない会話の中で、かつてタイに存在していたシェアエコノミーを思い出した。
かつて存在していた、というのはかつてタイに進出してきた中国またはシンガポールのシェアサイクル、シェアモビリティのことである。私が当時見た会社は、現在はいずれも業務撤退している。
(タイから見て)海外からやってきたシェアサイクル
私がタイに住んでいた2010年台後半は、中国でシェアサイクルが勃興し、それが中華文化圏で流行していた時だった。2017年にシンガポールに旅行した時に、当地で展開されているのを見て「進んでいるな~」って思ったのも懐かしい。
mobikeはかつて日本でも展開していたので、知っている人もいるかもしれない。
当時タイで思っていたのは、「こういった先端サービスがタイにも来ないかなー」だった。そして2018年に実際にタイでも各種シェアサイクルが展開されていくことに。
しかし、ポートの無き本場中国スタイルなシェアサイクルは、そこかしこに自転車が放置されて、とてもじゃないがサービスは長続きしなかった。
まずもって、タイの中心部は自転車で走るには危ない!これは当時現地に住んでいた人間としての実感だが、観光客だって全く同じ感想だったと思われる。そら乗れないよ。
あとそもそも論として、タイは暑い!いや今となっては日本の夏のほうが暑いけどさ、それでもやっぱタイが暑いのは事実よ。ということで、いつの間にかシェアサイクルは全部撤退。ちなみに大量に持ち込まれた自転車はどうなったかと言うと・・・
まあ、路上のゴミになってましたね・・・ただ、全ての自転車がこのような形になったわけではなく、中にはレンタルサイクルに転用されたものもあった。
タイは路上を自転車で走るのはかなり怖いので、一部の大きな公園の中には自転車コースがある。そこを走るためのレンタルサイクルに、ofoが転用されていた。
ここに転用された車体以外にも、処分販売されたと思われるofoの自転車を街中で普段使いしている人も、2020年前後では見かけたので、ある程度は再利用されたのだとは思われる。
タイの道路についての補足
ん?街中を自転車で走るのは危ない、ってのになんで街中で自転車を使う?これはちょっと補足説明が必要である。
タイの街中の道は、基幹道路とそこから枝分かれする路地、という構成になっている。基幹道路はタイ語で「タノン」、枝分かれの路地を「ソイ」と言う。
このタノンを自転車で走るのはかなり怖い。とにかく通行量が多く、それでいてみんな速度を出し、また自動車も2輪車もかなり運転が荒い。交通事故も日常茶飯事。下の写真は、ジャパン人旅行者にもおなじみのスクンビット通り。タノンの代表例だ。下はバンコック市内の渋滞の光景だが、この状況でもバイクのすり抜けは多数。自転車は走れても歩道だが、歩道はガッタガタ。まあ怖いよってね。
一方のソイは、文字通り路地となる。ここを暴走する車はゼロではないものの、タノンよりもまだ安全である。ソイの写真の例は、バンコックから離れた日本人街のシラチャ。パタヤだいしゅきな人にはおなじみかな?って場所である。
てなことで、チャリでタノンを走って遠出するというニーズはほぼ無いだろうが、他方ソイの中をちょろちょろと、ってのは一般の人にもニーズがあるのだと思われる。
タイに昔から存在していたシェアサイクル
海外からやってきたシェアサイクルのことを書いたが、実はその前からタイにもシェアサイクルが存在した。先ほどのシェアサイクルは中国やシンガポールから2010年台終盤に進出してきて、あっという間に撤退していった代物だが、実は2010年台の中盤から、タイのバンコック中心部にはPun Punという自転車シェアサービスが存在していた。これはかなりがっちりしたステーションへの返却の形を取る、街中に自転車が散乱しないタイプの代物であった。
2024年10月にHPを確認すると、もうHPは消滅していた。いつの間にかサービスも終了していたのだろうか?かつてのステーションはどうなっているのか?をルンピニ公園脇ステーションの光景をGoogleストリートビューで見ると・・・
ということで、Pun Punも消滅していっぽい・・・?ただ、このストリートビューをよく見ると、異なるシェアサイクルが誕生しているのがわかる。すぐ横を見てみると・・・
タイではなくなったと思われたシェアサイクル、どうやら新たなサービス、Anywheelが進出したのを機に見直したのかもしれない。今回進出のサービスは、返却場所を制約するタイプ。まあそうなるよねって。
また、バンコックにおけるシェアサイクルキャンペーンを取り上げた下記の記事を見ると前述のPun Punの名前も見られる。
Pun Punについては、過去のFacebookページと異なるページが立ち上がっている。ちなみに、タイではHPを持たずにFacebookのページを公式HPにすることは結構ある。
これは、名前こそ同じであれど今までと違うサービスだということであろうか?ここら辺は流石に詳しくはわからないし、調べるのも難しいであろうから、これはこれでとしておこう。
更に、Pundaiという私が知らなかったサービスも確認。どっこい健在タイのシェアサイクルといったところか。
実際、タイ在住時に旅行した場所の中でも、チェンマイやスコータイは自転車観光が十分活躍する余地があった。HPを調べると、やはりチェンマイはシェアサイクル展開地としても有力であり、ニーズも大きいことが十分に想像できる。
ただ、前述のタノンとソイの問題はあるので、シェアサイクルがタイ、特にバンコックで拡大するにはどうしても交通安全の問題が残り続けるとは思われる。そこは2024年の今でも事情は同じだと思うが、本当のところはどうなんだろうかねって?
てなことで、タイの思い出話を書いたが、こちらも続編がある。タイの2010年台後半の「シェアモビリティ」についての記事へ続く・・・