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【GoToEat】3社合同のカスタマーサポートをどう構築したか

こんにちは、favyのしげさんです。
久々のnote更新となりました。

話の流れとその場のテンションでついポチッと参加表明をしてしまった、CS HACK Advent Calendar 2020の12/14分記事でございます。

錚々たる面々の中で私なんかが書いていいのか?磯野さんの大作を読んでちょっと震えながら書いております…

温かい目で見守って下さい。

今回のテーマ

私の所属する株式会社favyは、2020年10月1日から始まった「GoToEatキャンペーン」の【オンライン予約事業】に、株式会社トレタ様、株式会社ポケットチェンジ様と合同で参加いたしました。

今までいくつものサポートセンターを立ち上げて来ましたが、複数社合同の窓口を立ち上げるのは初めて。
どんなツールを使い、どんな情報共有方法をして対応していたのか?なぜそうしたのか?などを、可能な限り詳しくご紹介いたします。


なぜfavyはGoToEatに参加したのか?

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コロナ禍以降、外食産業の「大手グルメサイト離れ」が進んだと言われています。この流れを一概に良いとも悪いとも言うつもりはありませんが、少なくとも多くの飲食店が「販促費用のROIを見直す」というきっかけになったのではないかと思います。

そんな中、農林水産省からGoToEatキャンペーンの概要が発表され、「これでは大手グルメサイト依存に戻ってしまうのではないか」と考え、スタートアップとして業界に一矢報いたいとの思いから参加を決めました。

とは言え、正直favyのアカウントを持っている飲食店の数は多くはなく、また、favyではポイントを付与するような仕組みも持っていません。

そこで前述の2社にお声がけをし、予約サービスはトレタとfavy、ポイントの仕組みはポケットチェンジが提供するという枠組みで参加することになりました。

ちなみにfavyはこんな会社です。


まずは参加受付

10月1日より参加店舗の登録受付を開始することになり、まずはその準備から着手しました。

参加希望店舗・企業の情報が集約され、各社がここにある情報を見てアカウントの登録をしたり、様々な作業をしていくことになるので、「どのツールでフォームを作成するのか」「どんな方法で情報の共有をするのか」は大きなカギとなります。

選択肢として挙がったのは
・Googleフォーム
・formrun

の2つだったのですが、最終的にはここではGoogleフォームを選択しました。

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今は多くの企業でGsuiteを導入してGoogleフォームを活用していると思いますが、私がなぜここでGoogleフォームを選択したのかを少し解説いたします。

まず、今回の「参加登録フォーム」に求められた要件は以下の通りでした。

1. 項目が多いので1ページ完結ではなく、ページを分割したい。
2. その後の3社での作業のためスプレッドシートにデータを書き出したい。
3. 登録店舗数によって表示項目を分岐させたい。

他にも色々あるのですが、大きなポイントはこの3つです。このうち、2についてはどちらのツールでも可能だったのですが、1と3はGoogleフォームでしか出来ない内容でした。
(formrunのサポートの方、もし違ってたら教えてください!)

Googleフォームのオススメポイントをいくつかご紹介します。
無料でここまで出来るのは正直すごい。

- ページを複数に分けられる
- 回答結果によって次に遷移するページを分岐させられる
- 回答内容はGoogleスプレッドシートに書き出しが可能
- 正規表現を活用した入力制限ができる(自由度高い)
- 回答結果を自動でグラフ化

ただ、回答者側がGoogleアカウント持ってないと使えない項目とかもあるので、そこはちょっと難点かな…と思います。



どうやって3社でサポートしてたのか?

まず、問い合わせのチャネルを「問い合わせフォーム」「メール」のみに限定し、一部の例外を除いて基本的に電話対応は行わない事にしました。

当初の運用はこんな感じです。

- 問い合わせフォームを一つ作成し、3社でその内容を共有する。
- 基本的に一般的な質問への返信はfavyのサポートが行うが、各社のアカウントに関する内容などは各社が対応する。

この時点ではfavyが契約しているformrunでフォームを作成し、3社共有で使っているSLACKのチャンネルにその問い合わせ内容を通知させる、という運用をしていました。(なので、formrunへのログインはfavy側のみ)

問い合わせが少ないうちはこの運用でどうにか回っていたのですが、問い合わせ数の増加に伴い以下のような問題点が出てきました。

■formrunのSLACK連携は「問い合わせがあった時」だけではなく「回答した時」「担当変更したとき」などが全て通知されるため、問い合わせの通知が埋もれてしまう(枠外の画像参照)。
■favy以外が対応することになった案件の対応が完了しているかどうか、漏れがないかのチェックができない。
→やろうとすると他社対応分を全件アナログでチェックしないといけないので、かなり工数がかかる。

(formrunのグチみたいになってごめんなさい。本当は大好きです。)

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青枠で囲った以外の通知は正直不要なんですが、現状は全部来ちゃうみたいなんですよね…


そこで、3社で使用するためにformrunを新規契約し、こんな使い方をしました。

- 新規契約したプランに各社分のアカウントを作成
- 「ステータス」を3社分作成し、favy以外で対応してもらう案件は各社のステータスに移動
- メールテンプレートを各社で作成して共有する

細かい運用はもっとありますが、大まかにいうとこんな感じの使い方をしています。

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結果的に、この運用はかなりいい感じで回っていると思っています。
上で書いた問題点は無事解決し、問い合わせ数増加後も非常にスムーズに対応が出来るようになりました。対応遅延がないかどうかも一目でわかります。

formrunのオススメポイントもいくつかご紹介します。

- 管理画面上でそのまま問い合わせにメールで回答ができる
- フォームに入力された内容を差し込んだ回答テンプレが使用できる
- 返信があったら同じチケット(カード)として対応可能
- 「メディア埋め込み」機能でYoutubeやGoogleスライドを埋め込める
 →問い合わせ前に資料や動画を表示可能

Googleフォームとの一番大きな違いは、何と言っても返信が出来る点ですね。世の中には他にもメール返信ができる問い合わせフォームSaasがありますが、個人的には一番機能が充実していると思います。

また、問い合わせのチケット(formrun上では「カード」という名称)にはユニークなURLが発行されるので、3社間で対応相談をする際にも非常に便利です。
詳細な状況を時間をかけて手入力せずとも、要点を記載+URLを貼ればエスカレーションが成り立ちます。

対応の引き継ぎや共有をする際も非常に楽でした。
カスタマーサポート全般に言える事ですが、BかCかに関わらずお客様は一度で全ての質問をしてきてくださるとは限りません。一つ疑問が解決したら、次の疑問が出てくることもあります。


例えば、「A.favyの予約機能の設定方法を知りたい」「B.ポイント管理画面のログイン情報がわからなくなった」という2つの質問があるお客様がいたとします。

■「AとBについて知りたい」とお問合せいただいた場合
・問い合わせのURLをSLACKで共有
・Bについての回答文をポケットチェンジからもらう
・AとBをまとめてfavyがお客様に回答

Aについての問い合わせに回答後「Bも知りたい」と返信があった場合
・Aについてはfavyが回答済み
・Bの質問(返信)が来た時点でカードをポケットチェンジに移動

というように、状況に応じて柔軟かつスムーズに対応が可能になりました。
スタート当初の運用のままだったと考えるとゾッとします…

このように、formrunとSLACKをうまく活用し、複数社でのサポート対応という難題を乗り越えることが出来ました。


電話窓口を設けなかった理由

以前私の別アカウント(個人事業主用)でツイートした内容とも関連するんですが、コストやKPI、対応効率の問題が大きな理由です。

※↑こちらのアカウントもフォロー大歓迎です♪

例えば5人体制で対応している場合、電話だと同時に対応できるのは5件までです。6件目が同時に着信した時点で放棄呼となる可能性が高くなります。
それに漏れなく対応しようとすると、サポートスタッフの人的リソースはもちろん、電話回線も潤沢に準備しておく必要があります。

一方メールの場合は、受信した瞬間に1人のリソースが占有されてしまう事はありません。(迅速な対応をしなくても良いという意味ではないです。念の為。)


また、システムトラブル等が発生し、多数の同じ問い合わせが入ってくる事を想定した場合も、メールの方がスムーズな対応が可能です。

例えば5人体制で対応しているセンターに、窓口オープンと同時に50件の問い合わせ(全て同じ内容)が入ったとします。
電話の場合は、このうち初動で対応できるのは5件、つまり10%です。残り9割のお客様は電話がつながらず放棄呼になり、何度も何度もつながるまでかけ続けなければならない状況を生んでしまいます。

メールの場合は、返信用のテンプレートを準備することでかなりスムーズにご案内が可能です。お客様の質問内容(該当のトラブルについての問い合わせかどうか)を判断する時間も数秒で済みますし、テンプレートを貼り付けて送信するまでを含めても1件あたり1分程度で対応が完了します。
ちなみに、favyで導入しているメールのグループウェア「MailDealer」の場合、複数のメールに対して一括で同じ内容の返信をする機能があったりします。今回の窓口(formrun対応)の話とは少しずれてしまいますが、こういった機能を活用することで、少人数で多数の問い合わせに対応することが出来るのがメール窓口のメリットです。

もちろん、様々なリソースに余裕があれば、電話窓口を設けた方が良いかと思います。お客様にとっては「すぐに回答を得られる」ということは大きなメリットです。

幸い、今回は多くのお客様に「メール・フォームのみの対応」という事をご理解いただく事ができ、大幅な対応遅延等もなくここまでやってくる事ができました。


最後に

最後に、15年ほどカスタマーサポートの業界でメシを食ってきた私がオススメしたい(機会があったら使いたいものも含む)サポートセンター用のツールをいくつかご紹介します。

ぜひこれらを活用して、効率的なサポートセンター運営を!

formrun
本文中で何度も出てきた、メールフォームのツールです。
カンバン形式での管理ができるので、営業管理にも使えます。

MailDealer
メール対応の窓口で使うならこれ一択だと思います。UIもいいし、レポート作成等の管理機能も充実しています。

MiiTel
インサイドセールス向けのIP電話サービスですが、通話内容をAIで解析してくれるので、サポート業務(特に育成面)にも向いていると思います。
もうちょい安くなると嬉しい…w

チャネルトーク
チャットサポート用サービスで、UIも価格もサポート体制も最強です。


最後までお読みいただきありがとうございました!

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