夜明けのすべて/瀬尾まいこ
「#読書の秋2021」に瀬尾まいこさんの「#夜明けのすべて」という本を紹介させていただきます。
この本との出会いは書店で、『自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる。』という帯に書かれた言葉に衝撃を受け手に取りました。
以下、帯を参照にした簡単なあらすじ↓
主人公はPMS(月経前症候群)を患っている藤沢美紗とパニック障害を抱えた山添孝俊。小さな会社で出会い、おせっかい者同士の2人が恋も友情も感じないけど互いに助け合いながら明日に希望を見いだしていく。
生きるのが少し楽になる、心に優しい物語。
病気が治らないって絶望的になりませんか?私だったらもう幸せになれないと思ってしまいそうです。それなのにこの言葉『自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる』には何の悲しみも感じられないし、自分のことよりも相手を思いやっているように感じられました。正直どこからそんな余裕がわいてくるのだろうという疑問を抱きながら読み始めました。
端的に言うと私は病気に対しての考え方が間違ってました。そもそも主人公の2人は病気を病気ではなく1つの個性として考えているように感じました。精神的な病気を患って人よりできないことがあっても彼らはそんな自分を受け入れ、補い合いながら生きている様でした。そんな彼らを見て幸せの形は様々で、病気によって崩れた幸せもまた新たな形となって幸せは訪れるのだと知ることができました。
いつだって人はどんな状態でも誰かを助け、幸せにすることができる。だからこの世に価値のない人間など1人もいないし、生きてるだけで幸せになれるのかもしれない。
そんなふうに背中を押してくれる本でした。
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございました。
実は私も精神疾患を3年前に患っていたんです!!!ww
伝えるタイミングが難しくて最後まで持ち越してしまいました。。。
3年という長い間を共にしてきてもやはり明日に希望を抱くのが難しくなることもあります。当時は気持ちの問題だから薬では治せないと医者に言われたとき、あまりのショックに2年間は受け入れられませんでした。ずっと悪い夢でもみてるんだと思い込んでいました。それでもいろんな方や本に出会っていくうちにみんな何かを抱えながら生きていると知りました。できること、できないことは人それぞれ違うから私たちは支え合えるのだと教えてくれました。精神疾患を患ったことをよい経験だったとまでは言えませんが、この3年間を通して私は自分のこと、より好きになれたと自負しております。どんな自分も受け入れ、人のため自分のために明日、明後日と力強く踏み出していきたいです。こんな自分を支えてくれる方々やこの本を含めた様々な小出会い出会いに心より感謝の気持ちでいっぱいです。
最後に瀬尾まいこさんが書いたこの本のなかで最も心に響いた言葉を紹介させていただきます。ご一読いただきありがとうございました。
「人の評価を気にして、人に好かれようとしてと言うと、響きが悪いけど、単に藤沢さんは人に喜んでもらうのが好きってだけです。気を遣ってるんじゃなく、自分が好きだからやってるんですよ」 『夜明けのすべて』P252