メンドウなわたしの回顧録③
不幸せごっこが終わりました
もしも
発達障がいじゃなかったら
HSPじゃなかったら
化学物質過敏症じゃなかったら
虐待に遭わずにいたら
いじめがなかったら
食物アレルギーじゃなかったら
歯並びが整っていたら
どれか一つでもなかったら、
わたしの人生は生きやすくなっていたのかもって
考えていた。
『本当に?』
ついさっきまで握りしめていた「もしも」は不幸せなことかい?
今、囲まれている人や環境は幸せじゃないのかい?
自分ではどうすることもできない苦境に立たされているのかい?
発達障がいでも好きだと言ってくれる人がいて
HSPを気に留めてくれる人がいて
化学物質過敏症も社会に認知されてきて
虐待をする人から距離を置けて
いじめてきた人たちに会うことがないし
食物アレルギーでも食べられるものがあって
歯並びは悪いけど、歯科助手さんから歯磨き褒められて
よかったね、わたし。
努力してきたよ。
我慢もしてきたよ。
時に普通のふりがバレちゃったりしたけど、
笑ってくれたじゃない?
不幸せごっこをしていることに気がつかなくて、
これがわたしだと信じていただけなんだ。
もういいかい?
もういらないよ。
終わっていいよ、不幸せごっこ。
なかなかできない経験をしてきただけなんだね。
辛くて何度も消えようと試みたけど、
そうはならなかったのは、
きっと何か意味を持つことになるんだろうな。
わたしの人となりを造った器は
多様で
大容量で
柔らかく暖かくなっていたらいいな。
わたしはわたしです。
そしてわたしでいていい。