![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/143117311/rectangle_large_type_2_c6e28a1f8bd4d499d591f1b4acc656a3.png?width=1200)
ヨーグルトだけで満足してない?真の腸活について解説
「腸活といえばヨーグルトでしょ」
そう思っている人はちょっと時代遅れかも。
今回は腸活の正しい方法を、エビデンスをもとにご紹介していきたいと思います。腸内環境を良くしたい人はもちろん、健康に興味のある人は必見の内容となります。参考にしてみてくださいね。
この記事がおすすめの人
⚫︎腸活に興味があるひと
⚫︎腸活の効果を感じたことのないひと
⚫︎健康的な生活を送りたいひと
注意してほしいこと
この記事の内容は健康・疾患・医療に関する一般的情報と個人の見解を提供するものであり、実際に診療する医療者が行うアドバイス・治療に代わるものではありません。必ずしも全ての方にあてはまる訳ではないのでご留意ください。
結論から言うと、腸内環境を整えるためには生活習慣全般の改善が必要です。これまでヨーグルトを食べても変化を感じなかった人は、今回紹介する内容を実践していただけると効果を実感できるかもしれません。
腸活とは?
![](https://assets.st-note.com/img/1717625952965-eG1eU5OTPF.jpg?width=1200)
腸活とは、腸内環境、特に腸内細菌のバランスを整えることです。腸内細菌のバランスを整えることで、便秘や下痢などおなかの症状だけでなく、全身の健康状態も改善されます。腸活をすることで体質が改善し、免疫力の向上、2型糖尿病の予防、うつ病やアレルギーの改善、さらにダイエットにも効果が期待できます。
腸内細菌のバランス
私たちの腸内には100兆個(1000種類以上)の細菌が存在します。これは人間の細胞数の約10倍に相当すると考えられています。(Zhang et al., 2015)
重さにして1kg以上もあり、人の脳の重量に匹敵する重さです。1kgもの細菌の塊があると想像すると、ゾッとしますが、、。
腸内細菌は働きによって大きく善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類されます。
![](https://assets.st-note.com/img/1717545116268-EWmbO5ov34.png?width=1200)
腸活のポイントは「善玉菌を増やすこと」。そして「日和見菌を味方につけること」です。日和見菌は、善玉菌と悪玉菌の有利なほうの味方をする菌とされています。例えば善玉菌が多ければ良い働きをしてくれるし、悪玉菌が多ければ一緒に悪さをします。腸内環境を良くするためには善玉菌を増やし、日和見菌を味方にすることが大切なんです。
腸活の方法
![](https://assets.st-note.com/img/1717625965847-AKICd2SKgw.jpg?width=1200)
それでは具体的な腸活の方法についてご紹介していきます。
善玉菌を食べる
まずは善玉菌が含まれる食品を食べましょう。このような食材を「プロバイオティクス」といいます。
ポイントは毎日食べること。プロバイオティクスを毎日食べることで善玉菌の量を増やすことができます。(Leeuwendaal et al., 2022)
プロバイオティクスのおすすめは納豆、味噌、ぬか漬け、味噌、キムチなどです。
善玉菌を育てる
また、腸の中にいる善玉菌を育てることも大切です。食物繊維やオリゴ糖など、善玉菌のエサとなる栄養素を取り入れ、成長をサポートすることが大切です。このような食材を「プレバイオティクス」と呼びます。
プレバイオティクスを食べることで善玉菌をの成長を促し、腸内細菌の多様性を向上させることが確認されています。(Gibson & Roberfroid, 1995)(Roberfroid et al., 2010)
特にフラクトオリゴ糖(FOS)やガラクトオリゴ糖(GOS)などの成分が注目されています。
プレバイオティクスとしては海藻や豆類、全粒穀物、大豆、玉ねぎ、バナナなどがおすすめです。
善玉菌に働いてもらう
善玉菌が健康に良い働きをする理由は、善玉菌が作りだす短鎖脂肪酸にあります。短鎖脂肪酸は抗炎症効果、免疫機能の向上、神経保護作用、抗がん作用など多くの働きを持っています。腸内環境を弱酸性に保ち、善玉菌が過ごしやすい環境を作り出すこともできます。これら腸内細菌が作り出す有用成分のことを「ポストバイオティクス」といいます。
善玉菌を増やし、活発に働いてもらうことでポストバイオティクスは作り出されます。先に紹介したようなプロバイオティクスやプレバイオティクスを日常的に食べることがおすすめです。
睡眠時間を確保する
睡眠時間が短いと腸内環境に影響が現れます。腸内環境を整えるためにも、睡眠時間の確保はかかせません。
睡眠不足が続くと腸内のαディフェンシンという成分が減り、病原菌や悪玉菌が増えてしまうことが確認されています。(Shimizu et al., 2023)
ディフェンシン:真正細菌(バクテリア)・真菌類・ウイルス・ウイロイドに対して活性を持つ抗微生物ペプチドである。
さらに腸内環境が悪いと睡眠の質の低下にも影響する可能性も指摘されていています(Ogawa et al., 2020)
つまり腸内環境が悪い→睡眠の質が低下する→睡眠不足→腸内環境がさらに悪化という悪循環におちいる可能性もあるのです。
定期的な運動
運動を取り入れることで腸内環境が改善することも明らかとなっています。(Monda et al., 2017)
「天然のプロバイオティクス」と言われているランニングや高強度インターバルトレーニング(HIIT)がおすすめです。
まとめ
![](https://assets.st-note.com/img/1717625979345-ivxPVuZm31.jpg?width=1200)
腸活には食事をはじめ、睡眠や運動など生活習慣全体の見直しが必要だということがわかりました。ヨーグルトを食べてもあまり効果を実感しないという人は、今回の内容を参考にしてみてくださいね。一緒に腸内環境を整えて、最高のカラダを手に入れましょう!
参考文献
Yu-Jie Zhang et al. "Impacts of Gut Bacteria on Human Health and Diseases." International Journal of Molecular Sciences, 16 (2015): 7493 - 7519.
Jing Yang et al. "Species-Level Analysis of Human Gut Microbiota With Metataxonomics." Frontiers in Microbiology, 11 (2020).
N. Leeuwendaal et al. "Fermented Foods, Health and the Gut Microbiome." Nutrients, 14 (2022).
G. Gibson et al. "Dietary modulation of the human colonic microbiota: introducing the concept of prebiotics.." The Journal of nutrition, 125 6 (1995): 1401-12 .
M. Roberfroid et al. "Prebiotic effects: metabolic and health benefits." British Journal of Nutrition, 104 (2010): S1 - S63.
Yu Shimizu et al. "Shorter sleep time relates to lower human defensin 5 secretion and compositional disturbance of the intestinal microbiota accompanied by decreased short-chain fatty acid production." Gut Microbes, 15 (2023).
Yukino Ogawa et al. "Gut microbiota depletion by chronic antibiotic treatment alters the sleep/wake architecture and sleep EEG power spectra in mice." Scientific Reports, 10 (2020).
V. Monda et al. "Exercise Modifies the Gut Microbiota with Positive Health Effects." Oxidative Medicine and Cellular Longevity, 2017 (2017).