見出し画像

【ボドゲ】 モダンアート ~ボドゲの全てが詰まった最高傑作~

どうも、西遊記です。
ボドゲ語りしたいなーと思い始めたnoteですが、思ったより反応あって凄く嬉しいです!

個別記事をやるにあたって腰が重かったのですが、ちょっとやる気になったので投稿します。
記念すべき第1回はこれしかないということで…。

社会人になった私の青春。

「モダンアート」です!


ゲーム説明

基本概要

プレイ人数 3-5人

プレイ時間 45-60分
※実際60分くらいかなー。

作者 ライナー•クニツィア
※面白ゲーム量産博士。

競りゲームの象徴?仰る通りです。

テーマ

あななたちは絵画を売り買いする画商です。
扱うのはどれも新進気鋭の画家の作品で、その価値は画商(プレイヤー)次第!
でも気をつけて。
あなたの買った絵、時代遅れのゴミかもしれません。
あなたの売った絵、流行の超高額品かもしれません。
競売者(オークショニア)と入札者(ビッダー)、それぞれをプレイしながらじゃんじゃんバリバリ稼ぎましょう!

セットアップ

プレイヤーは初期資産として100000ドルを受け取ります。
受け取った後、残ったお金はストックにまとめます。
(このストックは銀行だと思ってください)
プレイヤーはゲーム中、いつでも銀行と両替をすることが出来ます。

ゲームで使うお金。
かわいいね。

アートギャラリーを模した衝立を受け取り、その裏にお金を置きます。
今後、ゲーム終了まで所持しているお金は非公開情報になります。

5つのアートギャラリー。
かわいいデザイン。
お気に入りはロンドン。
衝立なのでちゃんと自立します。
こういうコンポーネントいいなぁ。

市場価格ボードを卓上中央に置きます。
ボードにはこの後プレイするカードと対応した画家が描かれています。

左から「ライトメタル」「ヨーコ」「クリスティン•P」「カールギター」「クリプト」。
モダンアートっすね~。

70枚の山札から、カード(絵画)をプレイヤーに配ります。
ゲームは4ラウンドあり、ラウンド始めに以下の枚数ずつ配ります。
手札なので非公開情報です。
イメージは「画商が青田買いした新人作家の絵画たち」ってところですか?

5人が一番好き。

カードはこちらです。
四隅についているマークが意味があるので後ほど説明しますね。

左から「ライトメタル」「ヨーコ」「クリスティン•P」「カールギター」「クリプト」。
ヨーコすこ。

ゲーム進行

スタートプレイヤーが競売者になり、以降1回競売が終わる毎に左手のプレイヤーに競売者役が移っていきます。
競売者以外のプレイヤーは入札者です。

競売者になったら手札からカードを1枚競売にかけます。
競売者はなるべく高く売れるように、入札者はなるべく安く落札できるように頑張りましょう!
この時、カードの四隅にあるマークに沿って、競売方法が変わります!
このゲームは「競売方法は一つじゃない」というのが大きな特徴なので、しっかり把握しましょう!
なお、レアな処理は※をつけて書きますね。

衝立の裏にマークが表す競売方法載っています。
こういう配慮たまんね~。

「公開競り」
全員が「5000ドル!」「8000ドル!」「15000ドルだ~!」と好き好きに落札希望額を喚いて宣言して、競売者が満足する額に吊り上がるまで続けます。
満足したらその額を宣言したプレイヤーに売ります。
一番普通のオークション感あって好きっすね!
※競売者も値付けが出来ます。競売者が落札した場合、競売者はお金を銀行に払ってください。「15000ドル?舐めるなこの絵は最低20000ドルじゃー!」みたいな感じっすね。
※全員がパスしたい(買いたくない)場合、競売者が無料でカードを落札します。

「一声」
競売者の左手プレイヤーから順に1回ずつ、落札希望額を宣言していきます。
当然、吊り上げ続けなければなりません!
嫌ならパスしましょう。
競売者まで一巡したら、以下のどちらかを競売者が決定します。
•最高額を宣言したプレイヤーに売る
•競売者がさらに上の額を宣言し、銀行に支払って落札する
※こちらも全員がパスした場合、競売者が無料でカードを落札します。

「入札」
競売者含め、全プレイヤーは任意の額を握って一斉にオープンします。
当然、意気込みながら掴んだふり(0ドル)をしたり、「まぁこんなもんかな…」と嘯きながらガッツリ掴んだりは問題ありまんせん。
最高額を握っていたプレイヤーに売ります。
※競売者が最高額を握っていた場合、やはり銀行に支払って落札します。
※全員が握っていなかった(0ドルだった)場合、やはり無料で競売者が落札します。

「指し値」
競売者が「この絵は10000ドル!」「23000ドルかなー。安いかなー」といったように落札額を指定します。
競売者の左手プレイヤーから順に1回ずつ「買う」「パス」のどちらかを宣言します。
最初に買うと宣言したプレイヤーにその額で売ります。
誰も買うと宣言しなかった場合、競売者は指定した額を銀行に支払い、その絵を自分で落札してください。
(場違いな額や割高な額を指定するとこうなりがちっすね)

「ダブルオークション」
競売にかける時、同じ画家であればこのマークのついたカードを一緒に出すことが出来ます。
2枚セットでの競売です!
この時の競売方法は、ダブルでないカードのものを適用します。

こんな感じで一緒に出す。
この場合は「公開競り」での競売ですね。
2枚セットだし、安い値で足元見てきたら恫喝しないと…。

ラウンドの終了

誰かがそのラウンドで落札された画家の5枚目のカードを競売にかけようとした時、即座にラウンドは終了します。
そのカードは誰のものにもならず箱に戻します。
(ダブルオークションで4→6枚目や3→5枚目に一気にして終了させることも出来ます。あんまりしないかな?)

その後、そのラウンドでの各画家の価値が決定されます。
一番売り買いされた画家→流行の作品で高い!ということです。

そのラウンドで1番落札枚数が多い画家の絵は1枚30000ドルの値が付きます。
2番目に落札枚数が多い絵には1枚20000ドル、3番目には1枚10000ドルが付きます。
4番目以下の絵には値段がつきません。ゴミです。

ライトメタルに30000ドル、ヨーコに20000ドル、クリプトに10000ドルがつきました。
落札したこれらの画家の絵1枚につき、です。
クリスティン•Pやカールギターの絵には値段が付きません。
ドンマイ。

落札枚数のカウントには、ラウンドを終了させたカードも含みます。
「1位は5枚目が出て決まるから簡単ね。2位3位が同じ枚数で同着の場合は?」
ご安心を。
非常に美しいルールがございます。

各画家のカード枚数は均等でなく、以下のようになっております。

ボードも左から枚数少ない順に並んでいるので分かりやすい!
ヨーコのカード内訳にちょっと気になる所があったので着色。
気にしないでください!

同着同枚数の場合は寡作の方が優先されるので、ライトメタルが一番強く、クリプトが一番弱いのです!

では決算です。
プレイヤーは所持しているカードを市場価格に沿って銀行に売ってください。
お金を受け取り、売ったカードは箱に戻してください。
繰り返しますが、4番目以下の人気の絵は逆張りのゴミですので、ただただ箱に戻してください。

次のラウンドへ

さて、第一ラウンドが終わりました。
ここからが本番です。

プレイヤーは「セットアップ」で載せた通り、ここでカードを補充します。
その後は今まで通りプレイするのですが、「ラウンドの終了」の処理に一工夫があります。

2ラウンド以降の決算時の値付けは、それまでのラウンドでの価値も加算する。

ただし、あくまでそのラウンドで3番目以内に入る(流行になる)ことが条件。


こちらが適用されます!

そのため、第2ラウンドは以下みたいな感じになります。

第1ラウンドで30000ドルが付いたライトメタルと、10000ドルが付いたクリプトを落札して「ウヒョヒョw」となっている人。
どっちも3番目以内に流行ってくれればボーナスがつくので嬉しいが…。
第2ラウンド終了時の例。
ライトメタルは1枚40000ドル、ヨーコは1枚50000ドル、カールギターは1枚20000ドルにてお取引!
クリプトは時代遅れなのでこのラウンドではゴミです…。
次ラウンドに期待しようね!

↑画像から考えるなら、

「ライトメタルやヨーコはほとんど売れたはずだからもう流行りにくいかな。でも3番目以内に入れば1枚につき40000ドルや50000ドルのボーナスがつくのか…」

「クリプトは3•4ラウンドで3番目以内に入れば10000ドルのボーナスでしょ?枚数も多いし余っているはずだから、ガンガン買って流行らせよー!」

などが思惑として出てきます。

実際には今まで落札されたカード枚数、自分の手札状況、誰が何を競売し何を買おうとしたか、自分のプレイ順はいつなのか、所持金状況はどんな感じか…などが絡むので、予測は結構複雑な印象。
うまい人はこの辺押さえて落札や雰囲気をコントロールするから凄いよね…。


これを第4ラウンド終了まで行い、最後に一番所持金が多いプレイヤーが勝者です!
細かいルールは抜けていますので、詳しく知りたい方は実際にやってみましょう!


語りたいこと

最高のごっこ遊び

まず何よりもこれっすね。
西洋の上級国民(もしくは詐欺紛いの悪徳画商)になりきってオークションに参加する。
しかも競売側(オークショニア)側もロールプレイ出来るとなれば興奮しますよね!
会話もゲスくなり果てます。

「クリスティン•Pはオワコンだよ!買うやつはどうかしているよォ!」
※安く買い叩こうと思っている人

「ヨーコは今が買いです!買わない人って頭悪くないですか?」
※高く売り付けたいだけの人

最高の非日常体験ですよね! (ニチャア)

アニメ「グレートプリテンダー」公式HPより、悪徳画商ジェームズ•コールマン。
ロールプレイの参考にどうぞ。
これ×5人でボドゲとか地獄や。

至高のゲーム性

テーマが最高である一方、ゲーム性が微妙に感じる作品ってありますよね。
「モダンアート」はその辺問題ありません。
ゲーム性「が」凄すぎます。

•いくらで買う(売る)のが損が少ないか?損益分岐点の計算が楽しい。
•手札から何をプレイすべきか?考える奥深さ。
•価値の引き継ぎ式による後半ラウンドへの盛り上りの担保。
•複数の競りシステムによるマンネリ防止&戦略性向上。
•ある種のブラフ要素の介在。
•他者への思考共感が必要な作り。情操教育にもいいのでは?()
•自己アピール力も試される作り。口がうまけりゃ何とか出来る自由度。
•お金は非公開情報といいつつも、ある程度のカウンティングは可能。
•カード枚数の把握のしやすさ。内訳だけちょっと工夫が必要だがそれでも覚えやすい。

再掲。
ライトメタルから数えると順当でないカードの増え方に感じるヨーコ。
プレイにどう影響するのか?

多様なニーズに応えつつ、ストレスや不満は先回りして全て潰しているような芸当。
しかも最小の手数でシンプルに解決しているのだから美しいことこの上ない…。
「ライアーゲーム」「カイジ」「銀と金」など読んで育った自分にとっては、

ルールを知って「?」となる

ルールを把握し、まっとうにプレイする

ルールに書かれていない「戦略」「コツ」に気付き出し抜こうとする
※しかし自分以外にも気付いている奴はいるわけで…。

これら一連の流れが1回のゲーム体験に集約されているんですから、そら刺さりますわ。

テーマとゲーム性の高度な融合

テーマもゲーム性も大好きで、しかもうまーく絡み合っているのが凄い。
絵も画家も実はどうでも良くて大事なのは金!金!金!という資本主義批判丸出しの皮肉が感じられる作りなのには脱帽します。
それでいてタイトルが「モダンアート」はエスプリが効きすぎている…。
作者は現代美術業界に恨みでもあるのか?と思ったものの、クニツィアはバチバチのドイツ人銀行マンだったそうで、一層始末に負えないです…。

wikiよりクニツィア先生。
1992年にこれ作ったのはパンク過ぎます。

地味に商品としても好き

サイズ的にはリュックに簡単に入るサイズ。
それでいて「ボドゲしたなー」という充実感。
自立する厚紙の衝立。実用と雰囲気の両立。
裏面が上下対称デザインのカード。

イカサマ野郎にも安心だね!

変な絵の書いてあるカードたち。デザイン全部違う謎の拘り。
安い。3000円くらいで買った記憶。
ボードゲームにハマってかなり初期の頃に買ったけど、今でも満足な「商品」だなぁと思います。
「原点にして頂点」感凄いっす。
ニューゲームズオーダーさんへの厚い信頼もこの辺からかな。
ありがとうございます!
これからもお世話になります!
小箱~中サイズでお願いしますね!


「競りゲーの王」としての貫禄は凄いですね。
タイトル通り、「ボドゲの全てが詰まった最高傑作」だと思います。
この少し前にやっていた「ハイソサエティ」と合わせて、この辺りから完全にクニツィア作品や競りゲーにハマっていきました。
非常に思い出深く、いい作品だなーと改めて思います。うんうん。

ここまで読んでくださりありがとうございました。
少しでもこのゲームの魅力が伝わってくれれば幸いです!

ではまた!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?