本を選ぶ前の気持ちを大切にしてみる
皆さんは、本を選ぶ時に明確な基準を持っているだろうか?
手に取った時、その本を選んだ理由を説明できるだろうか?
自分には無理だと思う。そもそも、選ぶ基準さえもハッキリとしていない。
自分が今思いつく限りで、選ぶ基準を挙げてみると
1.興味のあるテーマか?(90%)
2.誰が書いたか?(5%)
3.値段(5%)
ぐらいである。
言ってしまえば、本を選ぶ前の気持ちは余り大事にしていない。
選ぶ時は悩み、考えてはいたのだろうが、記録していないから、
その時の気持ちはどっかに飛んで行ってしまう。
最近こう思う。
読後の気持ちと読前の気持ちを大切に記録しておけば
面白い自分史
になるのではないか?と。
読んだ後の気持ちだけだと、
後→〇→後→〇→後→〇→後……
となり、空白ができてしまう。
両方を記録すると、
前→後→前→後→前→後….
と途切れることなく気持ちの変化を観察できる。
ここでは、読む前のフレッシュな気持ちを大事にしたい。
読んだ後に読む前の気持ちを思い出して記録してもいいが、
もうその気持ちは、読んだ後の考えに侵食されているだろうから。
〇選ぶ基準
冒頭で、選ぶ基準で3つ挙げた。
どうやら、そう単純ではなさそうである。
この記事では、『取材・執筆・推敲 書く人の教科書 著:古賀 史健』の冒頭が無料で公開されている。
パッケージングの三角形として
1.誰が(人)
2.なにを(テーマ)
3.どう語るか(スタイル)
価値の三角形として
1.情報の希少性
2.課題の鏡面性
3.構造の頑強性
を、それぞれ挙げている。
これは作る側の姿勢。
だが、読むかどうか悩み、読むと選択を下すのは読む側。
なら、本を選ぶ基準を明確にする材料として流用できるのではないだろうか。
〇実際にやってみる
※以下、読んだ後に思い出した読む前の気持ち
2025年1月7日火曜日14時01分
『日の名残り 著:カズオ イシグロ 訳:土屋 政雄 早川書房』を購入した。
1.誰が?
カズオ イシグロと土屋 政雄。
ノーベル文学賞をとっているらしく、気になっていた。
2.なにを
基本的に、小説、純文学系はあらすじを見ないで購入している。
だが、旅ものには興味がある。
背表紙をちらっと見たら、「執事が…旅」とあり、気に入った」」
3.どう語るか
ノーベル文学賞をとったんだ。こっちが、あわせるしかない。
1.情報の希少性
ノーベル文学賞を取った人の作品を、日本語に訳してくれている。
自分にとっては希少である。
2.課題の鏡面性
執事が旅。そこで気難しい人が旅にでるのか?なぜ旅に出るんだ?と想像した。
今の自分には、人生のレールから外れてみたいという願望がある。
なので、課題の鏡面性は合致していると思う。
3.構造の頑強性
ノーベル文学賞をとったんだ。信じるしかない。こっちが、あわせにいく。
大分雑だが、これと読んだ後の気持ちを眺めればどう変化したか分かりやすくなりそう。
〇自分史を思い出してみる。
1年半前ぐらい前から、読んだ本は記録している。
それを手掛かりに、自分史を眺めてみる。
テーマ(ギリシア人の物語…)
↓
課題の鏡面性(選択の科学)
↓
テーマ、課題の鏡面性(The World in 2050、Why Nations Fail)
↓
課題の鏡面性、情報の希少性(クジラと話す方法、道徳性の起源 ボノボが教えてくれること)
↓
テーマ、情報の希少性(ウォード博士の驚異の「動物行動学入門」)
↓
課題の鏡面性(偏読対策で、ぐちゃぐちゃ読み)
↓
誰が?、テーマ、課題の鏡面性(純文学)
自分は、
テーマ
課題の鏡面性
情報の希少性
誰が?
の順で選びがちだと分かった。
ジャンルが変わり、あっちこっち行っている。
しかし、自分の中の何かを変えたい、伸ばしたいという気持ちに向かい続けていることは確かだと分かった。(小っ恥ずかしいことを言っているが)
偏読対策でランダムに本を選んだ場合、その本を選んだ理由に意味はないだろうが、偏読対策をしようと思ったことに何か意味がある。
自分で言えば、自分の新しい面の開拓、視野を広げるなどがある。
〇めんどくさい。
正直めんどくさい。
だが、紹介した2つの三角形に、1言で返答するだけでも良いと思う。
読んだ後ばかりを大切にしていは、読む前に対して不公平である。
〇まとめ
今回は、『読んだ後だけではなく読む前(書店で本を選ぶ時)の気持ちも大切にしてみよう』というテーマでした。
このnoteを書いていて、自分の今までの気持ちの変化を少し客観視できました。
「自分って、何でわざわざ金払って時間使って本を読んでいるんだろう?」と、ふと考えることが多くなった人は、
読書の自分史をまとめてみて、自分が何の目的で本を選んできたのか客観的に見ればそのモヤモヤが晴れるかもしれません。
ぜひやってみてください。
では!
2025年1月13日月曜日20時09分