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飛べない鳥
術後8日目。本当は退院したかったけれど許可がおりなくて仕方なく病院にいた感じ。
習い事があるから、最悪病院を昼すぎに出られていれば間に合ったのに。外出も出来ず、鳥籠に閉じ込められていた。
大人の習い事って、月謝もそれなりにするし、趣味の延長だけどかなりのストレス発散になっていて、それを休まないといけないのは辛かった。
習い事はボイトレ。歌を歌うのって体力を使うみたいでまだ声を出し続けるのがやっとだったから休んで正解だったのかもしれないけど。
心臓の先生はもう退院してもいいかなと言ってくれたけど、糖尿の先生からストップが出ていたらしい。
そういえば毎食前のインスリンも血糖値に関わらず打っていいようになってきたし、元の生活に戻る準備を少しずつ。
毎日のレントゲンと心電図と採血も若干飽きてきたし、そもそも毎日撮って何か変化があるのかもよくわからなかったし。
ただ手術後からずっとつけてきた24時間の心電図を外していいことになって、やっとパジャマの片方のおもりがなくなることは嬉しかった。
毎日リハビリには行くけれど、例のイケメンは病棟内をぐるぐる回る方が多いみたいで会っても挨拶しかできなくて。
おばあちゃんやおじいちゃんに寄り添えるイケメンはリハビリを頑張るモチベーションになるんだろうなと他人事のように思った。
お昼ご飯後に久しぶりに両親がお見舞いに来てくれた。先週ぶりだけれど随分歩けるようになった私を見てびっくりしていた。
それでも一度咳き込むと痰が出るし、しんどくないわけではないけれど、無理にでも元気なふりをしていた。
パジャマや下着は余分に持ってきていたけれどうっかり忘れていた靴下を、何も言ってないのに母が差し入れしてくれて以心伝心。
今年の秋は全然涼しくならなくていつまで夏なのかなと話しながら、退院後に母に家に来て身の回りを助けてもらうのをやんわり断って。
いつ退院になるのかしか聞いてこない夫は私がいないほうが一人で好きに過ごせるし何も困っていないみたいだった。
いつか子供が生まれた時、夫は里帰りをすすめてくるけど私は実母を召喚したい。義母の方が近所だけど来てほしくない。
というか、子供が生まれたら夫は育児に協力してくれなさそうで、そんな夫との間に子供をもとうとすることは間違ってるのかなとも思う。
でも私は我が子を抱きたくて、それを早く実現するためにステントではなくバイパスを選んだ。この選択は間違ってなかったと思いたい。