お茶菓子を○個用意する理由
自分を好きになる理系ファッションアドバイザーのKaoriです。
趣味で四年ほど続けている茶道についても、茶道日記noteで紹介することにしました。
言われなければ気が付かない、些細な気遣い
茶道には、そんな気遣いがいっぱい。気遣いのための決まりの多さ、わかり難さゆえに、「茶道は敷居が高い」と言われてしまう。
そびえ立つような高さの敷居を振り払う。そのために、茶道での気遣いの背景や理屈を、わかりやすく説明するのがこのnote上のマガジン です。
今日は「用意する和菓子の数」について説明します。
皆様が好きな和菓子はありますか?私は和菓子の中では鯛焼きが好きですが、お茶席にはほとんど出てきません(笑)
疑問:お茶菓子は人数に対して、何個用意すればよいのか?
お茶のお稽古では、お茶を点てる役の人・お茶を飲むお客様役の人がいます。乾いた口で和菓子を食べ、その後に飲む抹茶が美味しい。そんな順番です。
お客様が●人の時、お菓子は何個用意するの?
習い始めの頃、これはとても疑問でした。先輩たちが用意しているのを見て、「お客様が2人の時は3つなのか」などと、わかることもありました。が、お客様役の生徒さんは都度都度変わるので、毎回同じ和菓子の数を用意すれば良いってものじゃない。
お茶菓子の数のルール
お茶菓子を出す時の共通ルールはこれでした。
お客様の人数よりも多い奇数
そう、タイトルの「お茶菓子を○個用意する理由」の○に当てはまるのは2n+1, 奇数なのです。
お客様の人数よりも多く用意する理由は一目瞭然です。食べれない人がいるなんて、可哀相!ではなぜ奇数なのか。
奇数である意味
奇数とは、2で割り切れない数。そのために縁起が良い(不吉ではない)とされています。その昔、「魂を二分する双子は危険」なんていう迷信もありました。人間を里子に出したり、口減らししてしまう慣習はなくなりましたが、「2で割り切れるのが凶数」イメージは残っています。
なんでお菓子の数について書こうと思ったのか
みなさんに紹介したい茶道の気遣いは沢山あります。その中で今回「お茶菓子の数」について書こうと思ったのは旅行がきっかけです。
先日娘2人を連れて、友人達と会う旅行をしました。素敵な旅館で、相部屋で過ごしたのです。旅館には、部屋に和菓子が用意してあることが多い。
「あれ、これ私は何個食べていいのだ?」
同室で過ごした友人が、疑問に思っていたのです。その部屋に泊まったのは、大人3人、子供2人。和菓子は7つ用意してありました。なぜ7つなのか、私は説明しました。
和菓子は人数よりも多い奇数を用意するという決まり
私も娘たちも和菓子を食べる気もなかったので、友人に「何個でも好きに食べてね」と伝えました。
お上品な対応
洋菓子だと違うお作法でもあるのかしら。
誰だって、最後の一切れ、最後に一つを食べるのはちょっと躊躇する。それがないように人数よりも多く用意するのかな。
甘党ではない私は、お茶菓子なら皿ごと食べようとは思わない。けれど、それが大好物の肉であれば、遠慮も躊躇もへったくれもない。必ずやその肉を食べるだろう。
人数分よりも多いと、誰がそれを食べるのか争いになりそう・・・なんて言ってると茶道はやりにくいのかしらん。
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