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業火

夏もおわりに近づいて
椅子も月夜にぬかずいて
靴も子供にゃぶかぶかで
蝉はまだ鳴くなかなかに

恋はまもなく実らばや
闇も目深にかぶりたる
海を浮世に詰め合わせ
泡を吹き上げ睦び合う

呆れ果てたる暑さから
解き放たれぬ浮世かな
燃え続けては熄まぬ火に
罪深かりし己が身よ

熄まぬ愚かな靴歩き
瞠る僅かな月明かり
しぼる仕合わせぽたぽたと
火照った肌身にひたひたと

恋はまもなく実らばや
椅子も月夜にぬかずいて
企み孕みて燃え盛る
解き放たれぬ浮世かな

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