「わかってほしい」、苦しい
誰でも持っている「わかってほしい」
今日お伝えしたいのはタイトルの通りです。
「わかってほしい」
「わかってもらいたい」
「でもきっとわかってもらえないだろうな…」
「わかってもらえないって思っているのに、わかってほしいって求めすぎてしまう」
こんな風に感じる方は、ぜひ読み進めていただければと思います。
誰でも、「わかってほしい」という思いは持っているのでは無いでしょうか。
しかし、「わかってほしい」と思う強さは、人によって違います。
「自分と意見の合わない人に嫌われても、なんとも思わない」
「育ってきた環境が違うから、全て分かり合うなんてできない」
そのように、論理的に割り切れる方もいます。
しかし、メンタルが不調な方には、「わかってほしい」という思いが非常に強く、切実な方もいらっしゃると思います。
その思いが強すぎて、自分自身に疲れてしまっている方もいるのではないでしょうか。
私自身、まるで「わかってほしいオバケ」のように、
「わかってほしい」と相手に求めてばかりいましたし、
そんな自分にうんざりしていました。
そもそも、なんでこんなに「わかってほしい」のか
「精神的に未熟な人は、内的世界に、自分しかいない」
こんな言葉を、ふとどなたかのブログで見ました。
これは、科学的な証拠や、書籍にあったものではありません。
しかし、感覚的に、この話が一理あるような気がしてならないのです。
ここで、二つの例を見てみましょう。
【例1】
子供が何か伝える
↓
精神的に成熟した相手から、それを理解してもらう
↓
こんな風に聞いてもらえたら嬉しいんだ、と覚えていく
↓
経験を元に、子供も他人にそれを出来るようになる
このような交流があった場合、子供は満足します。
「コミュニケーションは自分と相手の相互交流である、快である」
と学んでいきます。
【例2】
子供が何か伝える
↓
精神的に未成熟な相手から、それをむやみに拒絶される、無視される、
一方的に何かを言われる
↓
何か伝えても、不快なだけだ、と覚えていく
↓
経験を元に、子供は不快な経験をこれ以上しないよう、
自分を守ることが最優先になる。
子供は、伝えたことを受け止めてもらえていないままなので、不満なままです。
「コミュニケーションが分からない、不快である」と学んでいきます。
自分の中に、他者が不快で攻撃的な存在とうつり、「理解しあう存在」には感じられなくなったのかもしれません。
他者を避けるので、コミュニケーションの回数は圧倒的に少なくなり、
「他者に伝えるには?」という選択肢はどうしても思い浮かびにくくなります。
「自分の中で考える」、ひとりごとのような表現に偏ってしまいます。
「さびしい、わかってほしい、だけど人がこわい、だけど人が嫌い」という、一見矛盾した、強固なサイクルが出来上がってしまいます。
強固なサイクルは変えられる?
ここまでこの記事を読んでくださった方は、
すごくドロドロとした黒い気持ちになっているかもしれませんね。
親、いじめ、様々な経験を思い出されるかもしれません。
黒い気持ちに支配されるようで、怖くなってしまうかもしれません。
「ふとしたときに、思い出す。
あいつのせいで、自分は今までずっと苦しかったのか。
このままずっとこんな人生なのか?」
しかし、その黒い気持ちに支配されて暮らしていくか、
違う選択肢を選ぶかは、あなたに掛かっています。
過去で未来が決まるのではなくて、
今、現在の選択だけが、新しい影響を与えます。
強固なサイクルに、ほんの少しずつ、今までと違う選択肢を入れてみましょう。
ほんの少し違う選択肢が、ほんの少し違う結果を生みます。
その繰り返しで、サイクル全体が、変わっていきます。
具体的な方法を、私のごく個人的な経験の範囲で以下に書いていきます。
「わかってほしい」時は、すこしストップ
「わかってほしい」
「わかってもらいたい」
「わかってもらえない」
そのような気持ちで虚しくなった時、歯がゆくなった時、腹立たしくなった時。少し立ち止まってみましょう。
そして以下の質問を、自分自身にしてみてください。
「わたしは、わかってもらう工夫をしたかな?」
自分の話したいように話して、相手もそれを理解し、共感してくれる…
もし、常にそうだったら、とっても嬉しいですよね。
コミュニケーションで悩むことも無いでしょう。
しかし、私たちはコミュニケーションで悩みます。
それは、自分が話したいように話したからと言って、相手がそれを理解してくれるとは限らないからです。
まして、共感や賛同を得るとなると、さらに難しくなります。
つまり、自分が話したいように話している場合と、伝え方を工夫した場合では、理解・共感を得られる数は大きく変わってきます。
わかってもらう(伝える)工夫のしかた
まず、感情がたかぶったら、一旦相手から離れましょう。
部屋など、一人きりになります。
思っていること・感じていることをワーッと紙に書きだしましょう。
書いた感情を、言葉にまとめられないか検討してみましょう。
「みじめ」「劣等感」「不安」「恐怖」「悲しい」「焦り」「怒り」…
どんな言葉があてはまりますか?
その感情になったのは、なぜですか?
それを言葉で整理して、相手に伝えられそうですか?
私は、一人きりになってから(電話を切ってから)、相手にLINEしています。
注意点は、簡潔に書くこと。
「(出来事)で、(考え)で、××(感情)になった。」
そして、自分が感情的になっていたら、そのことについて謝ります。
「怒鳴ってごめん」「黙り込んでごめん」「電話切ってごめん」
喋るとなると、発声しないといけませんが、LINEだと文字なので、伝えやすいです。
「わたしは、相手を分かろうとしたかな?」
『「私の言いたいこと、わかって」と求めるだけで、
「相手の言うことを、わかりたい」とは思いついていなかった。』
そんな場合もあります。
それは例えるなら、相手に精神的1000本ノックをしているようなものです。
取りづらい球をどんどん出して、「取ってよ!取ってよ!」と要求しているのと似ています。
でも、悪意は無い場合が多いのでは無いでしょうか。
「相手を苦しめたくてそうしているわけではない。」そんな方が多いのでは。
相手をわかる、工夫のしかた
これは、すごくシンプルです。
「(相手)は、どう思っていた?」
「(相手)は、今どう思っている?」と聞いてみてください。
これは、初めて行う時は特に、すごくこわいと思います。
でも、どんな言葉が返ってきても、一旦こう返してみてほしいのです。
「そうだったんだ」「そうか」と。
そして、相手が一呼吸つくまで、口を挟まず聞いてください。
※聞いている途中に、もし、感情がまたたかぶってきたら、また一人になりましょう。
(電話ならば切りましょう)
まとめ
今回は、「わかってほしい」という気持ちについて、書いてみました。
私自身が、自分の中に「他者」がいなかったな、と理解した瞬間は、とても衝撃的だったのです。
活用していただけたら幸いです。
とはいえ、くれぐれも無理は禁物です。
メンタル面での不調のある方は、信頼できるカウンセラーなどへの相談を優先してください。
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