過去の自分への後悔と、ほんの少しの罪滅ぼし
本当にあっという間に、社会人14年目になっている。
就職する時「今までちゃらんぽらん大学生だったのに、この先休みもなく40年近く働くとか無理!」と思っていたのに、もうその1/3が過ぎてしまっていることに驚く。
新入社員だった頃の純情な感情は、その期間の間に早々に失われて、ペーペーだった僕は中間管理職みたいなことをやっていたりする。
僕が入社したころ、会社は今でいえば労働基準法大丈夫?というようなある種イケイケな会社で、帰るのは基本的に終電だったし、土日も給料が増えるでもないのに出社していた。
もちろん内部的にも荒んでいて、仕事が終わらないからと言って上司が助けてくれるでもなく、あるのは叱責と「どうやったら終わるか考えろ」というありがたいお言葉だけであった。
そんな環境で育ったものだから、いざ自分が新しいメンバーを指導する立場になった時に同じような対応を取ってしまうこともあった。正確には「こんな上司にはならねぇ」と思っていたので多少マイルドにはなっているのだけれど、とはいえ嘘をつかれたり、やると言ったことをやっていなかったときは厳しい言葉をかけてしまうことがあった。
今となってはすっかりコンプライアンスも労働基準法も遵守するし、遅延が発生したからと言って土日でやります!なんてことを言わせることもなく、環境は改善されている。当然メンバーを叱るなんてこともほとんどない。
しかし、過去に僕が見ていたメンバーからすれば「右も左もわからない頃に叱責された相手」という過去は消せるわけではなく、当時の自分のやり方について申し訳なかったな、と思い返すことがある。
閑話休題
先日、今のチームメンバーと話をしていると、前に退職して地方にUターンしていたメンバーが上京したので当時の人たち(現職も退職済みも含む)で集まって食事会が催されたという話を聞いた。
その食事会の帰り道に、かつて僕が新卒時にメンターをしていた退職済みの後輩から「新卒の時に〇〇さん(僕)と働けたのが良い経験だった」と言っていたという。
少なくともこの数年、仕事関連で言えば一番うれしかったできごとだった。今でもメンバーを率いているのに自分がメンバーに何をできているのだろうか、他のリーダーならもっと成長できるんじゃないか、もっと成果が出せるんじゃないかと思い悩むことは多い。
ましてや自分がまだまだリーダーとして未熟だったころの後輩がそんなことを思ってくれていたなど想像だにせず、わからないなりにもがいていたあの頃の自分がやったことに、少しは意味はあったのかな、と救われた思いがした。
結局今でも、リーダーの責務とは何だろうか、自分がいることの意味は何だろうかという問いに答えは出ていない。自分がリーダーだったから成果が出せているとも正直思えてない。それでも、毎日もがきながら、少しでも後輩が成果を出せるよう、成長できるように頑張らねばと思った、そんな夜だった。