1930年代、国際的に孤立を深める日本の文化外交の試み(3)/ 第七回世界教育会議の東京招致
東京市 『東京の教育』 1937年 東京刊:共同印刷
Tokyo Municipal Office, Education in Tokyo, 1937, Tokyo: The Kyodo Printing Co. <R24-18>
<25x19.5cm, iv, 255pp, 26 plates, original cloth binding, illustration on front cover, title lettered in gilt to spine and front cover, one woodblock printing pasted on plate page>
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国際文化振興会 『能:第七回世界教育会議代表団用演目』 1937年 東京刊
Noh Programme. Specially arranged for the Delegates to the Seventh World Conference of the World Federation of Education Associations. Performance by Mr. Shigefusa Hosho and his Players. Noh Costumes and Masks on Exibit. Friday, August 6, 1937 at 7. p.m & 9 p.m. Nohgakudo of the Peers' Club. Kokusaibunka Shinkokai (The Society for International Cultural Relations)., 1937 <R24-19>
<25x18.5cm, title page, two plates page, [2pp], 26pp, [6pp], original string binding, title lettered in gilt on front cover>
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本書は第七回世界教育会議で東京市の教育について紹介した書籍です。世界教育会議とは、1923年にサンフランシスコで開催されたアメリカの国民教育協会会議がきっかけとなり、第一次世界大戦後の国際協調進展の機運から、世界中の教育・文化政策関係者の交流促進を目的として発足した会議でした。
第7回会議は東京にて、盧溝橋事件発生直後の1937年8月に東京帝國大學安田講堂をメインの会場として開催されました。日本がこうした国際組織の会議や大会を招致するのは、1934年の第15回赤十字国際会議以来二回目の試みとなりました。
日中関係が再び急速に悪化していた時期に開催された第七回世界教育会議でしたが、この会議の際に、各国代表団のために日本文化紹介のために能楽が披露されました。本書はその際の演目紹介です。
主催者であり、発行元である国際文化振興会(1973年より国際交流基金)は、満州事変と国際連盟脱退により悪化した国際世論での日本のネガティブイメージを打破することを目的として1934年4月に設立された団体でした。総裁に大正天皇第三子高松宮宣仁親王、会長には近衛文麿が就任するなど、皇族や華族(貴族院議員)が中心となって設立されました。
その主な活動としては、海外展示会の資料提供、研究者の交流や講演会の開催などを行っていました。本書の能楽紹介も、世界教育会議という国際会議での場での文化紹介を通じて日本のイメージ向上を図ったものと思われます。
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