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演奏会の舞台裏

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演奏会の舞台裏は非常に大切です。舞台裏には奏者としての心構えや準備もありますし、演奏会に向けた準備もありますし、裏方の役割をするための様々なノウハウもあります。
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#裏方

受付等担当者の当日の流れ

 受付等の担当者は開演時刻の3~4時間くらい前に集合することが多い。集合後は打ち合わせとセッティングをしてチラシの挟み込みを行って開場時刻に備えるという流れである。午後公演でも夜公演でも食事休憩を挟むことが多い。受付等担当者がスタンバイ状態となるのは開場時刻ではないことに注意しなければならない。全員が早めの時間にスタンバイとする必要はなく、例えばドアマンなどは会場時刻直前でも問題ないが、少なくても外から見える部分に関しては早めに準備を終わらしておくべきである。受付スペースは開

裏方担当者の役割と必要人数

 演奏会時に表回りの裏方として、受付(もぎり、花束贈答品受付、チケット販売、置きチケット)、クローク、誘導係、ドアマン、連絡係、などがある。舞台袖に待機する人員としてステージマネージャーと舞台へのドアの開閉担当者、花束贈呈係、影アナウンス係が必要である。団によっては楽屋担当者を置くこともある。受付等に必要な人数はホールや集客の規模によって異なる。ホール側から必要人数を指示される場合もある。事前に入念な計画をたてて必要人数を確保しなければならない。演奏会の2か月前くらいから人集

受付等担当者への指示と教育

 事前打ち合わせ、あるいは受付用事前配布資料(受付マニュアル)では、集合時刻および解散予定時刻、集合場所、服装、各担当者の紹介、タイムスケジュール、各仕事内容、お客さんから聞かれる想定問答などについて詳細に説明するべきである。社会人のアマチュアオーケストラでは事前説明会なんて行わないことが通常であるしマニュアルも作成されないことが多い。それは、複数の慣れている人が担当するからである。スクールオーケストラの場合は慣れていない人が圧倒的に多いので事前に詳細な説明をした方が、結局は

裏方担当者の心構え

 「受付担当者はコンサートの顔である。受付の笑顔と挨拶で演奏会の評価が変わる。」私が受付担当者に説明をする時はいつもこの話から説明をする。正直なところ、演奏の音楽的評価を客観的に公平にできるお客さんは少ない。何となくの雰囲気で良し悪しを判断している。そのため、受付などの外回りの評価が演奏の音楽的評価に置き換わってしまいがちである。そうでなくても、受付等担当者の立ち振る舞いが演奏会の印象を決めてしまうものである。もちろん、演奏の音楽的評価だけでなく演奏会としての評価も重要である