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マーク・ボイル「無銭経済宣言」
食糧難になれば、果たしてお金があれば乗り切れるのでしょうか?
その答えは、お金に依存しない自力の生活にあるのかも知れません。
著書「ぼくは金なし生活をすることにした」で著者のマーク・ボイルは1年間お金を使わないで生活することを実践した。
さらに3年間の継続した無銭生活を行った。
彼のその時の実績から書き記した金なし生活論の著作第2作「無銭経済宣言」。
それは資本主義社会の闇、環境負荷のかかる現代の先進国の生活に対して警鐘を鳴らし、
持続不可能を問い正し、自給自足に向けたあらゆる代替の生活品を作り出して使用する実践法を文章で提供している。
この本の序文を下記に引用させて頂く。
「生きるコスト」が存在するわけだ。
生きていくだけでもお金をはらわなければならない、とあたりまえのように思っている。
この前提がある幻想の一端にすぎないことを、マークはあきらかにする。
相応の理由があってお金を使う場合もあろうが、どうしても使わなければならないわけではない。
その幻想を逃れるには、私たちのものの見かた、習慣、基本信条に大きな転換が必要である。
この世界における私たちのありかたを転換し、自己認識さえも転換しなければならない。
金銭を介する暮らしは、人びとをコミニティからも自然からも切りはなし、私たちは相互依存を匿名の媒介者へと振りむける。
お金は約束する。じゅうぶんなお金を手に入れさえすれば自立できますよ、と。
周囲の人間に頼らなくてもやっていける。
「あいつらの助けなど必要ない。必要なものは何でもお金で買えるから」。
周囲の自然に頼らなくてもやっていける。
「水が汚染されているならボトル入りのを買えばいい。土壌が汚染されているなら遠方のオーガニック食品を買えばいい。最悪の場合は引っ越すこともできるし」これまた幻想である。
お金で自立を達成することなど、実際はできやしない。
できるのは、依存先をどこかへ切りかえることだけ。
周囲の人や場所に依存するのはやめて、お金とそれを介してつながる遠方の機関に依存するようになるだけだ。
現実に私たちは互いに結びつきあった存在であり、ほかの生命に全面的に依存しなければ生きていけない。
文明化した人類は、そうして依存を長いこと否定しつづけ、自然を支配し超越しようとしてきた。
その優越幻想の一角を占めてきたのがお金だ。
しかし、今日私たちは生態系と共存する時代に移行しつつあり、環境的、社会的なあらゆる次元において。生命の輪にもう一度加わろうと努めている。
マーク・ボイルはその一方策を提案する。
生命の輪は贈り物の輪だ。
マーク・ボイル著「無銭経済宣言」紀伊國屋書店
序文より引用転載。
2022年現在、世界はデジタルと監視管理による世界的な統制社会に向けて動いている。
果たして、人類はどこに向かうつもりなのだろうか?
それは、我々普通の人々には考えもしない
新たな世界に進んでいく。
自然からより遠ざかる世界へ。
#貨幣経済 #物質市場社会 #マーク・ボイル #ヘンリー・デヴィッド・ソロー #ゲイリー・スナイダー