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引き出したい不登校の子の「やりたい!」「ほしい!」~強化子をみつける~

 不登校のお子さんは、自信を失っていることが多いと思っています。「私なんて、、、」「むり、、できない、、」などのネガティブな言葉が口癖になっていることが少なくありません。もちろん性格的な要素もあるかもしれませんが、「〇〇やりたい」「これ、ほしい」「見て、見て」などの言葉が出てほしいところです。子どもですので、多少ワガママなくらいがちょうどよいと思っています。 

 応用行動分析では、この「〇〇やりたい」「これ、ほしい!」「見て、見て」などの言葉を自発的なコミュニケーションや自発的要求などの言い方をします。そして、実際に手に入れたいものや活動、大人の注目などのことを強化子(きょうかし)といいます。
 学びをする上では、この強化子をどれだけたくさんの量と種類を取り揃えるかが、重要なポイントになります。私は、よい支援者は、これを短期間でたくさん見つけられる、そして提供できる人だと思っています。

 なぜ、この強化子が重要かというと、人間は誰しも、無目的に学習することはできないからです。外国語を習得するには、好きなアーティストの歌詞を理解したい、歌いたいとか、映画を字幕なしで見たい、外国人の恋人を作るなどがよく言われますよね。誰でも話すつもりもなく、しゃべる必要もなく、旅行にするわけでもない言語を習得することは苦行でしかありません。外国語を習得することが趣味の人を除きます。

 不登校のお子さんの強化子を見つけるポイントとしては、プレッシャーを排除することと、できるだけ普通の生活をすることが大事だと思っています。特に、不登校が始まったばかりの子は傷ついております。大人が発している「学校へ行きない」オーラや「学校へ行ってほしいの」オーラが出ていないかチェックしていきましょう。それと同時に、睡眠や食事、運動、雑談(目的のない会話)を整えることも大切です。

 誤解のないように言うと、例えば睡眠は、早寝早起きのことではありません。寝不足にならないように、夜はスマホ、ゲームを控える(禁止ではない)、お風呂に入る、目覚ましをかけない(いつまででも寝ていいということではない)などで、自分にとって適切な睡眠を見つけることを意味します。表現は難しいですが、まずは、人間らしさを取り戻すというイメージに近いかと思います。何が負担(ストレス)で、何が心地よいのか、自分と対話する時間をもってほしいと思っています。

 大人でも大変な作業です。子どもにどうサポートするかは、なかなか専門性を試される作業になるかと思います。まずは、自分自身で実行してみることをおススメします。

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