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元特別支援学校教諭→教育委員会指導主事→民間企業を経て、現在放課後等デイサービスの代表…

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元特別支援学校教諭→教育委員会指導主事→民間企業を経て、現在放課後等デイサービスの代表をしています。 応用行動分析や特別支援教育の経験をいかした支援をしております。 みなさんのご意見をお知らせください。 連絡先:incO.202204@gmail.com

最近の記事

不登校支援は、なぜ難しいのか。

 不登校は、過去最高の人数を記録し社会問題化しています。いろいろな施策が取れられていますが、うまくいったという話を耳にしないのはなぜでしょう。なぜ、不登校支援は難しいのか。 私的な見解ですが、聞いてもらえると幸いです。  私が、不登校支援を始めたときに、いろんな文献を読み漁りました。ところが、書いている不登校の事例が、私の関わっている子どもの状態とあまりにも違い過ぎるのです。 ①年齢  私の関わっていた子は、小学校低学年でした。しかし、中学生や高校生ばかりで、中には、大学

    • 具体例)学習の「理解」と「トレーニング」

       前回、学習とは「理解」と「トレーニング」に分けられますと書きました。ピンとこないと思いますので、具体例を出していきます。  カレーライスは、手順さえ守れば誰でも簡単に美味しく作ることができます。私は、料理が苦手なので、スーパーで先にルーを買って、書いている材料を一つ一つ確認しながら買っていきます。 でも悩んでしまいます。「じゃがいも3つ」って書いているけど、どれくらいの大きさを買えばよいの?「5人前」って書いているけど、作りたいのは4人分なんだけど、、、。 奮闘しながら、

      • 学習は、「理解」と「トレーニング」

        学習とは、「理解」と「トレーニング」の2つの要素に分けられます。 私たちが受けた学校の授業を思い浮かべてください。授業の初めには、その日の学習課題に興味をもつような働きかけをしていることでしょう。ここにお饅頭が40個あります。お兄ちゃんと2人と食べたら何個食べられる?  「ハイ!20個です」「40÷2をするといいと思います」と子どもたち。「本当かな、班の中で正しいか話し合ってみてください」など、話し合いをさせたり、意見を言わせ合ったり、おはじきなどを使って実際に手を動かし

        • どうやって学習を教える?

           不登校のお子さんの保護者さんの心配事は、やはり学習のことです。学習が遅れるのではないか、、、。学校へ行ったとしても学習の心配はつきものです。登校できない=学習の遅れではありません。  学習とは何か?と考えた時、私が大学院に入った時のことを思い出します。「何を勉強したらいいですか?」と教授に質問したら、「自分で考えなさい」と言われました。はじめのうちは「何も教えてくれない」と不満をもちましたが、学問とは本来自分で課題を見つけて、失敗を通じて学んでいくものです。  小学生に自

        不登校支援は、なぜ難しいのか。

          3つのデメリットを知って、不登校でも心配いらず!

           保護者の方に知ってほしいことがあります。学校へ行かない(行けない)ことによって3つのデメリットがあります。  保護者にとって、子どもが「学校へ行きたくない」といったら、不安になり、つい子どもに理由を問いただしてしまいますよね。気が動転していろいろなところに相談へ行くも、状況が改善されないとパニックな状態になってしまうのは仕方がないことです。 私の出会った保護者の中には、私に相談するまで1年半ほどかかった方もいます。その間にネット等でいろんな情報に触れて不安になったり、安

          3つのデメリットを知って、不登校でも心配いらず!

          ”褒める”~応用行動分析から考える~

           前回「もっと褒めてあげて」というアドバイスはしないほうがよいとの記事を投稿しました。理由は、褒めることは難しいからです。私は、応用行動分析の理解啓発をする会社で努めていましたが、この褒めるということがいかに難しいことかを学びました。 今回は、褒めることが難しい理由を学問的な面から説明したいと思います。少し難しい話になりますが、お付き合いください。 ”褒める”ことは、応用行動分析では、強化子といわれます。応用行動分析という学問は、人間の行動を科学的に分析した学問で、特別支

          ”褒める”~応用行動分析から考える~

          「もっと褒めてあげて」は止めたほうがいい

           保護者に対して、「家庭でもっと褒めてあげて」というアドバイスを、私はしません。なぜなら、褒めることは、とても難しいからです。褒めることが有効であるのは、どんな場面で、どんな行動に対して、どんな言葉で、どんなタイミングで褒めるのかをあらかじめ決めておくことが必要です。  例えば、この記事を読んでくれているかたに、私が「この記事読んで勉強するなんて偉いですね」などとコメントしたら、読んでくれている方はちょっとイラッとしませんか?「私の何が分かるの?」と心の片隅で思うはずです。

          「もっと褒めてあげて」は止めたほうがいい

          自己肯定感が高すぎる、、、??

           前回の投稿で、自己肯定感を高める支援が大切との内容を書きました。しかし一方で、「自己肯定感が高すぎるのもいかがなものか、、、」と言われることがあります。  実は、自己肯定感についての定義が定まっていません。ある資料には、”自己肯定感とは、自己を肯定する感覚”との説明がありました。この自己を肯定するというときに、大きく2つの意味があります。 1)自分の存在に自信をもちポジティブに考えること 2)自分の存在が優位であると考えること  一般的に、自己肯定感とは1の意味で使わ

          自己肯定感が高すぎる、、、??

          不登校支援のポイントは、自己肯定感を高めること

           初めて不登校の子を支援をした時に、子どもの自由にさせたり、学習をさせたり、集団の遊びを取り入れるなどしましたが、うまくいったり、いかなかったり、効果にムラがありました。  何かコレという支援はないかなと思った時に、教育の基本である自己肯定感を高める支援に立ち返ろうと思いました。  不登校のお子さんは、とても罪悪感や挫折感を抱きやすい状態にあります。何をするのでも自信がなく、ちょっと失敗しただけで落ち込んでしまいます。不安の裏返しとしてイライラをぶつけてくる子もいました。

          不登校支援のポイントは、自己肯定感を高めること

          元学校の先生が考える不登校支援

          自己紹介 特別支援学校の教諭、教育委員会指導主事、民間企業勤務を経て、現在は放課後等デイサービスの代表をしています。 デイサービス開設前から、不登校のお子さんの相談を受けており、実際に不登校のお子さんと関わるようになりました。ありがたいことに、関わったお子さんが学校へ行くようになったり、学習や活動に積極的になったりと成果を得ることができました。 実践したことをNoteにて公開することで、多くの人に知ってもらい、みなさん自信のケースにも当てはまるのかを検証したいと思っていま

          元学校の先生が考える不登校支援