陰と陽 五行思想
■はじめに
「陰陽師」安倍晴明。
現在多くのエンタメコンテンツともなっている
この「陰陽師」だが誰もが一度は耳にした事があるだろう。
しかし、陰陽師を「なんか札を使って悪い奴を倒す」イメージを 持っている人が多いのではないだろうか。
子供の頃、紙をひたすら投げて式神を出す練習をした私は、本物の陰陽師になれるのか。
「陰陽師」の種類・思想について調べてみる。
■陰陽師の種類
確かにイメージの通り悪いものを祓う役割=「呪禁師(じゅごんし)」の役割も保持していたが、 実際には多くの役割が存在していた。
飛鳥時代に律令制度で設立された陰陽寮には、 指揮・統制を行う「陰陽頭」 災異に対する部門である「陰陽師」 暦の作成と教育を行う「暦博士」 天文観測・気象予測を行う「天文博士」 (水により)時刻の計測を行う「漏剋博士」 等多くの役職が存在した。
つまり、現在で言うところの気象予報士と天文学者等が混ざったような仕事であった。組織化された研究機関であり、様々な業務を行っていた。
また、この中の「陰陽師」は全国で6人しか選出されない為、エリート中のエリートの 国家公務員だったと言うことになる。
どうしたって私にはなれなそうである。
■陰陽師の思想
この時の陰陽師の思想はどんなものだったのだろうか。
基本的な思想として「陰陽五行思想」というモノがある。
これは、全てのモノが「陰と陽」に分けられ、全てのモノは「木・火・土・金・水」の元素からなると考える思想であり、 よく見る星の形をした五芒星の術式はこの五行思想からなる。
「木・火・土・金・水の五行」それぞれに陰陽をの側面がある為、 それぞれに名前がついており、陽であれば「え」、陰であれば「と」と呼ぶ。
よって、木の陽であれば「きのえ」=「甲」、木の陰であれば「きのと」=「乙」となる。
※なお、現在利用している「干支(えと)」もこれに由来する(正確には「当てはめた」)。
「干支」は「子~亥」の事と思われがちだが、正しくは「干」と「支」に分かれる。
「干」(正しくは「十干」)=「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」。「支」(正しくは「十二支」)=「子~亥」 陰陽道自体は日本独自の思想であり、本来は古来中国で信仰されていた陰陽五行思想に、 当時日本で最先端の学問とされた仏教や道教、神道、修験道の要素を混合して作られたとされている。
■現在でも残った術
現在では衰退してしまった「陰陽師」だが、その陰陽師が基本とした「術」が今の我々の生活にも 存在している。
それは「結界」である。
結界とは「区切るもの」であり、神の領域と人、むこうとこちら等を区切るものが結界と考えられていた。
例えば食事に際して、手前に箸置きを横向きに置くがこれは「神々の向こう側とこちら側」を区切るものであり、 「頂きます」と手を合わせるのは、食物の神に感謝をして結界を解く行為であった。
同様に今でも我々が目にする「のれん」や「鳥居」等も結界であったと言われている。
■おわりに
今回は陰陽師について調べてみたが、どうやら私には難しい世界の様である。
なお、現代において歴史と共に様々な変化を遂げた陰陽師達だが、 その調査はせずに今回は「一区切り」とさせていただこう。