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公教育がマッチする子と、マッチしない子

今、息子はシンガポールのボーディングスクールに通っているが、
先日、息子がボソリ・・・・・
「僕、日本の学校はムリかも。」
小学校の時の日本のお友達からいろいろ近況を聞いて思ったとか。


確かに小学校卒業後、中学校はどんな環境がいいのか、
息子が楽しい、ワクワクする、学びたいと思える環境があるのはどんな中学なのか必死で探した。

日本ではほとんどの子供は地元の公立へ行く。
まだまだそれが当たり前で、環境的に地元の公立しか選択肢にない子供も多い。
2021年の文部科学省「令和3年度学校基本調査」によると全国の中学生の7.6%が私立中学に属し、それ以外のほとんどは公立中学に属しているそうだ。

そうなってくると地元の学校環境がマッチしない子はどうしたらいいのか。
公教育がマッチしない子はどこへ行ったらいいのだろうか。

首都圏では公立以外の選択肢として私立中学を選択肢としてあげる家庭も多いがそれもマッチしない子はどうしたらいい・・・?



息子は、すごく自由で遊び中心の幼稚園で育った。
とことん好きなことに夢中にさせてくれる幼稚園で、行事も子供たち主体の関わり方。
あまり禁止されることはなく、なんでもやってごらん、という関わりをしてくれる幼稚園だった。
そんな環境で育ったからか、好きなことや興味をもったことにはどんどん積極的になり、できるできないの結果ではなく過程を楽しめる子に育った。
そしてなんでもチャレンジすることができるようになった。

そんな息子の個性を尊重し「好き・やりたい」をもっともっと叶えてくれる環境は・・・と探し、「探究的な学び」を主とし、自ら学んで行くのを大事にしてくれる小学校を選択した。

小1と小6がバディとなって互いに学びあう。
遠足は行くか行かないか、行くならどこに行くか、何のために行くかから全部子供たちで話し合う。
運動会の種目も、どの種目をやるか、それをやることで何を目標にするかから考える。
先生の席は教室後方に配置され、子供たちは四角くお互いの顔が見える形で配置され常に意見が飛び交う。
総合学習が学校の学びの中心で、
泥団子をボーリングの玉と同じくらいまで綺麗で硬いものに作り上げる研究したり・・・校庭の端から端まで飛ばせる究極の弓矢を作り続けたり・・・牛乳パックを集め企業に協力依頼の電話も子供たちで行い、最後はクラス全員が入れる規模の牛乳パックハウスを作り上げたり・・・小6の時は困窮家庭の子供の力になりたいと、自分たちで石鹸を作り、その材料費はクラウドファンディングで資金を集め、売上金を財団に寄付するというプロジェクトをやり遂げたりした。

そんな経験から、自ら問いをたて、課題を設定し、まわりも巻き込みながらプロジェクトを進めていく力が自然についた。
プロジェクトを進める中で、自然に基礎学習的なものは手段として学ぶようになっていた。

濃厚な小学校の6年間を考えたときに次の進学先として、学校方針がマッチする私立中学受験も検討し途中までは受験塾にも通っていた。

親として、中学受験システムには正直疑問を持っていたし、塾通いのために今の息子の「好き・興味関心・やりたい」を封印することにも多少抵抗があった。

そんな時に、それ以外の留学という選択肢を考えられる縁をいただき、息子は、地元の中学、中学受験で私立、留学してボーディングという3つの選択肢から自ら一番行きたいと思えるところを選択できた。

今のボーディングスクールは、多国籍の人種がいて、そもそもみんな違うのが当たり前。
授業は常にPCで、授業中は飲み物を飲んだりしながらでも問題ない。
教えてもらう授業は少なく、常に探究から始まる。
みんなで意見を交換する授業が中心で常に自分の考えを問われる。
自分の課題が終われば、その後の時間は自分自身に任されているそう。
ただ主語は自分で進めないと、できてなかったら自分のせい、やらなかったら自分が困るだけ。
そんな自由と責任も自分で選んでいく。
そのスタイルが息子にはどうやら合っているそう。

あの時、中学の選択肢がもし一つしかなかったら・・・・
ここしかない、ここに行かなければならない、となっていたら・・・・



今、息子は自分で選択した環境を楽しんでいるようです。

世の中には、もちろん地元の公立中学がマッチするお子さんもいるし、一生懸命受験塾に通って自分にマッチする私立中学に進むお子さんもいる。

自分の行きたいところ、マッチするところを選択できることが大事。
その選択肢が少ないことが今の日本の教育の課題ではないかと思う。

多様なお子さんが、多様な価値観を大事にし選択できる。
そんな日本になるのはいつなのか・・







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