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【パン屋のおまけが、洋菓子に進化した日】
「レシピ見ても、全然作れないんですけど(笑)」
「イルローザさんこれ一体、どうやって作ったんですかー??」
「えーとですね、配合調整と気合いです(笑)」
これは、とある企業さんから
菓子製造の依頼を受ける際の会話です。
こうすると作れますよとレシピを渡しても、
先方が再現困難で、イルローザすげえじゃん
ってめちゃくちゃ褒められるお菓子。
それが、当社三大巨頭の
ラスクパリジャン・バニラです。
![](https://assets.st-note.com/img/1698567685062-SlAA22noUl.jpg?width=1200)
「片手間ではない、洋菓子店の本気のラスク」
当初からずっと掲げていますが、
このレシピをこのクオリティで
作るのはすごいですと
企業さんに認めていただく機会が非常に多いです。
発売して14年、変わらず当社の主力商品ですが、
こだわりはあっても、
言葉でうまく表現するのが
苦手なものづくり集団が、
「片手間ではない、洋菓子屋の本気」
この言葉の真意を証明します。
そもそも、ラスクって
どんな経緯で
誕生したのでしょうか。
パン屋さんで残ったバゲットの
ロス対策として、保存期間を伸ばせる!
先人の知恵で生まれたらしいです。
賢いですよね。
確かに、よくパン屋さんの
レジ横とか隅っこで見かけます。
ただ、イルローザのラスクは、
その発想とは真逆です。
「もし、洋菓子屋が本気でラスクを作ったら」
当初、徳島県で販売してる所がなく、
これは地域一番店の使命だ!と
先陣を切りました。
ロス対策ではなく、
ラスクをした時、最もおいしい
![](https://assets.st-note.com/img/1698567964909-0vYg7dljRL.jpg?width=1200)
専用バケットを本気で開発。
バケットは、四国のものを使えると良いねと、
香川県産小麦「さぬきの夢」が採用されました。
しかし、この小麦でパンの味を整えるのが、
当時すごく難しいけど、
出来上がりはものすごく
サクサクして良い品種でした。
けれども、大変なのは変わりないので、
”継続して同じクオリティで作る”
当たり前の事すら、ハードルがありました。
生地のこね方・寝かせる時間・焼き方
どの工程からも出来上がりに
影響が及び、毎日が研究と改良の繰り返しで
ただ作ればいいなんて
安易なものではありませんでした。
”手を抜きたくても、抜きようがない”
レシピ通りでも、再現不可能な理由はここです。
目指した最高到達点は、
「口に入れた時のサクッとした食感の軽さ」
なんですが、このような問題も発生します。
「だ~か~ら!!フランスパンの白い生地の部分は、空洞ができるのがセオリーです!それをラスクにするから、穴が空くのは当然ですって!」
「ダメだ!!!穴が大きいのは正規品と認めん!!!!!」
パティシエと先代社長のやりとりですが、ほぼ喧嘩です(笑)
穴が大きく見た目が悪いのは、B品。
正規品から除外されます。
穴が大きいとダメ。
かと言って、気泡が全くないと、
生地が詰まっておいしくないからそれもダメ。
「ちょうど良い穴を目指せ」
実際には、ビタミンCや安定剤などの
添加物を加えると、
これらの問題は一発解決ですが・・・
完全無添加でクリアしろ!
という発注は、相当苦労します(笑)
当社では、1回で約1万枚製造できるのですが、
そのうち200~300枚がB品です。
B品は、当時と比べると、相当減りました。
しからながら、全体の2~3%がはじかれるというのは、
生産効率が決して良いとは言えません。
他店なら、大丈夫だろうというものでも、
当社では厳しい基準で1枚1枚職人がチェックし、
お菓子・ギフトとしての見た目を大切にしています。
また、このB品は、クオリティ・味はなんら変わりなく、
「フランスパンから命をかけて作る証明」
としてお得用ラスクとして販売し、根強い人気です。
このように、あらゆるハードルを越えて、
おいしさと無添加に振り切った職人の努力に、
さらにひと手間、素材をこだわると
クオリティが跳ね上がります。
幻のバターと呼ばれる、
カルピスから取れる希少なバターを
![](https://assets.st-note.com/img/1698568215073-WRupRpUhnD.png)
わざわざ、水分と不純物を取り除いて得られる
”澄ましバター”にして、ラスク全体に薄~く塗り込みます。
すると、香りが特別ミルキーかつ
スッキリした味わいの
なんとも不思議なラスクが出来上がります。
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商品を食べてみても、
このような職人達の苦労は見えませんし、
公言する事でもないかもしれません。
実際、当社もここまで詳しく
職人達の研究を綴った発信は
過去見返しても、一度もしていません。
しかしながら、開発者・製造課長・担当の職人
誰に聞いても、ラスクは大変だ、研究だ
と著しく成長してきた日々を話すんです。
この長年向き合い続けた、歩みこそ
ラスクのこだわりそのものだと
話を聞き、確信しました。
それらの成長を証明するかのように、2023年。
新しくラスク専用の小麦粉に出会い、
また技術も良くなって、
北海道産小麦に絞って、
前を超える味わいになりました。
フランスパンとしてのクオリティ
圧倒的食感の軽さ咀嚼しても、口に残らないキメ細かさ
ふわっと広がるバニラに、
ミルキーなバターとグラニュー糖。
洋菓子屋が突き詰めた、答えが
このラスクに、憑依しています。
何度でも、食べてしまう
進化した
正真正銘、イルローザ史上最高
ラスクパリジャン・バニラ。
そんな意味を込めて、
今回個包装・ギフト箱のパッケージ変更が行われました。
![](https://assets.st-note.com/img/1698568369920-7bvHMClkB5.jpg?width=1200)
「いやいや!レシピを見ても作れないですよ!笑」
「どうやって作ってるんですか~!?」
と企業さんにめちゃくちゃ褒めてもらえるラスク。
「片手間ではない、洋菓子店の本気のラスク」
この表現以外、見当たりません。
パン屋のロス対策で生まれたラスクとは、
土俵も、覚悟も違う、
最もおいしいラスク専用のフランスパン。
この逆説的発想で、職人が生み出す努力の結晶。
進化したラスクパリジャン・バニラを是非
いつもよりゆっくり噛んで、咀嚼してみてください。
食感の軽さとは裏腹に、全身が喜ぶ
旨みがじわじわ伝わってきます。