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いらないものなどなかった

札幌文学フリマにいった。
そして、とある、男性がものを捨てられないといった悩みのようなものを綴った本を、購入し、同行した家族のトートバックにいれておいてもらったけど、たぶん、どこかに置き忘れて、わたしは彼の文章を一文字も読むことなく、彼の存在や話したときの感じや、ブースの前に飾ってあった古いSanrioのぬいぐるみや、忍たま乱太郎のお皿を、キャッシュトレイにしているところとか、思い出して悔しい。
家族は何度もあやまり、わたしは、あんまり後悔を胸に打ち付けたり、痕跡を残すことに執着しないタイプではあるから、だから、これもしかたなくて、なくなったり忘れたりしたものは、いつかなにかに繋がるとさえ思っている。

これから、どうやって彼の作品を探そうかなと思ってるし、探しかたを知っている、だからこそで会うのが怖い、文章に触れることは、恐ろしい、だって、すごい文章を書く人だったらどうしよう、すごい感性で太刀打ちできなかったら、と、くらべる訳じゃないし、私らは競争している訳じゃないし、でも。
くちごもる。
言い訳したくなる。
わたしは時間がないから、こどもがいるから、バイトもして、家事もあるから。
いいわけしたくない。小説を書きたい。

 季節はめぐり、わたしや、世界も徐々に朽ちていくのだ。
だって地球だけは生まれ変わらないから。

札幌はもう、爪先が冷たくなるほどの気温で、わたしは、秋が一番好きなので、ただ喜びに浸っている。

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