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ヂゴク、または、地獄
朝。寝るのが遅かったのに、割と早起き。
家族のひとりは、もう起きて、テスト勉強をしていた。テスト期間は、健康的な生活をおくるといて、実行している。ホットミルクをつくってあげる。
わたしは、きのうはよく眠れたような気がした。睡眠時間はすくないけれど、気持ちは晴れていたような気がする。そして、朝から、日記を書いている。本来一日の締めくくりとしての日記だけど、書かざるをえない。書かざる、と思うとき、頭の中で、「猿」が出現するけれど、それは、尻の赤い猿じゃなくて、もじの猿、そのもの。
「猿」
眠る前に、なんとか文字を追ってやろうと言う決意で、リョサを読む。しかし1ページ。
そのあと、目をつむったあと、精神が昂揚した感があって、こなしていない用事などが、漫画の吹き出しの台詞のように、頭の中を占拠する。
眠れないということは、ほとんどないから、まだよし。眠れない人の気持ちがわからないのが、難点で、眠れないと言うのも地獄だな。
図書館本で、タイトルが気になって借りた「優しい地獄」イリナ・グリゴレ。
最近の単行本の表紙って、手に取りやすいデザインが多い。かわいい。
最初のページをぱらり、読みやすそう。ルーマニアの方か、そして、1984年生まれ。同じ学年みたいな年頃で、獅子舞や女性の身体とジェンダー研究か。おもしろそう。
そして、優しい地獄とは。
ん、と思う。地獄といえば、またまた、又吉直樹氏の話題になってしまうが、彼の小説では火花しか読んでいないけれど、「優しい地獄」ってでてこなかったっけ?と思い、文芸春秋の過去刊を本棚から探す。
火花の最初の方だった、コントのシーンで、確か。と思って、確認すると、「優しい地獄」じゃなくて「楽しい地獄」だった。
それは、地獄なのか。天国も地獄も表裏一体なの。
かわいい表紙の本を見つけるたび、帯を自分のあこがれの作家や人物が紹介しているのをみるたび、心躍る。
いつか、わたしも、いつか、もがく、もがき、もがく、足掻く。すべては、書くことのみで到達するのだ。だから、執筆環境がどうだろうといってられず、書く。
腰をいためないように、風邪を引かないように、家族の不和を起こさないように、給料をもらっている仕事で失敗しないようによく眠り、書く。書くしかない。時間のノウハウを、ネット記事で学ぶことはもうやったし、公募勢が世の中にたくさんいる頑張っている事をもう知っているから、情報で励まされたりするのをやめて、やる気出すために、作家になった人ストーリーを見過ぎて時間をゴミにするのをやめる。書く・読む、感じて、食らう、眠る。
もしも、本がでたら。どうしよう。
本屋にやたら行くようになったり、逆に変な自意識が働いて、近所圏内の書店には行かなくなったりするのかな。
自分の本が書店にならんだら、わたしは、その表紙をなでようと思う。
レジに持って行って、並ぼうと思う。
そのために、じゃなく、書くために、書くのだ。
わたしの本がでるなら。
わたしは表紙を、もうずいぶん会っていない、絵を描いている知人に頼みたいなと思っている。でも、それは叶うのだろうか。
さあ、一日がはじまる