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今日の一品:焼き網でお餅を焼いて、鏡開きの小豆ぜんざい(1/11)

昨年、初めて焼き網を買った。
持ち手つきで、ステンレスの焼き網の下にセラミック網を置ける小ぶりのタイプ。
ある時網でトーストを焼く動画がおすすめで回って来たのがきっかけだった。網でパンを焼く、という発想がなかったので思わず釘付けに。トーストに適したサイズとその焼け方があまりに美味しそうで居ても立っても居られず、早速調べて注文(製造元が京都の老舗というのもよかった)。届いたのは約半年後。その時には既に「網でトースト焼きたい熱」が冷めていたので試したのはしばらく後だったが、よかった。

焼き網は、良い。

トーストは余計な水分が飛んで表面さっくり、中はほっこりふっくら焼けて美味しいし(故に厚めが断然良い)、春巻きやコロッケ等の揚げ物を温め直す時にも香ばしくてカリっとする。何よりすぐ温まるので、オーブンやグリルを使うよりずっと早いのだ。

そんな訳で便利に使うようになり、年末がやって来た。毎年切り餅は必ず購入する。お正月は絶対!網で焼くんだ!と楽しみにして年始を迎え、張り切って焼いてみた。
・・・良い。
お餅を網で焼くのは楽しい。それに可愛い。

同時に焼いても焼け方は各々違う

グリルに入れっぱなしで焼くのに比べると、手間は格段にかかる。何よりその場を離れられない。特に複数個焼く場合は、注意深く位置を変えたり裏返したりしつつ、各々ちょうどよく焼けるよう調整し続けなければならない。

・・・が、可愛い。たまらなくかわいい。

各々の餅の厚みや大きさ、網上の配置次第で焼け方は違い、ゆっくりと膨れるのも、角の辺りからちょっとずつ焦げて行くのも、絵本に出て来るお餅みたいに真ん中が割れてぷうっと膨れるのもその様子はいずれも愛らしく、目が離せないし離してはいけない。焦げたり転がったりする恐れがあるからだ。特に小さめの切り餅の場合、膨れると自重に耐えかねて網から転がり落ちる事故も頻発するのでじゅうじゅう注意が必要。

でも、楽しい。その時間は網の上の餅のみに集中して無心になれる。それに美味しく焼ける。網で焼いた餅は、グリルで焼くより格段に香り良く食感も優れて美味しかった。遠赤外線効果もあるかも知れない。お餅ってこんなに美味しかったのね、そのポテンシャルをこれまで十分引き出せずにいてごめんと反省した。

そんな訳で、いつもお雑煮は張り切って作るがその後消費に手を焼く餅たちが、今年はどんどん焼かれ、美味しく食べられて行った。
そして迎えた鏡開き。再び焼き網の出番である。朝から張り切って小豆を煮、ぜんざいに備えた。

小豆は気が向くと炊くのでストックがあります

そして丸餅を網で焼く。乾いて固くなり始めていたのでやや時間がかかったが、可愛い。丸いので途中いびつに膨れたり、転げたりしていく様がダイナミックでなお可愛い。最高。
このぷうっと膨れた感じ、良くないですか???いかにもおめでたい感じで見ていて飽きない。

ああ可愛い、何度でも見ていられる

ああ楽しかった。あまりに餅を焼くのが楽しくて、肝心のぜんざい写真を撮り忘れてしまった。もちろん美味しかった。網焼きの香ばしさが加わることでいつもの年より本格的に。口直しは自家製漬物各種。「甘味処みたい」と夫も喜んでいた。

そして、網で焼く楽しさについて日々熱弁を奮っても「えー、めんどくさい」という反応だった夫が、飲んで遅くに帰宅したある夜、ふと気が向いて丸餅を焼いてみたらしい。翌朝台所にその形跡があり、起床後「焼いた?」と訊ねると「焼いた。すごかった」とやや興奮気味に返答があった。
「なんかいい匂いだし、音もいいし」
「音?」
「そう。『ぷすっ』とか言って膨れたりするでしょ、途中」
「・・・なるほど(マニアック・・・)」
「そういうのが可愛かった。生き物みたいで。それに早く焼けたし」
「早かった?」
「うん。思ってたよりずっと早かったから、見てて飽きなかった。はまるのもわかる」
「でしょ??」
的会話が繰り広げられ、「網は良い」で満場一致。

いやー良いです網。期待以上によかった。
日常にちょっとした癒しが加わるこの感じ、是非多くの方におすすめしたい。
ちなみに私が買ったのは京都「金網つじ」さんの「手付きセラミック付き焼き網(小)」。大事に使って長年愛用して行きたい。

ある日の私専用ランチ雑煮。発酵がやや進んだ白菜漬と豚肉、にら、えのきで酸白菜鍋風仕立て。こんがり焼いたお餅の香ばしさが加わり尚美味しい!

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