梅雨も明けたし土用干し〜しそ漬けした五郎梅と皮破れの多かった佐布里梅を干す(五郎梅その3、佐布里梅その2)
梅雨明け直前の先週前半、関東はじめじめとした天気が続き、洗濯物をなかなか外に干せなかった。困るのは洗濯だけではない。「梅の天日干しができない」ことにもじりじりしていた。
今年漬けた梅干しのいくつかに産膜酵母発生。見つける度に注意深く膜を除去し、ホワイトリカーで梅を洗って戻す手当をして来たが、気温上昇につれ速度も範囲も激化の一途を辿る。
これらは塩漬けからひと月以上経っているのですぐにでも干してしまいたい、なのに干せない、そんな「天日干し待ち」が2袋あった。
梅雨が明け、土用にも入ったこの土日でようやくめでたく天日干し。やった!
直近2日家を空けてしまったため、外に出す前に改めて膜を確認して取り除き、梅酢をくぐらせてから(ここでホワイトリカーを使うと匂いが残りそうなので)ざるの上のシートに並べて行く。
これらは愛知から取り寄せた佐布里梅と、杉田から来た五郎梅1キロ×2袋のうち片方。五郎のもう1袋は全く問題なかったが、こちらはしそ漬けして塩分濃度を上げてもなお産膜酵母が出続け手を焼いた。さすがはやんちゃ者五郎…
佐布里梅は皮破れも多発し、膜を除こうとすると傷が広がりそうで怖かった。桃の要素を持つ品種だからか、皮が薄くてデリケート。傷つけずに並べるのもひと苦労だった。
皮破れ等で梅酢もかなり握っているし、酵母菌も一掃したいので、天日干しの間にどちらの梅酢も加熱消毒(ホーロー鍋で60〜80℃程度まで加熱。酵母菌は60℃で失活と言われている)。濾過するとだいぶ綺麗になった。
当初は初日の夜は梅酢に戻そうと思っていたが、佐布里梅は乾きが非常に悪く、また梅酢に入れると再び皮破れが広がる危険性が高いため戻さず続行。
一方、五郎梅は乾きが早く、両面とも1日未満できれいに乾いたので2日で天日干し終了。
しそ漬けに使ったしそはもう1日、カラカラになるまで乾かしてからフードプロセッサーで粉砕して、初めてのゆかりに。
さすがに市販品ほどカラッとしてはいないが、ソフトな食感と味わいでなかなか美味しい。今年はいくつかしそ漬けしたので、ゆかりも楽しみのひとつ。
五郎梅は皮破れがなかったため、生梅から梅干しへの仕上がりは標準的な重量。干したてを味見したところ、酸味も塩気も程よく現時点からなかなか美味しい。もうひと袋は白干しなので、食べ比べるのが楽しみ。
佐布里梅は乾きが今ひとつだったのと、産膜酵母もひどかったので消毒の意味で、カラカラになることを覚悟の上でまる3日間干し上げた。
塩を吹いたような白いものが見えているが、これが本当に塩なのか、乾燥した産膜酵母じゃないのか疑惑(と思ってしまうくらいひどかった)は今ひとつ拭えない。故に今のところは梅酢戻しはせず、一旦この状態で常温保存して様子を見ることに。
干し上がり重量は生梅のなんと45%未満。これは昨年の完熟高田梅並の歩留まりといおうか、なんというか…。ううむ。
私の漬け方が下手だったというよりは、佐布里梅はデリケート過ぎて梅干しにはあまり向かない品種なのかも知れない。
或いは、極力圧力をかけない漬け方(ファスナー袋ではなく樽や容器で漬け、その場合も重石をしないなど)が要求されるのかも。そうでなければ、より青梅に近い固めの状態から漬け始めるか、低塩で漬けて塩漬け期間は冷蔵庫に入れるのが無難かな…。
あれ?こうして書いてみると、工夫の余地はまだ大分ある。もしまた佐布里梅を入手できる機会があれば検討。何せ希少品種、次はいつ出会えるかわからない。
9月に梅農家さん作の佐布里梅の梅干しが届く予定なので、そちらと比較して最適解を見出したいところだ。
今季は梅品種の「味の違い」というより、性質の違いについても考えさせられた。
この後も天日干し作業は続くので、引き続き各品種の性質を注視して来年以降の梅仕事に活かして行きたいと思う。