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今週の週末ワインごはん

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ワインその他のお酒に合わせてゆっくり楽しむ夫婦世帯週末ごはんの献立。我が家は平日別食で、夫婦で食べるのは週末のみ。その分ボリューム多めです。 各国料理、特にイタリア、ポルトガル、…
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【今週の週末ワインごはん】#49 皮ごとかぼちゃのニョッキ栗ソースといわしバター再び、ワインにぴったりディップ3種

先々週の週末ごはんは、久々にディップをいろいろ作りたくなった。 我が家はパン、特にバゲットやカンパーニュなどハード系のパンでワインを飲むのが好きで、以前ギリシャをはじめとした地中海諸国の料理にはまったのを機にパンによく合うディップを作るようになった。ギリシャにはディップ類を含む「メゼ」と呼ばれる前菜料理が豊富でどれも美味しく、パンでディップが食べたいな、と思うとギリシャ料理の資料を見返すことが多い。 それと、実家から届いたかぼちゃが美味しそうなのでこれまた久々にニョッキを作

【今週の週末ワインごはん】#48 ほうれん草のフィレンツェ風、秋鮭のフィッシュアンドチップス、さつまいもとりんごのアグロドルチェ

このところ妙にほうれん草をもりもり食べたい気分だった。十月とは思えないここ数週間の暑さから言えば、神奈川のほうれん草が美味しくなるのはまだもう少し先かも知れない。けれど二十四節気は既に霜降。あと十日もすれば立冬で、身体は季節というより暦の移り行きを感じているのかも知れない。秋冬の食べ物が恋しい。 そんな訳で、この日真っ先に決めたのはほうれん草が主役のこの料理。 ◆ほうれん草のフィレンツェ風 そういえば前回もイカとほうれん草のトマト煮をフィレンツェの味として取り上げたのだ

【今週の週末ワインごはん】#47 「イタリア人が好きな味」イカとほうれん草のトマト煮、グリンピースのイカ墨煮、いわし煮としその実入りポテサラ

最近スーパーで美味しそうなヤリイカやスルメイカをよく見掛ける。私は醤油で煮たり鍋に入れたりした時のイカの匂いが少々苦手で、イタリアやポルトガル風にオリーブオイルと合わせる方が好み。 今回は久しぶりにこれをつくった。 ◆イカとほうれん草のトマト煮 これは我が家にとってフィレンツェの思い出の味。15年ほど前に旅行で同地を訪れた際、夕食に入ったトラットリアで初めて食べた。 日本語対応可のスタッフがいると聞いて向かったところ、20代半ばほどの黒く短い巻毛に銀縁眼鏡をかけた男性ス

【今週の週末ワインごはん】#46 栗とジビエの赤ワイン煮込み、ロシア風きのことキャベツの手ごねパイ、ロシア風茄子サラダと野菜のボルシチ

前週に続いて栗の料理。今回はジビエと合わせてこっくりと煮込む。 昨年の栗の時期に煮込み料理をつくりたいと思い、レシピを探していたところ、こちらの動画に行き当たった。 何より「ゆっくり料理をしたい時に作って欲しい!」というテーマが良い。 ヨーロッパ料理には「時間でしか解決できない(美味しくできない)」という考え方が今も広く普及しているように感じる。時間をかけることを大切にする考え方は私も好きだ。どちらかというと苦手でストレスを感じる分野のことは効率的にぱっと済ませてしまいた

【今週の週末ワインごはん】#45 栗ときのこ・サルシッチャのラグーソースペンネ、小豆のリフライドビーンズ、鯖缶のにんじんしりしりとゴーヤの漬けサラダ

栗の季節。 スーパーや直売所で栗を見るようになると、ジビエ肉と煮込んだり、しっかりしたラグーソースに合わせたいなと思い、いつしかそういう秋の料理が食べたくなっている自分の体に気が付く。 秋ですね…。 ◆栗とサルシッチャ、しめじのラグーソースペンネ サルシッチャはだいたい冷凍庫に常備している便利食材。パスタソースの味のベースに使ったり、野菜と炒めたり、ちょっとした味のアクセントをつけたい時に便利。塩蔵の旨味や塩気が濃く、ハーブやスパイスの風味も豊かでちょっと使っただけでたち

【今週の週末ワインごはん】#44 初秋のあっさりイタリアン、へべす胡椒のカルパッチョと魚のワインソテー×さつまいもの甘麹和え、梅酢をたっぷり染み込ませた焼き長芋とゴーヤのサラダ

少し前から試してみたいイタリア料理があった。 魚の腹にローズマリーを詰めてにんにくとオイルでソテーし、刻みドライトマトと黒オリーブ、白ワインを加えて香りを移しつつソースにもする、調理法を聞いただけで白ワインが飲みたくなる魚料理。「魚のワインソテー」という何の変哲もない料理名のために長く見逃していた、手持ちの料理本に掲載されているひと品である。 メインがあっさりしているので、同じくあっさりな和の甘味と塩気を合わせたくなり、つくってみたのがこの週のごはん。ちょっと作り過ぎたのは

【今週の週末郷土ごはん】#43 鯖缶のでんぶを使った京丹波市の「ばら寿司」、京都の美味しい白味噌で里芋と大根の白味噌煮・地蛸ときゅうりの辛子酢味噌、簡単美味しい冬瓜の酢の物

少し前から朝晩は肌寒く感じられるほど俄に秋になった。夏が随分長かったので、服装選びやメイクの色調に戸惑う今日この頃。 秋にはこっくりとした白味噌の味が恋しくなる。思い切ってちょっと良い京都の白味噌を買ってみた。こういう買い物はわくわくして嬉しい。それに、和食はちょっと良い調味料を使うと驚くほどぐんと美味しくなる。 京都の白味噌も手に入れたことだし、少し前からつくりたかった京丹波市の郷土料理を合わせてみることに。この「ばら寿司」が本日のメインである。 ◆京丹波風のばら寿司

【今週の週末和ごはん】#42 酢を混ぜ込むと綺麗なピンクに!簡単で美味しい福井県の郷土料理「黒豆寿司」、青森の「ひもなす」を調理する

今週はなんだか黒豆が食べたくて、いつものように煮ようかとも思ったが、レシピを検索していて「黒豆寿司」というのを見つけた。 複数の地方の郷土料理となっているようだが、地方によって使われる具材の種類やつくり方が異なる。私がぱっと惹かれたのは中でも最もシンプルな、黒豆だけを具にして炊き込んだ福井県のもの。今回はこれをつくってみることに。 ◆黒豆寿司(福井県の郷土料理) 参考にした福井県レシピは、具は本当に黒豆だけのシンプルなもの。上の写真では高田梅のカリカリ梅を刻んで混ぜこみ、

【今週の週末ワインごはん】#41 あけびにはバルサミコ酢が好相性〜干しあけびと舞茸・ごぼうのバルサミコソテー、ラムハンバーグのムサカ、小豆のクミン風味煮など(今年のあけび記事まとめ)

なんだか最近はずっとあけび関連の記事ばかり書いている気がするけれど、今回でひと段落。1キロのあけびを無事使い切りました。 最後に2個残ったあけび。中の果肉はしっかりこそいでジャムの材料にし、果皮は少々しなびて来たので、思い切って干してみることに。 あけびの果皮には水分が多く、その弾力が魅力でもある一方、炒め物等にすると後から水気が出て味付けが薄まる場合が。これを防ぐため。保存目的ではないので、内側が乾いて(これが半端だと炒めるとどんどん水が出る)全体的に水分が飛んだらOK

【今週の週末郷土ごはん】#40 秋の食材、あけびを味わう(1)~あけびのずんだ和え・くるみ和え、あけびの舞茸味噌炒めとあけび漬け

9月の声を聞いて食べたくなったのが“あけび”。 あけびは食べられないと思っている方の方が、全国的には多いかも知れない。あけびを食すのは全国でもほぼ山形・秋田に限られるそうだ。それもそうかも知れない。私にとってあけびは買うものではなく、その辺の野山で生るのをもいで食べるものだった。子供らは熟れてぱっくりと開いた実のゼリー状の甘いところを上手に種を吐き出しながら食べ、大人は苦い皮の部分を調理し、干して保存食にもする。 私が懐かしいのは専らその遊びとしてで、苦い皮は好きではなかっ

【今週の週末ワインごはん】#39 残暑の疲れを癒す秋鮭の南蛮漬け、イタリア風茹で蛸じゃがサラダ、焼き茄子のミートソースグラタンとフラメンカエッグ

半月ほど前の週末ごはんなのだけれど、最近の気候にもぴったりなので上げておく。9月から10月前半くらいまでのやたらと日差しが強くて体力を奪う暑さの時期にこういう食べ物が美味しいですよね、という週末ごはん。 ◆イタリア風茹で蛸とじゃがいもサラダ この日最初につくろうと思っていたのがこれ。蛸とじゃがいもの組み合わせはいろんな国の料理で見るけれど、これは簡単で美味しく、蛸の旨味を活かしているのが好きで繰り返しつくっている。 たまたまあったゴーヤを加えているが本来は入らない(入れて

【今週の週末ワインごはん】#38料理名は「茄子」!スウェーデン料理オバジン(aubergine)、れんこんステーキバルサミコ醤油、青唐辛子のチーズトースト、ミネストローネ

何年か前からとても気になり、しかし詳細が不明な或る北欧料理があった。 それは「オバジン」という名で、スライスして揚げた茄子にアンチョビをちぎってのせ、チーズをかけて焼いたものを熱々のうちにごはんにのせる、というラフな作り方以上の情報がほぼない。どうやらスウェーデン料理らしく、スウェーデンにはかの有名な「ヤンソンさんの誘惑」等アンチョビを使った料理がいろいろある。おそらくそのひとつだろう。 北欧料理にはまってレシピをいろいろ調べていた頃偶然目に留まり、材料とつくり方から美味し

【今週の週末郷土ごはん】#37 東北の郷土料理を日本ワインで〜ぬた(ずんだ)の三色和え、いなり煮、味噌かんぷら、焼きねぎ南蛮醤油に小坂ワイン

先週は台風に振り回された一週間だった。 元々木・金と西日本へ行く予定で、帰りの新幹線が危なそうだと判断した週の初めに旅程はキャンセルしたものの、目的の観劇チケットを不意にするのが心苦しく、現地近くの方にお譲りできないか検討したりでほとほと疲れ、私としては非常に稀な「何が食べたいかわからない」状態に陥ってしまった。一大事である。 故に、今回は当日食べたいものをその日ある材料で揃えた週末ごはん。なんだか郷土料理づくしになった。 ◆ピーマンと鰆の天ぷら この日最も「食べたい!

【今週の週末ワインごはん】#36 白うりのトマト煮、ピーマンパスタ、鶏手羽元のトマトオリーブ煮、いちじくのおつまみサラダ、コーンオムレツ

うり系の野菜が好きで、夏にはきゅうりはもちろん、白瓜やへちまもどんどん食べる。特にちょっと育ち過ぎたような太いきゅうりを加熱して食べるのが好きだ。 今年はきゅうりが高く、白瓜も例年ほど直売所で見ないので、昨夏は主食のように食べていたうりのトマト煮はこの夏初めてつくった。 ◆白瓜(またはきゅうり)のトマト煮 白瓜でもきゅうりでも同じようにつくれて、同じように美味しい。冷蔵庫で冷やしても良いけれど、常温ぐらいが美味しいと思う。 きゅうりまたは白瓜の皮をむき、大きめの乱切り