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教育旅行の食事提供 食事は体験
【教育旅行と体験】
教育旅行には体験を入れるというのが近年のルールだ。近隣で行われているものは地引網体験、化石採取、錫の鋳造体験などがある。
先日、教育旅行のプランのコンテストに関わった。旅行業者の社員が作ったプランを評価する係だったのだが、プランを見て感じた違和感がある。安富屋では教育旅行の受け入れも行っているので当然今までも昼食予約の際行程表なども流れてくるのだが、ほとんどの行程表に、(昼食)とある。(昼食)・・・嫌だなぁ。
学生メニューというと、以前より洋風ランチや幕の内、カレーなどが多く使われてきたが、学生だからハンバーグとエビフライと・・・と言ったメニューは安直だ。旅行の行程でハンバーグは4回出てきたとか、エビフライが3回出てきたとか、そういったことをよく聞く。
近年、安富屋では名物料理や地産地消を加えたメニューを推している。瓦そばを一人前にアレンジしたものやふぐの釜飯、ごぼう麺がメインだ。付け合わせは学生向けにアレンジしていて好評だ。由来や食材の説明も行い、食に興味を持ってもらって実際に舌で確かめてもらう。立派な体験であり、(昼食)として流されているのは引っかかるし、興味がないものを作らされたりする体験プログラムよりよほど興味を惹く体験だと思う。
修学旅行生の反応だが、食事会場に着いた時、
「やば!火がついてる、うまそう」
「やばい!箱じゃない!!」
というような反応をいただいている。反応を目の当たりにした先生にも好評で、次年度も同じメニューで要望が多くある。
《ちなみに「箱じゃない!」という反応はこの問題をシンプルに表している。幕内のような形式ではないことを表している。用意する側は、片付けやすいし、弁当という形式は冷めていても問題ないために都合がいいが、やはり食べる側は素直だ。》
昼食は、(昼食)ではなく、『食』という体験を兼ねていることを旅行業社や学校に認識していただきたい。地域を舌で体験することで、修学旅行の思い出に残してほしいし、そうあれるよう努力していきたい。
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