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りんごを継続して食べるべきか迷ってるので検討している件         サブテーマ             りんごやカカオがGLP-1放出を促進させる件その2

りんごの健康効果を調べてると、沼のようで深みにハマって行く。
りんごが体に良いと言われるのもガチと認識しました。
その理由も少しずつ分かってきてます。

もうりんご信者かも?

りんごが含有する成分、プロシアニジンに研究者もハマり、また研究もなかなか前に進まない理由もなんとなく分かってきました。

さてGLP-1は主に小腸の細胞が産生放出後、多彩な標的器官で様々な働きをするホルモンで、その働きの1つに膵臓の細胞にインスリン産生を促進させるように働きかけるそうで、
そのGLP-1の働きをパクった多くのGLP-1受容体作動薬が、糖尿病対策で最近市販されているようです。
多芸なホルモンなので、更に肥満対策や心臓など多くの器官の疾患に対しても使おうと、製薬会社が色めき立っているとかいないとか?

ネット検索によるとGLP-1は基本的にグルコースに反応して産生され、次に脂質などにも反応して産生されるみたい。

プロシアニジンがGLP-1放出を促進する文献

調べてると、前回登場した神戸大学の山下陽子さんがプロシアニジンがGLP-1放出を促進する研究を行ってました。
その研究がコチラ↓
「難吸収性ポリフェノールにおける時間栄養学的観点からの腸脳相関作用の解明」

細胞レベルでプロシアニジンはGLP-1産生を促進

その文献を読んで、以下のように自分なりに解釈しました。
研究成果報告書(の図1)では、小腸の細胞に、グルコースやプロシアニジン1~3量体(Low-DP) 、プロシアニジン4量体以上(High-DP)を与え、GLP-1産生量を調べています。
その結果、ベースに対して、グルコースは2倍程度促進した。
それに対して、プロシアニジン1~3量体(Low-DP)は4倍近く産生し、プロシアニジン4量体以上(High-DP)は2倍程度産生した。
これより、プロシアニジンはGLP-1産生量をグルコース以上に産生を促進させることが分かりました。特にLow-DP。
りんごは Low-DPを多く含むので、GLP-1産生が期待できます。

グルコースの濃度は小腸レベルなのか?

与えたグルコースの濃度は100mM、1L中に100mモルとのこと。
ちなみに人間の血液中は1g/Lらしいです。
これはモルに換算すると5.5mM。
与えたグルコースはかなり濃厚です。
しかしソフトドリンクを経口摂取したり、ごはんなど糖質を摂取すると小腸の細胞近傍では相当なグルコース濃度でしょうから、実験で与えたグルコース濃度は、実際の小腸細胞が感じてる濃度に近いのかな?と思っています。実際の小腸でのグルコース濃度を知ってる方はご一報を。

プロシアニジン濃度はりんごレベルなのか?

与えたプロシアニジン濃度は1mg/1mlなので、1g/Lになります。
りんご200gでざっくり200mgのプロシアニジン量を含むと思われます。
りんごはほぼ水分と考えると、与えたプロシアニジン濃度1mg/1mlはほぼりんごが含むプロシアニジン濃度に近いようです。

素晴らしい濃度を選定されてます。
この試験で細胞に投与した試料の濃度は、実際の体内での値と整合性がある心証です。

ヒトの経口摂取試験に文句アリ

話はそれますが、私が今まで見てきたヒトでの経口摂取試験を扱った多くの文献では、研究者が設定した投与があまりに濃度や摂取量が少なすぎて良い結果が出てない文献がほとんどです。
多くが外科医でしょう。あの人たちは切るしかできないのか?そんなことは無いだろ、優秀な大学出てるから。もっと考えろよ。
「研究者のセンスが無い。」
「そんなセンスじゃ、研究止めろ!」
「ヒト基準で、実験動物と細胞レベルとをちゃんと相関取って試験計画考えろよ!」
と言いたいですわ。

プロシアニジンはGLP-1産生を促進

話を元に戻して、この試験結果によると、細胞レベルでプロシアニジンを与えるとグルコース以上のGLP-1を産生促進することは確かなようです。

小腸でも似たような環境が再現されていると思われるので、同じ程度のGLP-1を産生促進することが推測されます。

ただし、マウスの細胞なんで、ヒトの細胞との差異がどうか?ということですね。
ヒトの小腸の細胞でやって欲しかった。


マウスでの経口摂取試験

また図2では、マウスにLow-DPとHigh-DPを強制的に経口摂取させ、血中のGLP-1濃度とインスリン濃度を測定しています。この結果は、 GLP-1濃度とインスリン濃度は相関があることを示しています。
これは従来の知見を追認した形か。

実験動物でプロシアニジンはGLP-1を産生させインスリン増加させる

そしてLow-DPは経口摂取から30分後に血中のGLP-1濃度とインスリン濃度は最大値を取り、その後減少し1時間後に再度上がっています。
High-DPは経口摂取から30分後でもベースと同じ値で、1時間後に血中のGLP-1濃度とインスリン濃度が高くなっています。
マウスでもプロシアニジンを経口摂取させると、GLP-1の産生が促進され、それにつれてインスリンも増加する。

マウスと細胞での試験で、ともに傾向は一致しており、 Low-DPの方がHigh-DPよりGLP-1濃度を上げる効果は高いと言えます。

結局、マウス小腸のGLP-1産生細胞は1~3量体のプロシアニジンの方が好きということでしょう。
ヒトでも同様か?
しかし、強制的に経口摂取させたってあるが、どれだけ摂取させたのかはここには記載がない。

ヒトがりんごやカカオを食べても、Low-DPが活躍してるのでしょうが、実際にどれだけ上がるかですね~

長期経口摂取で食欲減退

マウスにプロシアニジン高含有物を6週間摂取させた時のGLP-1産生量と食欲を調べています。

その結果、6週間後にはGLP-1産生量が増加し、またその効果として食欲が減退していることを示唆する神経ペプチドPomcとCartが視床下部で検出されたそうです。

GLP-1は食欲を減退させると言われてますので、それを明らかにしたということでしょう。

1%濃度のエサを与えたとあるので、りんごの10倍くらいの濃度のよう。
ヒトでこの効果、りんごで食欲減退効果を得るには、相当りんご食べないと難しいので、現実的では無いが、GLP-1が脳で食欲を減退させるってことです。

GLP-1産生に関して摂取タイミングが存在

またGLP-1産生に関してプロシアニジンを摂取するタイミングも調査されています。
マウスで、活動低下する時(休眠期開始時)にプロシアニジンを摂取させると、消化管からGLP-1が産生されたそうです。
活動時に与えても、 GLP-1が産生されなかったそうです。
これらより、ヒトでも休眠期開始時、すなわち寝る間際メシ食っても、プロシアニジンを摂取したらGLP-1が産生促進され、あまり太らないかも?と山下陽子さんは言っています。

そこ、自分でやってみてと突っ込みたいんですけど。
もうやってるのかな?
たぶん。

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