ご飯が硬いと言い始めたら…。軟飯の炊き方
お年寄りの食事を考える時に、ご飯の硬さはとても重要です。特にご家庭で介護されている場合は、家族それぞれの好みや体調に合わせて何種類もの硬さのご飯を炊き分ける事などできません。お粥でしたら別で作れますが、まだ噛む力も飲み込む力も充分あるのに毎日お粥では体力も落ちてしまいます。
結局お年寄り向けに軟らかいご飯「軟飯(なんはん)」を用意する事になるのですが、これをご家庭で用意するのは中々面倒です。
軟飯を用意する方法はいくつかありますが、一番簡単なのは、お年寄りの食べやすい硬さに合わせて家族全員分を炊いてしまうことです。
これで他の家族から不満が出なければそれが一番簡単で良いのですが、中々そういうわけにもいかないのが現実です。
そんなわけで最も一般的に行われているのが、普通に炊いたご飯を一人分だけお茶碗によそって、そこに水を大さじ1〜3程加えてラップをしレンジで加熱して蒸らす方法です。
施設などでも場合によってはこの方法で軟飯が作られています。
とても簡単ですし手軽に出来ますが、やはり最初から水加減して炊いたご飯に比べると美味しくないのも事実です。
そこで私が一般のご家庭向けにおすすめするのは、「まとめ炊きして冷凍」です。何日分かの軟飯をまとめて1度に炊いてしまって、残った分は一食分ずつ小分けにして冷凍しておけばいつでも美味しい軟飯を提供できます。
ところでご飯を炊くときの水加減ですが、多くは炊飯器のメモリに従って炊いていると思いますが、メモリに頼らない水加減の方法をご存知でしょうか。
通常のお米と無洗米とで少し違うのですが、通常のお米の場合は洗う前のお米の重さの1.3倍量の水で炊きます。例えば、お米が100gでしたら水は130ccです。お米は洗った後、充分に水切りして使います。無洗米だとまず1.5倍で試してみて下さい。
お米は古米か新米かでも水加減変わってきますし、銘柄や保存状態でも変わってきますから1度上記の割合で試してみてその時の加減を自分なりにして下さい。
その上で軟飯を炊くときもこの水加減を知っていれば水をどの程度増やせば良いか見当を付けて炊くことが出来ます。
具体的に説明しましょう。お茶碗一杯分のご飯というのはだいたい150g〜160gです。
勿論使うお茶碗によって変わりますが、病院や施設ではこの数字で計算します。
この量のご飯を炊くのに生米が約60g必要です。3度の食事でお茶碗一杯分のご飯を食べるとしたら一日に生米180gが必要になる計算です。ちなみにお米一合の重さは150g〜160gが標準ですから一合で一日分と考えると微妙に少なくなります。
こうした時にお米の重さに対して1.3倍の水が標準と覚えておけば臨機応変にご飯を炊くことが出来ます。
勿論、軟飯を炊く場合は1.3倍ではなく2.5倍あたりが標準になりますので、1度その比率で試してみて食べる人に合わせて調整するのが良いと思います。
最後に、炊飯器の容量に対して少ない量のお米を炊くときは水加減は多め、容量一杯に近い量を炊くときは水加減少なめと覚えておきましょう。
例えば5合炊きの炊飯器で1合のお米を炊くのなら水加減は1.3倍よりも気持ち多め。4合炊くのなら気持ち少なめといった具合です。
もちろん普通の硬さのご飯を炊くのでしたら炊飯器のメモリで問題ありませんが、軟飯を炊く場合の知識として知っておくと役立ちます。
(元記事は食べごろclub)