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閑話休題「卵とうつ病」

モノの値段というのは需要と供給のバランスで決まると言われますし実際そうなのでしょうが、一度ドカンと値上がりすると、その後は少し下がっても元通りの値段にはなかなかならない物です。

スーパーで売っている卵の値段もそうですね。私の住む大阪ではかつては10個入りのパックが安いものなら200円を切る値段で売られているのが普通でしたが、一頃の卵不足でドカンと値上がりして以降、今では概ね250〜300円ほどの値段で売られています。

バターもそうですね。今では信じられませんが、200gの一般的なサイズのものが特売品なら100円ほどで買えました。それが今では450円くらいはします。

これも卵と同じく牛乳不足でバターが値上がりした事があって、それ以降値段が高止まりしたままです。

それで農家さんが儲かっているなら仕方ないと思えるのですが、どうもそうはなっていない様なので闇の深い話しだなと思います。

前置きが長くなりましたが、今日は卵の話しです。

ご存知の方も多いと思いますが、卵は栄養的に大変に優れた食品で、ほぼ完全食品と言ってもいいバランスの良いタンパク源です。(ビタミンCと食物繊維だけが含まれていません)

かつてはコレステロールの問題で、一日に2個以上食べてはいけませんなどと言っていた時代もありましたが、今ではそれは間違いだったとされています。

そんな卵ですが、たまたま目にした新聞記事にこんなタイトルを見つけました。

「卵の摂取量少ないと抑うつに」

興味をそそられたので読んでみたのですが、米沢栄養大学の調査によると卵を一日に1個以上食べる人と食べない人を比べたところ、男性では2.6倍、女性では2.7倍食べない人の方が「抑うつ状態」になりやすい事が分かったという記事でした。

記事では玉ネギや大根などの淡色野菜の摂取量が少ない人も同じく抑うつ状態になりやすいと書かれていました。

我々は緑黄色野菜と聞くとなんだかとても体に良い物の様に刷り込まれていますし、実際に良い物だとは思いますが、淡色野菜もおろそかにしてはいけないという事ですね。

ところで、私が現在関わっている有料老人ホームに卵を食べない方が1人いらっしゃいます。アレルギーがあるわけでは無く、ただ食べないという主義の方です。

仕方ないのでこの方だけ別の料理を個別に作って提供しているのですが、食べない理由が、「健康の為」だそうです。

それを聞いて「いや、健康の為に食べた方が良いですよ。」という言葉が喉の所まで出かかったのですが、このご老人は「卵は体に悪い」と心から信じていらっしゃいますから言っても無駄ですし「信じる者は救われる」の例えもありますので、この方にとっては卵を食べない事が元気の源なのかもしれません。

物価の優等生と言われて久しい卵もここに来て少し値上がりしてしまいましたが、精神的な作用という意外な部分でも効果がある食べ物なのだなと思いましたので記事にしてみました。

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中嶋洋二郎
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