文庫 新版・日本国紀
みなさん、太平洋戦争と大東亜戦争の違い、わかりますか?
私はこの本を読むまで知りませんでした。
なんとなく、「大東亜戦争」というと右翼の人達が物凄い剣幕でそう呼ぶべきだと主張してそうなイメージでした。
違うんです。
あの戦争で、ベトナム、タイ、ラオス、インドネシア、フィリピンを占領した際、日本が戦った相手がその国の国民ではなくて、植民地支配していたドイツ、オランダ、フランス、イギリス、アメリカだったって知っていましたか?
私は未発達の東アジア諸国を武力に物を言わせて植民地化したのだと認識していました。
違うんです。
もちろん負の面は非常に多くあります。フィリピンなんかでは特に、日本の無謀なアメリカとの戦いに一般市民を巻き込んでしまい、償いきれない物的人的損害を与えてしまいました。
これについて、天皇陛下が謝罪に訪問している事もあまり知られていないのではないでしょうか?
それ以外にも過ちは数え切れないほどあって、反省しなければならない事がたくさんあります。
その中で、南京大虐殺という事件の存在をこの本は否定しています。
私はあれ?と思うたびにネットで結論が出ている話であるのかを調べているのですが、これについてはまだ意見が分かれています。(個人的にはこの本に賛同してます)
ただし、この事件があったのがなかったのか、未だにはっきりさせられない、その原因ははっきりしました。
皆さん、GHQは知ってますよね?日本を占領し、裁き、監督した組織です。具体的に何をしたか知っていますか?
五大改革という、日本の近代化を進めたことになってますが、それ以外に、
有名な東京裁判での断罪。
不公平な判決ばかりだったというのは、なんとなく知っているんじゃないでしょうか?
私が衝撃だったのは、
「WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」という計画です。
これによる教育と監督。
証拠文献もあり、存在が争われているものではありません。
まず日本人が起こした大東亜戦争の呼称を禁止し、太平洋戦争と呼ばせました。
戦争の相手が植民地の支配者だった事を伏せる為です。
戦争を肯定する要素を消したかったのです。
「真実はか(こ)うだ」というラジオ放送を2年間流し続け、検閲による言論統制、マスコミの指導、このプログラムにとって不都合な戦前の書物の焚書、
それに加えて、
プログラムに賛同する教職者への大量入れ替え(日教組・日本教職員組合の立ち上げ)。
プログラムに賛同しない官僚達の大量解雇。
こういった洗脳に近い計画が実験的に行われました。
他国から、政策的にこんな事をされたのは日本だけではないでしょうか?
日本は急成長し過ぎました。チョンマゲにハカマ姿の日本人を見て、植民地にしてやろうと思った欧米にとって、図面だけで蒸気機関を再現し、瞬く間に軍艦を造り、開国40年で軍事力を揃えてロシアに勝ってしまった日本は不気味過ぎたのです。
日露戦争のあと、第一次世界大戦で欧米は疲弊しました。世界大戦に参加しなかった日本はどんどん力をつけていました。
そこで欧米は自国と植民地で経済を回すブロック経済で日本を孤立させ、力を削ごうとします。
植民地化される事を恐れた日本が計画したのが、東アジアで円通貨を中心にした自前のブロック経済の構築です。
急に難しい話になってしまいましたが、つまり、あの戦争は自衛の為の戦争だったのです。
もし、日本が白人種であったなら、そう認められていたはずです。
植民地化と侵略戦争は違います。それを一緒にして困るのは欧米です。
しかも日本の植民地政策には人種差別がありません。
しかし、GHQは
戦後の日本人にそれらを徹底的に否定させました。
侵略戦争をした罪深い民族なのだと、刷り込みました。
今の日本を見れば思い当たる事だらけではないでしょうか?
さらに運の悪いことに、戦時中にロシアで生まれた共産主義思想が、急激に広まっている最中でした。
戦争への反省を刷り込む日教組とマスコミは共産主義思想との相性バツグンでした。
日本の一致団結的な強さを破壊したかった米国の元々の思惑を離れ、左翼集団に変貌し、今では中韓に同調する組織に変貌しました。
占領が解かれ、主権を回復した後も、GHQが押し付けた憲法を一度も改正せず、当時の言論統制を守り続ける日本。
純朴な国民性は嫌いじゃないですが、その弊害がこれだけはっきりしていても、まだ盲目的にそれを守り続けるのでしょうか?
当時のマスコミや国民が「日本は強い!欧米に負けない!」と浮かれていた事実はあります。
この本が日本のことを美化して書いている事も否定しません。
しかし、不都合な歴史を隠している今の風潮と比べて、それがどれほどの問題だと言うのでしょうか?
そもそも、それは誰にとって不都合なのでしょうか?
この本を読む前、「この本の情報は偏っている」といった批判を目にしていました。
私も、必要以上にifの話で韓国を悪く言うコラムに眉をひそめた部分もありました。
この書き方は公正ではないのじゃないかな?調べてみよう。と思った部分もありました。
しかし、多くの日本人が、意図的に知らされていない情報がこんなにたくさんあるのに、この本を読まない方が良いと主張する人達は、
この本を読まずに言っているか、
この本の内容を伏せておきたいか、
そのどちらかではないでしょうか?
少しでも興味がある人は読んだほうが良いです。
読むのには時間がかかるかもしれません。
どんなに文章が上手い百田先生でも、中身は歴史の教科書です。情報の嵐です。
ただ、教科書と違って、単語の羅列ではありません。
縄文時代からずっと続く日本の歴史を追っていく本です。
その時代がどういう時代だったのか、他国はどうだったのか、その事件がどういう影響を与えたのか、百田先生の個人的な感想も交えながら、非常にわかりやすく書かれています。
時間がかかるのはいちいち納得しながら読むからかもしれません。
個人が書いた内容だからと忌諱して、これを知らないまま、この先の人生を過ごすのでしょうか?
百田先生の注釈付きだからといっても、真実は一つです。隠された情報を知らないまま過ごしてしまえば、隠している人達の思う壺です。
読んで、疑問に思うことは調べれば良いのです。
私は「日本国史・上」から読みました。
「上」は縄文時代から幕末までです。
「下」は明治維新以降。
「上」を読んで、軽々しく天皇制の変更や廃止を口にすることが、どれだけ無知な行為なのかということを痛感しました。
江戸時代に高まった高度な数学知識があったから、あんなに近代の急速発展があったのか等、歴史を知れば知るほど、今の日本に納得する事ばかりでした。
両方読んでほしいですが、下だけでも良いです。多くの人が興味を持つのは近代史ではないでしょうか?隠された事実が多いのは、誰もが知らずとも感じている事だと思います。
「永遠の0」と日本保守党の報道をきっかけに、私はこの本を知り、読むことになりました。
非常に幸運でした。
私には二人の子供がいます。
まだ小学生ですが、もう少し大きくなったら、この本を読むまでは話せなかった、教えてあげたいことがたくさんできました。
あまりに感銘を受けすぎて、プッシュし過ぎている自覚はあります(笑)
それに長くなり過ぎました。
でも、興味を持ってもらえれば幸いです。