オジロー

大阪在住/愛犬家/愛煙家/マイペースに投稿/井坂幸太郎に心酔/映画はもっぱら自宅で鑑賞/読書にはJAZZでしょ/眼鏡男子から眼鏡おじさんに進化

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大阪在住/愛犬家/愛煙家/マイペースに投稿/井坂幸太郎に心酔/映画はもっぱら自宅で鑑賞/読書にはJAZZでしょ/眼鏡男子から眼鏡おじさんに進化

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  • 【連載小説】 贋作

    【あらすじ】 バイク便ライダーの“僕”はとある依頼を受けてしまったばっかりに、とんでもない事件に巻き込まれていく....... 並行して進行する“佐藤”のストーリーとの接点はいかに。 謎の組織“ゆかいな仲間たち”の暗躍にもこうご期待!!

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短編小説 “ただ生きる”

春雷の轟きが止み、ふと空を見上げると朧月が夜空を柔らかく照らしている。 仕事を終え自宅に到着すると、いつも通り玄関で鏡に映る自分に向かって 「ただいま」と声をかけるが 「お帰り」は聞こえてこない。 リビングには脱ぎっぱなしの靴下が丸まって何個も転がっている。 TVをつけると名も知らない若手芸人たちが昔流行った女性歌手の曲を素人レベルのモノマネしながらお互いをけなしあって楽しんでいる。 コンビニで買った唐揚げをあてに缶ビールを2本空けてソファーに横になった。 芸人たちの放つ金

    • 【連載小説】贋作②

      〈僕〉 山崎ちゃんから指示された場所は都心から40分ほどの距離で、町工場が並ぶ一帯の古びた民家だった。 現地に到着しヘルメットを外してインターホンを押そうとした瞬間、4~5歳くらいの女の子が偶然中から出てきた。 無邪気な笑顔で 「おじさん だーれーーーっ?なんのよおーーー?」 と訊ねてきたので 「おじさんじゃなくてお兄さんね。 お兄さんはお仕事で来たんだけどお父さんかお母さんいるかな?」 「ななにぱぱもままもいないよ」 「ん? お父さんもお母さんも出かけてるんだ

      • 【連載小説】贋作①

        『本物がないのに、偽物があるはずないではないか。』加藤唐九郎 〈僕〉 🎶きみぃ〜のためぇ〜にぃ〜夢ぇ〜とぉ〜希望をぉ〜運ぶぅ〜ABCうぅんそぉ〜🎶 社宅の駐輪場で社歌を口ずさみながら相棒のHONDA CB400スーパーフォアの日常点検をして勤務開始するのが毎朝のルーティーンだ。 上京してもう6年経つ。 実家の定食屋を継ぎたくなくて、高校卒業を機に田舎を飛び出した。 特にやりたい事もなかったが、とりあえず東京にいけば何か見つかるだろうと思ってノリで上京してみた。 親

        • ギフト

          ギフト(gift) 贈り物,プレゼント,賜物,恩恵, 天賦の才能 5歳上の兄は先天性の聴覚障がい者として生を受けた。 母が兄の妊娠中に姉から感染した風疹が原因だった。 当時、姉は自分が原因で生まれてくる弟に障害が見つかったことで自己嫌悪に陥り毎日涙を流していたそうだ。 それまで両親は共に高校教諭を務めており、母は天職と信じ教職を全うしていたが、兄の出産を機に退職した。 兄は重度聴覚障害のレベルで、補聴器をつけてようやく微かに音が聞こえる程度の聴覚しかなく“ろう”として生きて

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          “言葉”のナイフ

          言葉は人類が発明したモノの中で最も優れた利器と言える。 ホモサピエンスが約20万年前に誕生し、言語は約15万年前に起源を持つと言われている。 *言語学的証拠は文字が始まった約6千年前とされている。 人間の進化(文明の発達)と共に言葉も進化し続けている。 広辞苑にも毎年新語が更新されている。 人間は言葉を用い他者にアプローチし自己をPRすることで己への信頼を他者に植え付け人間関係を形成してきた。 言葉は非常に便利なツールではあるが、注意するべき点も多くある。 特に日本語でのコミ

          “言葉”のナイフ