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映画『箱男』をみてきたよ

映画『箱男』をみてきました。
原作は私の文学アイドルである安部公房先生! なのですが、50年前の作品。そして当時から前衛作家といわれている安部氏である。

当然のごとくストーリーは意味が不明だった。
ダンボールを頭からすっぽりと被り、街中に存在し、世界を覗き見る『箱男』の話っ。

しかし、私はそれ前提で来ているのでまったく動じない。
ふむふむ
「箱男の永瀬正敏が、くさり鎌を振りまわす敵と格闘する」?
「浅野忠信がほんとうの箱男になろうとする」??
それがどうした! どんと来いってんだ・・・。

映画館入り口に置かれた箱。この中に人がいたら腰抜かすわ

一部アクション映画と化している部分があるのですが、確実に段ボールを脱いで闘った方がよいシーンがありました。ここはシュール過ぎで笑った。
安部氏特有のユーモアですね。好き✨。
結局、不条理の海に揺られて2時間を楽しく過ごしました。
よって、映画にストーリーの整合性・意味を求める人には不向きです。(大多数の人はそうだろうけど)。

おそらく安部先生は答えを書いてません。カフカも『変身』の芋虫について正体を書いていないように。

先生も生前のインタビューで言っているのです。
「人生が赤くて中がちょっと緑というのなら、小説にそう書く。それで終わり。ただ人生なんてそういった単純なものではない。だから作家は実態を書いて、読者はそれを体験するんだ」と。

なので「訳が分からないけど、こーゆーことなのか?」とか思考を漂わせたい人向き。
実際に観おえた後、友人との話は盛りあがりました。そして、意見はまるで一致せず笑。

自分の意見も、映画を観おえた前後で下記のとおり変わっており。
原作を読んだ時⇒ 箱男とは、ネットかなんかで匿名で人を観察したり、攻撃する人を描いたものではないか?
映画をみた後⇒ 箱のなかから世界をみてノートを書いているから、これは作家ではないか。だから安部公房の自伝ではないか。
ましては他の人とは感想があいませんよね。

帰宅してしばらくこの映画について、ぼけーっと考えました。けっこうそういうの好きなの、私。

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