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43歳一独身公務員の旅行記(タイ編)④「バンコクの夜を駆ける」
↑前回の記事です!
2024年8月8日PM19:00
ワット・ポー、ワット・アルンを見学し、その後街をブラついた僕とKは、電車で一旦ホテルへと戻った。
シャワーを浴び、午後7時に僕とKは再びホテルのロビーで待ち合わせた。
「オギヤマさん、メシ、どこかいきたいとことかある?」
「そうだな・・ナイトマーケットとか行きたいな」
僕はタイ旅行の1日前、三ノ宮のジュンク堂で購入した「るるぶ タイ編」を、飛行機の中で鋭くチェックしていたのだ。るるぶには、タイのナイトマーケットはスリリングだ、クールだ、ベリーコンフォタブルだ・・確かそんな風に記されていた。
「じゃあ、そーっすね。ワン・ラチャダーにいこうか。バンコクでは有名なナイトマーケットっス」
「で、オギヤマさん、頼むから、Grabのアプリをとってくれん?電車でいくのはダルい。タイではGrabでバイクを呼んで移動するのが便利だと思うし、夜風に吹かれるバイクはなんとも気持ちいーっすよ」
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で、その2分後、まずKの呼んだバイクがきた!ほんとにきた!
「じゃ!オギヤマサン、先に行ってるっスわ!」
「え、ちょ、ちょっと待ってよ!」と言おうとした時には、Kはバイクにまたがっていた。そんで瞬く間に雑踏に消えて行った。
言いようのない不安を覚えたが、すぐに僕が呼んだバイクも迎えに来てくれた!!元来根が至ってセンチメントにできている僕はスピード恐怖症なのだ。バイクを無視しようかと本気で思ったが、運転者が「ハロー!ユー?」みたいに声をかけてくれたので、「もうええわ!いかな!」バイクに飛び乗った!
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バイクは凄いスピードで駆けていく!日頃バイクに乗ることなどない僕は、振り落とされないよう、運転手の肩をしっかり抱いていた。車と車の僅かな間を、バイクはスルスル抜けて行くので、何回も当たる!と僕は緊張した!
しかしー、バイクは心地良かった。バンコクの猥雑な雰囲気、整備されていない道路、ひしめきあう車とバイク、ビカビカ光るネオン。非日常の世界を、バイクで駆け抜けて行くことは、何とも言えない解放感があった。あのバイクに乗っている時間、僕は身動きひとつできなかった。(振り落とされたくないから)にも関わらず、不自由だったにも関わらず、僕は誰より自由だった気がしたから不思議だ!
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すぐにKと合流できた!
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「ココナッツスムージーは80バーツだから、340円くらいか・・」と言うと、
「あのさあ、オギヤマサン、その物を買うたび日本円換算するのええ加減やめてや。なんかもうそんなに金が気になるなら買うなや!ていいたくなる!」とおこられてしまった。「す、すまない・・・」
僕らはその後、何やら小さなコンサートが催されているレストランで食事をとった。
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メニュー表を指差し、これを頼め!店の看板メニューだ!
と強く勧められた。頼んだら、この鍋がでてきた。
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酸っぱく、そしてかなり辛い鍋であった。美味しかったが、食べていると身体が熱くなり、汗が止まらなくなった。
ワンラチャダーは、意外に人はまばらにいる程度だった。まるで深夜の遊園地に潜り込んだかのようで、夢を見ているような浮遊感があった。暑かったが、テラス席で時折吹く風が心地良かった。そして、僕の目の前にはKがいるのだった。
こうしてタイ旅行2日目の夜が更けていった・・・。
つづく
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