43歳一独身公務員の旅行記(ニューヨーク編)⑨「さよなら、ニューヨーク」
2018年12月30日PM17:35
メトロポリタン美術館を出た。
マンハッタンから空港に出発する時間はPM21:00を予定している。急がなくては・・
実はPM19:00から、現地のHISで予約していたエンパイア・ステーキハウスで最後の晩餐をする予定を入れていた。それまでの時間、クリスマスの雰囲気が残るマンハッタンを散策することにした。
食事を予約しているPM19:00まで、脇目もふらずマンハッタンの街を駆け回った!1分1秒が惜しかった!だけど無情にも刻一刻と時間は過ぎ去っていく・・・。気付けば時間はアッという間にPM18:45くらいになっていた。僕はステーキハウスに向かった!
地図アプリを使った記憶はない。紙の地図を見ながらステーキハウスに向かった記憶がある。
ニューヨークではマクドナルドのハンバーガー、屋台のホットドッグ、スーパーのポテトチップといった食事ばかりしていたので、あまりに豪華なレストランの外観に怖気付いてしまった・・・。しかし店に入ってみると、白人の若いイケメンウェイターがスマイルで僕を快く迎え入れてくれた。
そういえば、今日は朝からマンハッタンランニング、自由の女神像、メトロポリタン美術館と予定をギッシリいれて、屋台のホットドッグ以外は食べておらず腹ペコだった。イケメンウェイターのスマイルに安心した僕は、豪華なコース料理に夢中で貪りついた!一瞬でサラダを食べ、肉厚のステーキにかぶりつき、パンもお代わりした!シャンパンも飲んだ!ケーキも食べた!コーヒーも飲んだ!65ドル(当時のレートで7800円くらい)だった!久々に腹は膨れ上がり、大満足だった。フーッと息をついた。幸せな気分だった・・・。ご馳走様でした!
シャンパンのせいか、頭がボーッとしていた。トイレにいき、店を出て、時間を見ると・・・
PM20:23だった!!
「ええっ⁈」
ステーキハウスに1時間23分もいてたのか?!
PM21:00にはマンハッタンをでなきゃならないのに⁈ヤバい!!これは早く駅に向かわなくては!!
「ペン・ステーション」という駅から電車に乗れば、約1時間で空港に着く。大丈夫、ペン・ステーションはステーキハウスからそんなに離れていない。30分あれば着くはずだ。大丈夫、落ち着けよ・・・。
しかし、僕はこの時点で完全に気が動転していた。この時、写真の取り過ぎでスマホの電池が20パーを切っていてできるだけ使いたくなかった。だから位置もすぐに把握できなかった。しかも悪いことにシャンパン一杯でベロンベロンに酔っ払ってしまい、頭も回らない!!
「いかなきゃ!ともかく駅にいかなきゃ!」
途中道に完全に迷った。
しかしニューヨークの街に迷いながら、焦りながら、走りながら、「ここはどこなんだ!?」と思いながらも胸は高鳴っていた。やっぱりニューヨークの街はキラキラと輝き、憧れたままの景色だった。
ある記憶が激しく蘇った!
ある記憶、約20年前、大学受験のため生まれて初めて大阪の田舎から東京に出てきた時のことだ。JR新橋で降りたち、大都会の光景に圧倒され、熱にうなされるように夜の新橋、そして銀座を歩き回った19歳の時のことを鮮烈に思い出した!!
その時。マンハッタンの街角で、茶色いパーカーをきて、黒い旅行用のトートバッグを持った20歳くらいの男を見かけた!!身長は177センチくらい、浅黒い肌、やけにギラギラとした目・・・。
「あっ・・・」
「僕じゃないか!!」
20年前の、夢中で東京を彷徨った僕だった・・・!間違いなかった!
確認したくて追いかけた!だけど僕は足早に曲がり角に消えていった・・・。
コーフンしていた僕は、幻を見たのだろうか?
しかしそれにしても、僕の目はギラついていた・・・。何をしでかすかわからない、そんな危なっかしいエネルギーに満ち溢れていた!
20年前の僕が今の僕を見たら、いったいどう思うのだろうか・・?
結局PM9:30、予定より30分遅れでペンステーションに着いた!なんか建物がホテルみたいで駅だと全く分からなかった・・・。
今からいよいよ空港に向かう。
さよなら、ニューヨーク!
つづく
宜しければスキしてくださいっ!