見出し画像

日々の振り返りに|『賢者の書』喜多川 泰

喜多川 泰 1970年愛媛県出身、東京学芸大学卒。
2005年に「賢者の書」にて作家活動を開始し、その後「君と会えたから‥‥‥」「手紙屋」など、ベストセラーを続々と発表する。



あらすじ

何の変哲もない会社員。
奥さんと子供がふたりいて家のローンが残っているから会社は絶対に辞められない。
惰性のままに働いていたら、いつの間にか中年になっていた・・・

そんな男の話です。

昔の男は、様々な重要な仕事をひとりで担っていました。ただ、最近は若手にどんどん仕事が奪われ、今では惨めな雑用をするだけになっています。

会社の居心地がとにかく悪く、本当は今すぐにでも辞めたくてしょうがありません。

そんな中、男はふと、幼少時代に行っていたある公園を思い出します。ひとりになりたいとき、考え事をしたいときにいつも行っていた公園です。

冷静に考える間もなく、衝動的にその公園に行くと、男は不思議な少年と出会うことになります。

少年は「あなたが最後の賢者ですか?」と聞いてきますが、一体どういうことなのか・・・

よく見ると、少年の手にはひとつの本がありました。

本のタイトルは『賢者の書』

その本には、少年がこれまで会ってきた8人の賢者との出会いと学びが書かれています。。

男はその本を読ませてもらえることになり、そしてその本を読み終えるときには別人のように明るく前を向いていました。

男が追体験した8つの学びとはいったい何なのか。
平凡な男を変えた大切な学びとは・・・

8人の賢者からの学び

私なりにあらすじを書いてみました。

著者のデビュー作になる本書は、平凡な男と不思議な少年、そして8人の賢者が登場する物語調の自己啓発本です。

自己啓発本と聞くと、正直苦手な方もいると思います。なんなら、私はものすごい抵抗感があって、読むのが億劫でした。。

ただ、その内容は、どんな挑戦をするにも欠かせないことで、今の自分を振り返るには最適な本だと感じました。

8人の賢者からの学びはこうです。

  1. 行動

  2. 可能性

  3. 自尊心と他尊心

  4. 目標

  5. 投資

  6. 幸福

  7. 言葉

どの学びも、使い古されたものです。

ただ、当たり前だけど成功には欠かせないことを振り返らせてくれるという点。そして、自分とは違う視点を与えてくれる点で、この本を紹介したいと思いました。

例えば「行動」

行動の結果として我々が手に入れるものは、成功でもなければ、失敗でもない。我々が手にするものは、一枚の絵を完成させるために必要不可欠な、パズルのひとピースにすぎない。
であるから、行動を起こすときに何かを期待したり、失敗することを恐れたりすることには、何の意味もない
大切なのは、必要なピースを集めるためにできるだけ多くの行動を起こすこと、そして、行動の結果返ってきたものをよく見て、どうやってこれを使うのかを考えることだ。
手にしたピースがたとえ期待していたものと違ったり、今の自分には耐えられそうにもないほど辛いものに思えたとしても、それは人生における失敗ではない。かけがえのないパズルのひとピースを手に入れるという、大事な経験だったのだ。
完成した絵を見れば、そのことに気が付くはずだ。どうしてもそれが必要だったということに。

世間一般的には、

成功者は必ず行動をしている!
行動をすればいつか報われる!
行動でしか現実は変えられない!

こんな感じのことを教えてくれます。

間違いではないですが、甘い私の場合は、この思いで行動をすると息苦しくなってしまいます。

それに対して、本書は、

  • 行動をしても期待した成果はでないかもしれない。

  • でも、行動をすれば理想を叶えるためのピースは必ず集まる。

  • ひとつひとつのピースに一喜一憂してはいけない。

  • 私たちがするべきことは、集まったピースを大切に保管し、どう使うのかを考え、行動を繰り返すことだけだ。

成功も失敗も気にしないで、ただ淡々と行動しろ。

そんなシンプルだけど、確かになと思わせてくれる教えが気に入っています。

この考え方の何が私にとっていいのか考えてみると、2ついいことがありました。

短期的ではなく、長期的な視点

行動をすれば嫌なこともたくさんでてきます。

私はそんな嫌なこと真正面から受け止めてしまう性格です。

今回、本書を読んで、

「嫌なことも理想のためのピースだ!」

と、目線を”嫌なこと”から”理想の将来”に向かわせてくれることに気が付きました。

不安症な私にぴったりな考え方かもしれません。

行動の結果生まれてくる感情の扱い方

普段の私は、不安症なのですぐにネガティブな感情に悩まされます。

でも、その感情を”悩み”に使うのではなく、将来のためのピースとして別の扱い方に変えてくれるのが、本書での学びです。

イメージとしては感情に『溺れる』のではなく、『扱う』。

そうすれば、毎回毎回足を止めることなく、行動を続けられるのではないか。

今までわからなかった感情との向き合い方に気付けたように思います。

自分なりの人生の歩き方

本書は、「一人でも多くの人に幸せになってもらいたい」という著者の気持ちが込められた一冊です。

その思いが強い分、人生や幸福という大きなテーマを扱います。苦手な人もいるかもしれません。

でも、教えてくれるのは至極当たり前な、絶対に欠けてはならないことばかりです。

  1. 行動

  2. 可能性

  3. 自尊心と他尊心

  4. 目標

  5. 投資

  6. 幸福

  7. 言葉

もし、どれか一つでもかけているものがあれば、自分自身を見直さなければならない。

そう気付かせてくれる本書は、やっぱり素晴らしい本なのかもなと思いました。

自己啓発が苦手な人、堅苦しい文章が苦手な人にもおすすめなので、興味がある方はぜひ読んでみてください。

他にも、様々な本の感想を書いています。
あと、のんびりとコーヒーショップもやっているので気が向いたら覗いていってください。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集