城崎にて・前編♨️
今年はたくさん本を読んだ1年でしたが、特に泉鏡花と志賀直哉にはまって、旅行も自ずとゆかりの場所へ。。。
奈良の旧居、我孫子の白樺文学館に続いて、「山手線の電車に跳飛ばされて怪我をした」その後養生に、1人で出かけた、という但馬の城崎温泉へ行ってきました。(『城崎にて』だけでなく、『暗夜行路』にも登場)
12月半ばの暖かい午後、大阪駅から特急こうのとりに乗り、城崎温泉へ。他線の遅れの影響で、本来2時間40分ほどのところ、3時間かかって到着。車窓から見えるかと思った玄武洞は、すっかり暗がりの中でした。城崎に着くと、ちょうど日没でした。
駅前からは各旅館に送ってくれる無料シャトルバスが出ていて、とても便利でした。案内の方もきびきびと明るく、とても親切。
温泉街の奥の方にある素泊まり旅館に宿泊。こちらの宿のおかみさんも親切で、色々と気を配っていただきました😊💗 ちゃんと湯めぐり用の手提げカゴも貸していただけて、嬉しい。
城崎といえば「外湯めぐり」。
7つの湯があり、1番人気は『御所の湯 』だそうで。。。「皆さん夕食を食べに宿に戻られるので、19時頃行くのがいいですよ」と教えてもらった通りに行くと、思った以上に空いていて、ゆったり寛ぐことができました。露天風呂の正面には滝とライトアップされた紅葉が。素晴らしい眺めでした。隣には神社があり、提灯の灯りに照らされて雰囲気がありました。
夜にはもう1つ、『まんだら湯 』にも浸かりました。
こちらは道智上人というお坊さんが開いた湯だそうで、敷地内には祠と、入口入ったところに像もありました。
内風呂はジェット水流が心地よく、外風呂は温度の違う浴槽が2つ並んだ陶器の桶風呂。タイミング良く独り占めだったので、熱いのとぬるいのを交互に浸かって、しっかりあったまりました🔥
お湯が熱めなのは、きっと湯めぐりしてる間、寒くないようになんだな〜と納得しつつ、旅館の浴衣・丹前・羽織の3点セットにヒートテックのタートルネックで完全防備でポカポカしながら、しばらく街歩きしました。
昭和のまま時が止まったような通りは、古き良き温泉街の風情があって、夜も多くのお店が開いているので、ついつい湯冷めがくるまで散策。。。(『城崎にて 』に登場する旅館・三木屋の前を何度も往復しました🐝) 立ち寄った酒屋さんも食堂も、懐かしい商店街の雰囲気。夜が更けて風が出て、冷え込んできました。慌てて宿へ戻りました。
部屋へ戻ると、行く人の下駄のカランコロンの響きを聞きながら、一杯🍶 ポカポカ温まって、すぐ布団に入ってぐっすり眠ったのでした😴🌙
📖 泉鏡花も『城崎を憶う』(大正15年)というエッセイで、こちらに滞在した思い出を書いています。大正14年の北但馬地震よりも前の様子を描いています。現在は昭和初期に復興を遂げた頃の街並みが、現在でも大切に保存されていて、私が宿泊した旅館も当時の建物をそのままに、綺麗にリノベーションされていました。