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#ネタバレ
西尾維新『掟上今日子の鑑札票』雑感
だって、本どころか、誰かの書いた読書感想文を読んで、自分が読破したつもりになることだって、人間にはできるのだ──本を持っていなくてもグッズを持っていれば、それで愛読者のつもりにだってなれる。僕達はいったい、読んでない本の名言を、どれだけ引用している? 未読であろうと知った風に語れる本こそが名作である、なんて見方もある。
前作『掟上今日子の設計図』以来、およそ1年ぶりのシリーズ第13弾。
『
西尾維新『新本格魔法少女りすか2』『3』『4』全話雑感
もしも全13話ではなく全50話の小説だったら、大人りすかのヴァリエーションをもっと増やしたでしょうね。未来は可変であり、少年少女はどんな大人にでもなれるというのが、少なくとも彼女が使う魔法の神髄であり、2003年の僕が書きたかった小説なのでしょうから。
(『ダ・ヴィンチ 2021年1月号』西尾維新ロングインタビュー)
雑誌『ファウスト』で連載が開始した2003年から、17年振りに(雑誌『メ
西尾維新『人類最強のヴェネチア』雑感
「なんだよ。俺の臑ならもうないぞ」
呆れたように旧警部がぼやいたが(帯も下駄も奪われれば、ぼやきたくもなるだろう)、しかし、臑はなくとも、そして救難ロープもウインチもなくとも、この土地には、いくらでもあって使い放題な自然の恵みがひとつある。島全体を取り囲んでいて、汲めども尽きぬ生命のスープ。
「もしかして⋯⋯、う──海?」
アクア・アルタを起こすぞ。それも、とびっきり酷い高潮を。
戯言シリ