消えゆく肉声
鉄道の自動化
ここ数年、鉄道車内放送の自動化が関西でもかなり増えていると感じています。
JRでは新快速の一部区間、阪急は特急をはじめ順次各線に、地下鉄は以前から自動放送でした。
地方のワンマン運転の鉄道や、バスなどでも案内放送は自動放送ですね。
私は生まれが兵庫県ですので、ポートライナーにも昔から乗る機会がありましたが、あれは世界初の完全自動無人運転のシステムで動いています。
乗り物に関しては、AIの発達もあり自動運転に向けての研究・開発がどんどん進んでいます。飛行機のオートパイロット、車の自動運転、新幹線や在来線の自動運転の試験が行われ、次世代も間近になってきました。
職業インタビュー
私が小学生の頃に、「職業インタビュー」というものがありました。
自分の将来なりたい職業について、実際に自分で電話してアポを取り、仕事についてをインタビューして模造紙にレポートを作成するという課題。
私はその頃、電車の車掌さんになりたかったので、阪急電鉄さんにお電話しました。すると、正雀駅の担当の方が快く承諾してくださいました。
この時は就活のOB訪問などカッチリとしたものではなく、純粋無垢な小学生からの質問コーナーです。よくお付き合いいただいたと思います。
遅ればせながら、改めてありがとうございました。
その時、今でも覚えている質問項目がありました。
「なぜ、車掌さんの声は皆さん同じような声と話し方なんですか?」
とお伺いしました。
すると、
「先輩社員に教えてもらって習得するので、癖などが似てるんだと思います」
とお答えくださいました。
その時は、「へーそうなんだー」と納得したのを覚えています。
マニュアルから自動化へ
時を経て、以前に最後尾車両に乗車した際、車掌さんが案内放送をする際に手帳のようなものを窓のところに立てかけているのを見つけました。
そこには、<〇○線 ××駅>という項目が書いており、主要駅を出発した後の放送や、コロナに関する注意喚起など、台本が用意されていたのです。
たしかに、いつ乗っても同じタイミングでそのことを言っているなと思ったことがありましたが、まさかマニュアル化されているとは思いませんでした。
現在では自動放送による案内放送が導入され、車掌さんは車内の見回りと扉操作など、一部の業務が簡略化された印象です。
JR西日本でも大阪環状線では自動放送の導入が進んでおり、東海道本線ではタブレットからの案内放送をマイクにあてて流すというアナログなのかやや微妙な手段で自動化がじわじわと進んでいます。
また、大阪メトロでは駅の接近放送に読み上げソフトを使っているかのような不自然なイントネーションで放送される路線もありました。
今までは自動放送のためのナレーターさんがいらっしゃったのですが、いよいよそこも打ち込みになるのかなと思います。
まだまだ肉声に勝るような言い方ではなく、イントネーションに違和感を覚えますが、こうして業務の自動化は進み、人員削減に向けた取り組みが増えていくのだろうと思いました。
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