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健康日本21「歯の健康」に関する目標と成果について

日本の直近20-30年間の健康政策に関してまとめ読みする機会がありましたので、うち印象深かったトピックをご紹介したいと思います。

厚生労働省の健康日本21では「新世紀の道標となる健康施策、すなわち、21世紀において日本に住む一人ひとりの健康を実現するための、新しい考え方による国民健康づくり運動である。これは、自らの健康観に基づく一人ひとりの取り組みを社会の様々な健康関連グループが支援し、健康を実現することを理念としている。この理念に基づいて、疾病による死亡、罹患、生活習慣上の危険因子などの健康に関わる具体的な目標を設定し、十分な情報提供を行い、自己選択に基づいた生活習慣の改善および健康づくりに必要な環境整備を進めることにより、一人ひとりが稔り豊かで満足できる人生を全うできるようにし、併せて持続可能な社会の実現を図るものである」と高らかに謳われています。

うち「早世を減らすことと高齢者の障害を防ぐ」ことを目的として「歯の喪失を減らす」が掲げられていました。皆さんも8020運動、と言う言葉を聞いたことがあるかと思いますが、この政策が掲げられたころの状況はどのようなものだったのでしょうか?

まず、8020運動については「高齢者においても歯の喪失が10歯以下であれば食生活に大きな支障を生じないとの研究に基づき、生涯にわたり自分の歯を20歯以上保つことにより健全な咀嚼能力を維持し、健やかで楽しい生活をすごそうという8020(ハチマル・ニイマル)運動」が提唱・推進されていました。ヒトには生まれつき32本の歯があり、(私もですが)うち親知らずの抜歯で4本前後は成人早期に失われることも多いため、平均して30本ほどの歯で食生活を営むことになります。従って、上記「生涯で歯の喪失を10本までに抑えて、20本はキープしましょう」との目標が掲げられたわけです。

翻って、当時の状況はどうだったのでしょうか?レポートでは「50歳以降では平均して2年に1本強の歯が喪失しており、60歳ですでに(平均)17.8歯と20歯を下回り、80歳以上の1人平均現在歯数は4.6歯」とされています。

「50歳代になると2年に1本、歯を失う」って、凄くないですか・・・?

「80歳以上だと自前の歯は平均5本以下」も、凄くないですか・・・?

当時の政策立案者の危機感が伝わってくるような事実ですが、「60歳時点で自前の歯24本以上を持つ人を50%以上」・「80歳時点で自前の歯20本以上を持つ人を20%以上」を掲げて、国民健康づくり運動を強力に推進したことで、なんと平成28年時点では、それぞれ「60歳時点で自前の歯24本以上を持つ人は74.4%」・「80歳時点で自前の歯20本以上を持つ人は51.2%」と大幅に上昇し、それぞれ目標値を軽くクリアしたのでした。日本人は真面目!と素直に喜ばしいニュースです。

以後、この健康日本21政策は平成24年に「第二次」へと受け継がれ、現在の厚生労働省「データヘルス・コラボヘルス」、経済産業省「健康経営」「健康投資」の大きな流れへと結びついていきます。

次回もまた、健康日本21政策や日本健康会議の話題を中心に振り返ってみたいと思います。

以上、「健康日本21「歯の健康」に関する目標と成果について」いかがだったでしょうか?弊社では健康経営分野にご興味のある方とぜひ一緒に勉強していきたく、各種のオンラインセミナーを企画、運営しています。皆様とも、ぜひセミナーにてお目にかかれることを楽しみにしています。よろしくお願いします!

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