Eye to Eye :見ること 東京都現代美術館
中園孔二の《ポスト人間》が展示されているということで東京都現代美術館に行って参りました。
1階では『歩く、赴く、移動する1923-2020』のタイトルで引き続き、藤牧義夫の《隅田川両岸画巻》も展示中。
3階では『Eye to Eye:見ること』と題して様々な視線の在り方に焦点を当てた展示がされていました。
3階に上がってすぐ『Eye to Eye:描かれた視線』のコーナーで、ロイ・リキテンスタイン、アンディ・ウォーホル、ゲルハルト・リヒター、アレックス・カッツ、奈良美智と大御所達の作品と一緒に中園の作品が3点展示。
中園が18歳のときの作品。意外だったのが、作品のデカさ(210×150)。しかも和紙に墨で描かれていて浮遊感が凄い。
となりには奈良さんの作品。
2点目はこちら。この作品も大きい(228×182)。そして、吸い込まれそうな引力。中園23歳の作品。
何層にも重なって描かれた複数の人?生き物?闇の中に浮かぶ眼。一見コミカルにも感じるのだけど作者が抱える深い深淵を覗かされてしまったような感覚。
3点目がこちら、中園21歳の作品。
複数の顔、表情が剥がされて、持ち去られそうになっている感じでしょうか。白で透き通ってそうだが、地は黒い。
なんていうか、人が持つ業を色んな形で表現していて、誰もが隠していたい、気付かないままでいたいものを描いていた、描かずにはいられなかった、そんな印象を受けました。
まだ若い18歳の時から、そういった感情に気付いて表現できていたのは本当に不思議。
中園作品が、奈良さんの作品と並んでるのも不思議ですが、その向かいに展示されてるのは、ウォーホル、リキテンスタイン、リヒター(こちらは撮影不可)。同じ土俵に上げている学芸員さんも凄いです。
中園が生きていれば、今年で35歳。来年は没後10年。昨年、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で『中園孔二 ソウルメイト』が開催されたばかりですが、是非、東京都現代美術館でも企画展をやってほしいです。
GWに『穏やかなゴースト 画家・中園孔二を追って』を、再読しようかなと思っております。