東山魁夷記念館 千葉県市川市中山
市川市にある東山魁夷記念館に行って参りました。
山種美術館で『東山魁夷と日本の夏』を見てから、涼しくなってから行こうと思っていまして、ようやく訪問。
駅から少し歩くのですが、快晴でほどよい涼しさ。気持ちよく辿り着きました。
なぜ市川なのか?ですが戦後まもない1945年から亡くなる90歳まで市川に住居、アトリエを構えていたため。
展示室には東山魁夷の年表も展示されていたのですが、終戦後の40代に近づいてから活躍し始めていたのですね。
1947年、39歳の時に第3回日展で特選となったのが《残照》。この頃はまだ、いわゆる東山魁夷的な風景ではないです。
1950年、第6回日展の出品作が《道》。この作品の頃から東山魁夷的風景を感じます。
今回の企画展「写真家・寺島照夫が捉えた風景画家・東山魁夷の軌跡」では《道》のリトグラフが展示。
さらに魁夷の自筆の書「道」と、《道》のモデルとなった青森・種差(たねさし)海岸に28年後に訪れた東山魁夷の写真が並んで展示されていました。
青森の現地には「道の碑」もあるのですね。
《道》を描いた2年前には唯一の血縁であった弟も亡くしていたようですし、失意の中で、それでも前を向いて進んで行こう、この先も道は長いけど明るい筈、そんな感覚を受けました。
他にもドイツで描いた作品のリトグラフも多数展示。湖畔に白馬が一緒に描かれている作品など。ドイツだけでなくオランダでも描いていたのですね。
帰りは法華経寺を抜けて駅まで戻ったのですが、最寄り駅から参道を抜けて行くのが最短距離のようです。
実は学生時代に3年間、この近くに住んでいたのですが、駅を挟んで反対側だった為、こんな、立派なお寺があるのを知りませんでした…。市川市中山は法華経寺の門前町なのですね。
せっかくなので、久しぶりに駅の近くも歩いてみたのですが、TSUTAYAが無くなってる以外、元々あったお店はそのままで新しいお店が多数。住んでる人がメチャクチャ増えてるようでした。
時の流れを感じつつ、学生時代の出来事は明確に思い出されるのに、社会人になってからの記憶が曖昧なのは何故なのか?
東山魁夷を見に来たこともさっそく忘れ、思案しながら帰路についたのでした…。