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芸術としての古着 M47



閲覧ありがとうございます。
M1です。

今回は

ヴィンテージ古着を芸術として捉え、M47パンツを紹介


しようと思います。



作品(アイテム)概要


作名(通称)  M47 (Made since1947〜の意味)
作者(国)     フランス陸軍
年代   1940〜1960年代

フレンチミリタリーの代名詞的存在?

筆者所有の軍用実物


(シワシワですみません、ほんとはもっとカッコいいです笑)


凄いところ


なんといっても

機能美


でしょう。

ミリタリー服は軍用で作ってますので
全てのディテールに意味があります

たとえばサイドポケット。

これ自体はミリタリーパンツに多く採用されているものですが、M47は少し違います。
ボタンが2つ+上から蓋することで中身が飛び散らないようにしています。

上から蓋ができるようになっている
(比翼仕様)



また裏返すと股に補強の布が当てられています。
これも動き回ることの多い軍人にとっては、股部分は特に破れやすいのでつけられたのでしょう。



元ネタとしての価値

M47は様々なブランドがオマージュ、参考にして商品制作しています。

M47と調べると5000〜10000円まで広い価格帯で様々なブランドから商品が出されています。


しかし中でも最も有名なのは

マルジェラのランウェイ


でしょう。

1998年のマルタンマルジェラというブランドのランウェイで、
M47を裏返してモデルに着用させました。

服を裏返して着たという衝撃的事件はすぐに噂になりました。

裏返した後側
裏返した前側

マルジェラが裏返しでモデルに着せた理由は簡単なものでした。

それは

縫製が綺麗だったから

です。

綺麗な縫製を見せるために裏返して着させ、服の本来の意味を再定義させたと考えられています。

戦争中とは思えないほど丁寧な縫製
(戦時中は基本的に資源節約を強いられます)


そしてM47は有名になり現在では、
中古品でも30,000近くで取引されるほどになりました。



ファッションをアートとして



私は普段、アート(絵画)のカンタン解説を行なっています。

さてみなさん、アートとはどんなものだと思いますか??

私は

自己表現したものがアートだ

と思っています。

自己の内にある感情・考えなどを外に出した結果がアートだと思います。

なのでその形は人それぞれです。

絵画としての形もあれば、音楽・文学・ファッション・陶芸などもあります




ではM47は誰が何を表現したのか。

部隊番号?
もしくは隊員番号など??

私は

戦争が、戦争を、表現した

と考えています。

ミリタリー系の古着は大抵、軍用服の二次流通です。
つまり真の平和な状態であれば、真のミリタリー服は生まれないと私は思うのです。

しかし令和の時代でも各国に軍は存在しており今も軍用服は作られています。

そして過去の軍用服も流通しています。


軍服を着ることは戦争を軽んじている。と話す方もいます。

私はミリタリー古着を着る身ですが、この意見に反対できません。

ミリタリー服、ましてや当時使われていたものを着るなど、歴史を軽んじているのではないかと思われても仕方ないとも思えます。



なぜミリタリーを着るのか。
おわりに

しかし私は着ます

着ることで戦争を忘れないようにしたい

からです。


私は気に入った本は必ずリアルで購入し、本棚に置いておきます。

読み返すことはほぼなく、あっても1回読み直せばいい方です。
しかし置いておきます。


身近に置いておくことで、その本を見かけるだけで本の内容を思い出せるからです。

反対に言えば、
本を手放すと、その内容も忘れてしまいそう
なのです。

だから近くに置いておきます。


これを服で行なっています。
戦争という歴史を忘れないために、ミリタリーを着る。

そんな自己表現もいいのではないかと私は思うのです。

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