能登半島地震から7か月、災害時の「食」支援について

今日で能登半島地震から7か月である。また、最近も色々な場所で大雨による災害なども発生している。日本における災害時の「食」支援について、調べてみた。

まず、NHKの時系列データで振り返る特集ページを参照すると、能登半島地震のときの避難者数はピーク時で3万4千人あまりだったらしい。石川県危機管理監室のレポートを見ると、それは1月5日頃のことである。これに対して、食事の提供はどのようになっていたのだろうか。自衛隊HPの「災害派遣について」資料上のデータをグラフ化してみた。1月11日の時点で述べ50万食を超える提供があったということなので、避難所以外も含め5万人の被災者がいたとして10日分でぎりぎり全員に行き渡るくらいの量が取り急ぎ提供されていたということではないか。ただし1月17日に米軍のサポートも得て提供数を一気に増やしていることから、それまで届いていた地域と届いていなかった地域とがあるのではないかと推測する。また、暖かい食事の提供という意味での給食支援は自衛隊としてはそれほど多くはなかったことが分かる。あくまでも何かしら食べれるものを緊急で持っていく、という部分で自衛隊の機能が果たされたのではないかと思う。

農林水産省はどうだろうか。HPには「1月2日から3月23日までの間に約514万点の飲食料及び18,121kgの無洗米等を広域物資輸送拠点に供給、関係省庁と連携して被災地へ順次配送」とある。また、1月11日以降で「外食事業者の協力を得て、キッチンカーを利用して、温かい食事の無償提供を開始」したようだ。また、人間の食べ物はもちろんの事、1月5日の時点の記者会見でも農相が畜産の飼料などについても言及をしている様子である。

内閣府の防災担当による「令和6年能登半島地震における 物資調達・輸送の状況」資料に基づくと、「発災から3日間は家庭等の備蓄と被災地方公共団体における備蓄で対応することを想定し、国が行うプッシュ型支援は遅くとも発災 後3日目までに、必要となる物資が被災都道府県に届くよう調整をする」というのが基本ラインとして構えられている内容のようである。ただ、これはあくまでも原則で、実際には1月 2日 19:00に プッシュ型支援物資の食料が広域物資輸送拠点である 石川県産業展示館へ到着(パン36,000個)したようである。

政府は「物資調達・輸送調整等支援システム」というITツールを構築しているが、「1月5日以降は県庁が物資調達・輸送調整等支援システム(以下、物資システムという。)を活用し、C-4班(物資調達・輸送 班)と情報を共有し、市町のニーズ把握や物資拠点の在庫管理手段として使用され、円滑な調達につながった」ということだ。もちろん今回の災害で分かったIT活用上の課題などもあり、改善に向けた取り組みがなされているようである。

https://www.bousai.go.jp/updates/r60101notojishin/pdf/kensho_team4_shiryo01.pdf

勿論、障害を持った方や高齢者などが食べにくい物の提供などもあるだろうし、十分に行き届かない地域などもあっただろうが、そういった点は自治体のみならずNGO・NPOの皆様が活躍されてフォローされている様子であった。ただ、足りない、困っているという声も色々と上がっていたので、今の仕組みで何が足りなかったか、どう改善されるか、声を丁寧に拾っていって欲しいと思う。災害は他人事ではなくいつ自分の身にに起こることかわからないからこそ、常によりよい対応ができているかどうかを一般の国民としてウォッチしたほうがよいと思っている。

さて、災害が起こったときに被災地以外の人間としては何ができるか。実は支援物資といっても単発で個々に送られると賞味期限管理ができないなど、運営を複雑にするのでかえって迷惑になることもあるようだ。だから支援するならなんにでも変えられるお金の寄付が一番助かる、というようなことも聞いた。

自分が災害に合うことを想定してどのような準備をしておけばよいか。これはよく言われることだが、缶詰などの災害時に調理なしで食べれるものを備蓄しておいて、賞味期限が切れる前に食べたり寄付したりしながらまた新しい期限のものを備蓄する、ということに尽きるようだ。その他NHKが「NHK防災」というタイトルで色々なノウハウをHPに載せて下さっているのが情報として役立つと思う。

いずれにせよ、災害はいつどこで誰に起こるかわからないからこそ、他人事ではなく自分事としてきちんと準備されているか、対応されているか、確認していくことが必要だと思う。

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