進む?それとも、逃げる?

お母さんが言ってました 
「逃げたら一つ 進めば二つ」
手に入るって…
逃げたら「負けない」が手に入ります。
でも、進めば勝てなくても手に入ります。
経験値も、プライドも…信頼だって!
(引用:「機動戦士ガンダム 水星の魔女』 スレッタ・マーキュリー)

アニメ好きを中心に非常に人気で有名な言葉で、NOTEをはじめたくさんのブログなどで題材にされているようです。

しかし、人によって解釈はさまざまのようで、作中では勿論、「進む」ことの方がポジティブな選択として使われていて、その解釈に感銘を受ける人が多い一方、「逃げても一つは手に入る」という、「逃げる」ことの大切さを唱える意見も目立ちます。果たして、どちらが正しい解釈なのでしょうか?

逃げることと、負けることは同じか?

「あきらめたら、そこで試合終了ですよ」
(引用:スラムダンク 湘北高校バスケ部監督 安西光義)

スラムダンクファンには神セリフですよね。
最近大ヒットした映画すら見にいかない程度の僕でも、何故かこのセリフは記憶に刻まれていて、ふとした時に反芻することもあります。シンプルながら、とてもインパクトのあるセリフですよね。

スレッタマーキュリーのセリフも、安西先生のセリフも「前向き」であることは同じです。しかし、スレッタのセリフは、進むか?逃げるか?という戦う前の「選択肢」ですが、安西先生の場合は戦って負けた、あるいは負けそうになった時の「心構え」です。

諦めなければ、負けたことにはならない

あくまで個人的な解釈ですが、「逃げれば、負けない」の裏には、「逃げても諦めなければ負けたことにはならない」という意味が隠ているはないでしょうか?

つまり、「負けを認める」ことが「諦める」ことであって、「逃げる」ことがそのまま「諦める」ことにはならないと思うのです。

生きていれば、どうしても逃げたくなることが山ほどあります。闇雲に向かっていくだけが正しい選択ではなく、逃げた方がよぽど正しい選択だと思う事はたくさんあります。

ただ、言葉の上っ面だけをみて、都合よく解釈するのは危険です。

やっぱり、逃げてるだけじゃ辿り着けない場所もあるんですよね。

ルフィは何度も負けている

「諦めなければ、負けたことにはならない」ことを教えてくれるのはモンキーDルフィですね。

ご存知の方はたくさんいると思いますが、とにかくルフィは何度も負けます。

新世界に入ってからは特にそのシーンが目立ちます。これでもかと言わんばかりに負けては立ちあがり、また、負けては立ち上がり、を繰り返すのです。

「もうそろそろ決着ついてもいいのになー」と半ばイライラするほど負けるのですが、その都度、展開の面白さに惹きつけられてしまうのです。

この手法はストーリーテリングのセオリーでもあるので当たり前とも言えるのですが、だからこそ、そこに人々を惹きつける本質的なテーマを垣間見ることができるんではないでしょうか?

諦めない=逃げない

今回は、ストーリーテリングを検証するつもりではないので、そこを掘り下げて考えませんが、このモンキーDルフィの諦めない姿勢こそが、先の2つのセリフを統合しているのだと、僕は思っています。

・現時点では力が足りていないとしても、
 ブレずに諦めない限り、負けたことには
 ならない。
・戦いながら、もがいたり、苦しんだり、
 あるいは戦い方を変えてみたり。
・時には周囲の仲間に助けられながら、
 新しい気づきやヒントに辿り着く。
・しかも、戦いの中で成長していく。
・そして最後は、勝つ。

物語やセリフの解釈は人それぞれで良いと思いますので、あくまで個人的意見としてですが、ルフィの戦いの中には、人間が生きていくために必要で大切なメッセージが込められているのだと、僕は解釈しています。世界中の日本の漫画やアニメが面白いと言われる所以は、このような国籍や人種を問わずに惹きつけられる本質的なテーマを描いているからなんだろうと、僕は思います。

(ぴん🖐️)








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