本当の贅沢とは…。
先日、書店に行くと大好きな小説のシリーズ最新作が発売していた。
群ようこさんのれんげ荘物語シリーズ第8弾、「しあわせの輪」という作品だ。
もう8弾まで出ていたんだ。
シリーズが第8弾まで出ているということが、このシリーズの人気度を表している。
私が、れんげ荘という本に初めて出逢った時、こんなに長くシリーズ化するとは思っていなかったので、嬉しい限りである。
それほどの魅力的な作品、れんげ荘。
私は、この物語に出逢ってから、人生の軸みたいなものが変わった。
自分が本当はどう暮らすのが理想なのかが分かった。
そういう気付きをくれた一冊だ。
簡単なあらすじを紹介すると、早期退職をした主人公キョウコがれんげ荘という安アパートで月10万円で暮らすという話で、人とのあたたかな交流なども描かれている。
私が、感銘を受けてしまったシーンがあるので、聞いていただきたい。
キョウコがれんげ荘に越したばかりの頃。
一つ、また一つ物事を終える度に、もうやることがなくなるというシーンだ。
古いアパートの一室で、やることが見つからないキョウコ。暇なのだ。
これは、私の理想を描いた場面で、いつも日常の中で思い出す。
普段、家事育児で忙しく過ごしているが、本当は私それがしたいんじゃない。
…、と気づいてしまった。
現実的ではないが、古いアパートで必要最低限の物だけに囲まれた暮らしがしたい。
畳の上で、「ふー。暇だな。」と呟いて、図書館へお散歩。
決して贅沢は出来ないけれど、ある意味そんな生活は、旅館に着いて一息ついた時に似ていて、実は何より贅沢だと思うのだ。
れんげ荘は、私に心の余裕というものを気づかせてくれた一冊だ。
いつも、私の多忙な暮らしの、心の中にれんげ荘。
私も、いつかはれんげ荘。
と、憧れている。
私の憧れがギュッと詰まったれんげ荘物語は、いつでも私の心のオアシスであり続けていてくれている。
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