【記録】読了後振り返り『学びの引き出し術』学びで人生豊かになるの?への問い
尾石晴さんの新刊が出た。
『自分らしく生きている人の学びの引き出し術』
予約購入なので、早々と到着。
子育ての隙間時間を利用してちょこちょこ読み進め、18日のオンライントークイベントも無事に視聴。
まずは、読後の所感入力前に、トークイベントで仰っていたことで気になった点。
晴さん、「学び軸が自分ではっきり分かっている人は、この本を手に取ってないと思います」という趣旨の発言をしていた。
が、私は手に取った。
書き記すのも畏れ多いが、私は自分の学び軸のことを理解している。
というか数年前、理解するに至った。
そして自分の引き出しの中にどんなものが入っているかも、だいたいは把握している。
なぜか?
著者のVoicyを聴き始め、noteの内容に触れ、これまでの書籍を読んだからである。
今回の引き出し本を読み終えて、この本って、著者である尾石晴さんの存在そのものを具現化したものだなって思った。
この人って実在してるの?といまだに感じることも多い謎な部分もあるけれど、発信をキャッチし続けていると、同じ世代のロールモデルとして憧れている人たちは少なくないはず。
私もそのひとり。
土俵からして何もかも違うけれど、いつも勇気をいただいている。
だから、その類の読者は、「うんうん、晴さんはこういう考え方だよね」という気持ちが持てるし、読み進める上での安心感が保証されているってことに、ある意味ファンは共感できるのではないか。
読書って、読後に「自分の中の何かが変わる」っていうことが多いのだけど、この本は読み進めている最中に、現在進行形で「自分の中の何かが変わっていく」感覚を覚える。
ワークも充実しているし、その気になれば、本1冊でちゃんとした研修を受けたことにもなり得る。
そして、Voicyをはじめさまざまな発信媒体で著者の考え方や価値観を受け取ってきた人の中には、それを自分なりに学びの在り方に落とし込んで、すでに学び軸と引き出しを備えてこられた方々もそれなりにいるのではないかと思う。
本の内容を引用すれば、はるファンの多くは、「過去の発信内容から」抽象と一般と具体を自分たちなりに行き来し、個々の学びに落とし込んできているんじゃないかなって。
だから私は本を読み進めながら、これまで享受してきた発信内容を自分の学びに反映させ、ちょっと形にもできてきたなと思える体験を自分なりに振り返っていた。
本は、著者を全く知らない人にも手に取って欲しい。
読めば、学びの域が変わる。
特に、「自分らしく生きたい(けど、うまくいってないな)」という人に。
学ぶってこと自体に、きちんと向き合いたい人に。
ところでもうひとつ、トークイベントで仰っていたことに触れる。
「著者が伝えたいことと、読者の期待値とがズレる可能性が高い(と感じていたので…)」というコメント。
これは「学び」という抽象度が高いテーマを扱うゆえの懸念であろうが、それを回避するための工夫や配慮が随所に施されていて、読みやすい。
というか日頃から晴さんの発信を聴いている者は、本の内容と自分の期待値とが、ちゃんとマッチングしているであろうことを確信して購入していると思う。
前置きがずいぶん伸びたが、以下、本の内容と照らし合わせた自分に関する振り返りをしてみる。
自己理解がいつの間にか進んでた
内容に色濃く関わる「自己理解」のエッセンス。
私は産後、今後の働き方を見据えて、自己理解につながる取り組みに目を向けた。
・日記
5年日記帳を使用。毎日あったこと、起きたこと、したこと、それを通して自分が考えたことを殴り書きレベルで記入。
負荷が少なくするボリューム感がポイントで、継続できている。
これが本でいうところの、「ログ」に当たる。
・ストレングスファインダー
過去に受けて分かった私の強み上位5つは、「達成欲」「着想」「学習欲」「個別化」「収集心」。
これが分かってから、これまでのことを振り返り、いろいろと合点した。
強みを理解した上でだと、その後の仕事の進め方やチョイスにも、ものすごく良い影響を与えてくれた。
これらの自己理解ツールを通して、私は自分なりのスイートスポットを見つけている。
詳しくは身バレの可能性が高まるので割愛するが、私レベルのスペックなら業界の特性上、完璧に埋もれるはずなのに、そこそこのニッチ戦略で重宝がられることも多い。
この結果は、自己理解ありきだと振り返っている。そして当然、仕事が楽しいと思えることにもつながる。
子育てに使うなら?
我が子は3歳児なので、今後どういう形で興味関心の方向性が変わっていくかは分からない。
出会う素材や環境が大きく影響するだろうし、都度、未来につながる選択肢が多いに越したことはない。
できるだけ多くの体験をさせてあげ、いずれ対峙する時が来るであろう彼の学び軸への理解に備え、親としてはとりあえず「観察」と「記録」に専念したい。
「記録」はつまり、本でいうところの「ログ」。
発達段階に応じて、親が代理で行うなどの応用も利くと思う。
息子はかなり変わっているみたいなので、長所や特性を良い方向に向けてあげられるためにも、学びの軸は活用できそう。
そのときが来るのを楽しみにしよう。
生徒に使うなら?
高校生が進路に向き合っていて、ぶち当たる壁。
「やりたいことが見つからない」
ついこの前も、この件で相談を受けたところ。
立場的には、卒業まで、またはその年度末までという限られた時間の中で進路実現に向けてサポートするわけなので、生徒が最優先すべき事項は、学力向上のための学習習慣の確立やら、目標達成のための計画と実行やら、というあるあるな方向性を示すのがマストではあるのだけど。
だがしかし、勉強するにも思ったようにうまくいかないことのブレーキが、この「やりたいことが見つからない」だった場合、時間をとってでも学び軸ワークを実施してから目標の設定をし直すってことが、結果的には「迂回=近道」になるタイプの生徒も一定数いるはず。
ただし、高校生の過去体験の密度やストック量はたかが知れていて、学び軸を最大限活用できるのは、もう少し先な感じも否めない。
そうじゃない学生も、もちろんいるんだろうけれど。
ただ、こういう視点が持てるかどうかで、学ぶことの捉え方は変わるだろうし、いやいや勉強するより学ぶことが楽しいと思える方が、物事の見方がより充実したものになると思う。
私は、きれいごとを並べて行う指導は嫌いである。
生徒には、社会のアレコレに翻弄されたり飲まれたりせず、自分の目で見て判断し、意見を持って、自分の意志で生きていってもらえるようになって欲しい。
であれば、やっぱりこの先もずっと学んでいくことが大切であることに気づいて欲しいし、だからこそ今も、受動的に日々を過ごしては欲しくない。
だから、世の中のこともちゃんと伝えなきゃと思う。
まぁ、これがきれいごとだと言われたら身も蓋もないのだけど…
社会に出てからも、ずっと楽しく学んでいけるような助走ができるように、学び軸の視点を教えたい。
基礎教養が大切だから、今はちょっと我慢学習も必要だけどね…
この本、学校図書館にも入れてもらおうかな。
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と、いろいろと考えてみた。
心が満たされる1冊だった。
読了後、タイトルの問いへの解答。
学びで人生豊かになるの?
↓
なる。
ただ、学びの中身が重要で、自分に合った学びの方向性や質を確保するために、まずは自己理解。学びの軸の視点は、大いに役立つ。
では、また!