『九龍ジェネリックロマンス』88話感想
夏の終わり、彼は姿を消した
【あらすじ】
自室で眠っていたグエンの携帯に
工藤から連絡が入る。
グエンが令子さんの部屋に駆けつけると
令子さんは既に息を引き取っていた。
令子さんの死後
金魚茶館に工藤が久しぶりに訪れる。
グエンが用事のため少し席を外していると
工藤はカウンターでグラスを取ろうとして
プロポーズ記念で撮った写真を見つける。
写真の中の令子さんを見つめる工藤は
彼女の口元を見た途端何かに気づく。
グエンが用事を済ませて戻ってきた時
工藤は既に店を去っていった。
そしてそれが
グエンが第二九龍で工藤を見た最後だった…
【感想】
①工藤からの連絡
今回はグエン目線の回想。
扉絵の令子さんがちょっと怖かった💦
扉絵の令子さんが不気味でしたが
グエンのガタイの良い寝姿に
救われました(笑)。
自室の部屋で寝ていたグエンのもとへ
工藤から連絡が入ります。
工藤の無表情が悲しい…
無表情だけど、心の中では
様々な感情がぐるぐる渦巻いているのが
察せられます…
あまりにもエグい。
②令子さんを診察する汪先生
警察は事件の可能性を考えて
工藤を取り調べようとします。
そのことにグエンは大激怒。
一方、令子さんの主治医でもある汪先生は
彼女の遺体を調べていました。
調べる中、汪先生は
彼女の口元が真っ赤なことに
違和感を感じます。
「口紅でもつけているのか」
と思う汪先生でしたが
彼女の口元を調べて何かに気づきます。
この時、汪先生は気づいたんですね。
令子さんがメビウスを飲んだことに。
↓メビウスの件は84話の記事に書いています。
あと、グエンが74話で
「令子さんの本当の死因について俺は詳しくは知らない」
と話した理由も分かりました。
グエンは汪先生から、令子さんの死は
「薬の過剰摂取による自殺」
と今回聞かされましたが
何の薬を飲んだのかまでは
聞いていないんですね。
だとすると、グエンは令子さんの死に
メビウスが関係していることを知らない？
…ということなのでしょうか。
③ジェネリック地球の建設の始まり
令子さんが亡くなった後
工藤は彼女の件を紛らわすかのように
仕事に没頭します。
グエンは工藤を心配して
度々連絡を取りますが
工藤からの返信が無い日が続きます。
そして第二九龍の
解体作業が始まると同時に
ジェネリック地球の建設が発表されます。
第二九龍の解体工事も
ジェネリック地球の建設も
蛇沼グループが関わっているので
同時に始まったのは偶然では無さそう…
やっぱりG九龍の存在に
ジェネリック地球も影響しているのは間違いない？
④姿を消した工藤
金魚茶館で働くグエンの元に
工藤が久しぶりに訪れます。
工藤は今日司法解剖に出された
令子さんの遺骨が届いたことを
グエンに告げます。
工藤…令子さんの死に顔と
もう一度きちんと対面できずだったんですね。
「オレ、ずっと何か勘違いしていたみたいだな」
と話す工藤の表情が居た堪れない。
グエンもそんな工藤を心配しますが
そこへ用事ができてしまいます。
グエンが席をはずしている間
カウンターでグラスを取っていた工藤は
プロポーズ記念の写真を見つけます。
写真の中の令子さんの口元を見た工藤は
その時違和感に気づきます。
グエンが用事を済ませて戻ってくると
工藤は帰ってしまっていました。
そして、その日を最後に
工藤は第二九龍から姿を消してしまいます…
きちんとお別れも言えないまま。
【余談】工藤は3年間「どこ」にいたのか？
現実でもあるあるですが、工藤のように
「自分は大丈夫」という人ほど
色々背負い込みやすいですよね。
令子さんもきっとそうだったんじゃないかと
思います。
当初は兄貴分的な工藤でしたが
話が進むにつれてだんだん
化けの皮が剥がれつつある気がします。
今回はグエン目線の回想でしたが
令子さんの死後
工藤はグエンや他の第二九龍住民に
別れを言わないまま
第二九龍から姿を消したことが判明します。
第二九龍から姿を消した後の3年間
工藤は一体「どこ」へ行っていたのか？
そして「いつ」G九龍に来たのでしょうか？
ラスト直前
プロポーズ記念で撮った写真を見た工藤は
何かに気づいたようでした。
令子さんの口元がアップされていたことから
彼女の死因がメビウスであることに
気づいたと推測できます。
だとすると
工藤が向かった先は蛇沼グループ？
工藤が蛇沼を嫌っているのは
令子さんの死に関係しているのも
大きいでしょう。
内心では蛇沼を恨んでいても
おかしくはありません。
令子さんも謎めいていますが
工藤もだんだん正体が謎めいてきました。
工藤は本当にオリジナルなのか？
本当は彼もジェネリックだったりして…