「高校時代、国語教科書で読んだ作品で印象に残っているのは?」——そう問われたなら何と答えるだろう? 『AERA』誌は2020年にネットアンケートを実施して記事にしている。*1 結果は、「山月記」「こころ」「舞姫」「檸檬」「羅生門」と文学作品が並んだ。*2 中東ガザ地区では、イスラエル軍によるパレスチナの人々への無差別の攻撃が止むことなく続いている。 いつ空爆に襲われるとも知れない環境下で、文学に親しむことは難しい。まして「書く」ことは無謀に違いあるまい。 今のガ
中原中也の第二詩集『在りし日の歌』の中に「一つのメルヘン」という夢のような詩がある。 秋の夜は、はるかの彼方に、 小石ばかりの、河原があつて、 それに陽は、さらさらと さらさらと射してゐるのでありました。 陽といっても、まるで硅石(けいせき)か何かのやうで、 非常な個体の粉末のやうで、 さればこそ、さらさらと かすかな音を立ててもゐるのでした。 さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、 淡い、それでゐてくつきりとした 影を落
船のようなゆっくりした揺れだった。それが1分近くも続いた。掃き出しの戸を開けて逃げる態勢をとった。 年始の夕方というタイミングでの能登の大地震だった。揺れから「震源は近いか?」とも思ったが、直線にして約300km。3・11東日本と似た距離であった。 もうすでに1週間以上経ったというのに、被災地への支援は十分とは言えない心細さで、現地の被災者にとっては非常に厳しいレベルに留まっているように見える。一刻も早く必要な援助の手を届けてほしい。猶予はもうない。 気になる志賀原発
先日偶然見つけた不審な点について問い合わせをした。 その時のメール。 主題:貴〇〇〇HPの道標写真のキャプションの間違いについて 熊野古道は何度か訪れたことがあり、ファンの一人を自認しております。 先ほどたまたま貴〇〇〇HPの「〜道標考察」(2021年○月○日付記事)を拝見していて、間違いと思われる箇所を見つけたので、僭越ながら指摘させていただきます。 以下、読みにくいでしょうが、私が書いた文章の引用になります。 ——熊野を歩いていると、古い石の道標をよく見かける。「
人生のうち1/3は寝ている時間である。さて残りの時間のうちどれほどをモノ探しに費やしていることだろう。今日も本を探しながら考えた。その「モノ探しのベテラン」には貴重な教訓がある。「最初にここだと思った場所にある」という法則である。ところがセッカチな私は、そこを徹底して探さないうちに気移りしてしまう。そしていつも手間取る……これも法則。